「異端児」スルガ銀、業績至上主義の風土露呈 – 東洋経済オンライン

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1990年代から独自の審査システムを導入

スルガ銀行本店(静岡県沼津市)=黒木健太朗撮影

シェアハウス投資を巡るトラブルで不適切な融資が明らかになったスルガ銀行に対する信頼が揺らいでいる。

地方銀行が経営に苦しむなか、高収益を上げ続けるスルガ銀は「異端児」として注目を集めてきた。だが、業績至上主義の企業風土が露呈し、事業モデルの再構築を迫られている。

「最高益を連発する段階で忘れてきてしまったものがあった」

スルガ銀の米山明広社長は15日、社員が顧客の預金残高に偽造・改ざんなどがあることを把握しながら融資を行っていた可能性に触れ、企業体質に問題があったことを認めた。

スルガ銀は長らく増収増益を果たしてきた。預金残高は4兆円で地銀約100行中30位前後の規模だが、収益力は群を抜く。集めた預金につける金利と融資の利息との差を示す「預貸利ざや」は2.37%で、同規模の地銀が0%台であるのに比べると差は歴然だ。

特徴は、個人向け融資に重心を置く点で、貸出残高3.2兆円のうち約9割の2.9兆円を個人ローンが占める。貸出残高が同規模の京葉銀行(千葉県)は4割程度にとどまる。

1件あたりの融資額が少ない個人ローンは採算性が低いとされるが、スルガ銀は1990年代から独自の審査システムを導入し、顧客とのやり取りを素早く進める態勢を築いた。

だが、2015年から16年にかけて急速に増やしたシェアハウス投資向け融資で、営業手法や審査の問題点が浮き彫りになった。

スルガ銀は、シェアハウス以外のアパートの投資についても同様の改ざんがあった可能性を認めた。融資の条件として高金利の「フリーローン」をセットで貸し付けるなど、強引な営業手法も明らかになった。その背景には「営業部門が審査部門をどう喝して圧力をかけていた」(スルガ銀)ほどのノルマ体質がある。

スルガ銀に対する金融界の視線は冷ややかだ。全国銀行協会の藤原弘治会長(みずほ銀行頭取)は17日の記者会見で、一般論としながら、「(銀行は)顧客のために創造的な発想で新しい仕組みを考えるべきで、(事実だとすれば)本末転倒だ」と述べた。

再発防止に向け、スルガ銀は〈1〉営業部の管理体制の強化〈2〉通帳原本などでの自己資金確認の徹底〈3〉営業成績に偏った人事評価の見直し――などに取り組む。米山社長は「新しい市場を見つけるノウハウは枯れていない」と自信を見せた。

しかし、預かったお金を貸す銀行は、高い信用が譲れない。ある銀行アナリストは「ルールを超えた営業は、会社の致命傷になりかねない」と警鐘を鳴らす。





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