衆院選後も国債市場で儲けるこつ、投資家は20年ゾーンに熱い視線 – ブルームバーグ

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与党優勢と伝えられる衆院選後も日本銀行の黒田東彦総裁が進める金融緩和路線は揺るがず、国債相場の動く範囲は限られる。ならばと、投資家が収益確保先として注目している年限がある。日銀の金利操作の直接対象から外れている超長期物の中では流動性が高いために売買しやすい20年債だ。

  現在の20年債利回りは0.6%未満。だが、ブルームバーグのデータによれば、同年限を今後1年間持ち続ければ、キャリーロールダウンの効果で年率1.60%程度の収益を得られる公算がある。同じ期間保有しても、30年債の1.52%程度より高いほか、10年債の0.35%程度に比べると5倍近くに相当する運用益だ。 

  債券からのクーポン(利子)収入とキャピタルゲインの両方を享受するキャリーロールダウン戦略は、運用対象となる債券と期間の短めの債券の利回り格差が大きければ大きいほど効果を発揮する。相場の値動きの限定的な状態が続く場合、保有債券は残存期間が短くなるにつれて評価額の上昇が顕著に出て、償還を迎える前に売れば、運用益の上乗せが期待できるためだ。超長期物の中でも20年債は利回り格差が相対的に多い分上乗せを狙える。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、安倍晋三首相が抱える森友・加計問題が選挙後によほど悪化しない限り、「国債市場のボラティリティーは低いままで、キャリーロールダウンが大きい年限に集中的に投資するしかない」と指摘。「10-20年ゾーンがデュレーションリスクを考慮しても一番妙味があるので厚めに持つべきだ」と言う。

  昨年9月以降の日銀による長短金利操作(金利コントロール)の下で、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは半年余り、マイナス0.015%から0.105%までの12ベーシスポイント(1bp、1bp=0.01%)しか動いていない。将来の変動率を予測するボラティリティーは今年8月初めに、データでさかのぼれる2008年以降で最低を記録するほど小さくなっている。20年物利回りとの格差は金利コントロール導入前に比べ5bp拡大している。   

  三菱UFJ国際投信債券運用部の小口正之チーフファンドマネジャーは、衆院選後も市場を取り巻く環境と金利動向に大きな変化はないと予想。「日本国債は残存20年の手前が比較的安く、キャリーロールダウンも見込める。10年債も利回りが0.0%台の後半なら買っても良い」と言う。  

  16日付の毎日新聞報道によると、自民党の衆院獲得議席数は公示前を上回って最大300超に達する可能性がある。独立系運用会社ウィズ・パートナーズの藤音浩チーフファンドマネジャーは、安倍政権が経済運営に専念するよう、「解散前よりは減るが、過半数をはるかに超える議席」が市場にとっては望ましいとみている。

  日経平均株価は2万1000円台と約21年ぶりの高値圏。5年前の民主党政権末期の9000円前後をはるかに超えている。パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は「株価は一つの成績表だ。景気は非常に良くなった。市場は安倍・黒田続投にゴーサインを出し、衆院選をほぼ消化しつつある」と指摘。「10年債利回りはキャリーロール的には物足りないので、資金はより長いゾーンに向かいがちだ。特に20年債は0.6%に近づくと押し目買いが入りやすく、金利は上がりそうで上がらない」と語った。



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