【クレジット市場】金融庁が地銀のドル調達支援検討、海外融資後押し – ブルームバーグ

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09金融, 国内銀行貸出約定平均金利 コメントはまだありません

金融庁は、国内融資が伸び悩む地域 金融機関の海外向け融資を後押しするため、外貨調達の支援策を検討し ている。地銀はメガバンクに比べ信用力や知名度が必ずしも高くなく、 原資となるドル資金の調達が課題となるからだ。

各銀行の開示資料によると、ドル債を定期的に発行できる三菱 UFJフィナンシャルグループなどメガバンク3行の総貸し出しに占め る海外向け融資の割合は、3月末で30%前後。一方、大手地銀も外貨建 て融資を伸ばしているものの、静岡銀行で6.0%、千葉銀行は1.4%にと どまっている。

金融庁総務企画局の遠藤俊英審議官は、ブルームバーグとのインタ ビューで、高齢化や一極集中で人口減に直面している中、地銀は地域だ けにとどまっていては「収益拡大できない」と指摘。海外展開では「外 貨調達が一番のネックだ」とし、調達の選択肢をできるだけ拡大するた め、現在、政府内で方策を調整していることを明らかにした。

静岡銀行や常陽銀行のように海外融資の原資としてドル建て転換社 債(CB)を発行する地銀もある。ただ、ゴールドマンサックスの投資 銀行部門アドバイザリー・グループの杉浦啓之ヴァイス・プレジデント によると、CB発行には一定の時価総額や株式流動性など条件があり、 全ての地銀が発行できるわけではない。遠藤審議官は「もう少し中位く らいまでの地銀が参加できるとビジネスの幅が広がる」と述べた。

人口減少の脅威

遠藤審議官が指摘するように、特に地方を中心とした急速な人口減 少は深刻だ。内閣府の資料によると、地方から東京や大阪など大都市へ の人口移動が続くと、2040年時点で全国約1800自治体のうち523自治体 は「消滅可能性」が高いと試算する。

金融庁は昨秋公表した地域金融機関の監督・検査方針に「5-10年 後を見据えた中長期の経営戦略の検討が重要」と指摘。畑中龍太郎長官 は今年1月、地銀経営者らとの会合で経営統合や業務提携を促した。麻 生太郎金融相は4月23日の国会で、経営者が「一番考えるべきことは人 口減少だ」と述べ、貸出先が流出しかねないなどと指摘した。

野村証券の佐藤雅彦アナリストは、地銀の経営環境について「貸出 金利回りの低下の影響は深刻」と指摘。現状に近い3%の融資残高の伸 び率を維持できたとしても、地銀間の競争激化から5年後の純利益は14 年3月期に比べ全体で約40%減少する可能性があるという。今後5年間 が「再編を考えるべき重要な時期になるだろう」とみている。

金融庁が外貨調達の支援策を検討していることについて、スタンダ ード・アンド・プアーズ(S&P)の吉澤亮二主席アナリストは、「よ ほど危機感を持っているのだろう」とし、具体的には「公的金融機関が インターバンクか相対で調達を代わりにしてあげる」ことが考えられる と予想した。ただ、こうした支援は自力で外貨調達した銀行の利益を損 ねるとし、「マーケットを壊しに行く」と懐疑的な見方を示した。

海外展開

地銀自身も海外展開に乗り出しており、昨年6月に契約したベトナ ムのニソン製油所向け融資には、静岡銀行や千葉銀行、山口銀行が参 加。今年4月にはインドの石油化学メーカー、リライアンス・インダス トリーズ向けの5億5000万ドルの融資に、群馬銀行、八十二銀行、千葉 銀行が参加した。

資金需要の低迷や銀行間競争から、2月の国内貸出約定平均金利 (日本銀行調べ)は過去最低の0.808%。これに対し、アジア開発銀行 によると、アジアのインフラ投資は10年から20年までの10年間に8兆ド ル(約810兆円)増え、そこに資金を供給するプロジェクト融資の需要 は高まる可能性がある。

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