日銀会合注目点:出口論の行方、80兆円めど、黒田総裁の後任人事 – ブルームバーグ

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日本銀行は16日の金融政策決定会合で政策運営方針を決定する。金融政策については現状維持という見方が大勢。市場の関心は、黒田東彦総裁が会見で示す金融緩和の出口戦略についての見解に集まっている。

  ブルームバーグがエコノミスト43人を対象に5-9日に実施した調査では、回答した全員が金融政策の現状維持を予想した。黒田総裁の任期中に長期金利の目標(10年物国債金利がゼロ%程度)を引き上げるという予想は5人と、4月の前回調査から減少した。

  ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦チーフエコノミストは8日付のリポートで、市場の関心は「黒田総裁の後任人事と、その後の金融政策正常化の道筋へと移りつつある」と指摘。「将来の金利引き上げ局面での日銀の財務悪化を懸念する声」が強くなっており、会見での黒田総裁の発言が注目されるとしている。

  米と欧州は金融緩和の出口に向けてかじを切ってきている。米連邦公開市場委員会(FOMC)は13、14 両日に定例会合を開き、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を1-1.25%のレンジに引き上げ、4兆5000億ドルの保有証券縮小計画についても詳細を示した。欧州中央銀行(ECB)も8日、金利が現行以下に下がり得るという文言をガイダンスから削除した。

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  金融政策決定会合は従来、おおむね正午から午後1時の間に終了する。黒田総裁は午後3時半に記者会見を行う。今会合の注目点は以下の通り。

出口論

  日銀は異次元緩和の出口をめぐる議論について、「時期尚早」としていた姿勢を改め、市場との対話を重視する方向に修正しつつある。出口戦略への関心が高まっていることに対し、市場心理に悪影響が及ぶことへの懸念から、より丁寧な説明を行う必要があるとの認識を強めているためだ。

  第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストは12日付のリポートで、「総裁会見では『出口』の丁寧な説明があるかに注目したい」という見解を示した。

  大和証券の野口麻衣子シニアエコノミストは同日付のリポートで、会合1週間前の「出口論」に関する報道で債券市場が乱高下したことから、黒田総裁が「再び慎重な物言いに後退する可能性もある」と分析。一方、「情報の抑制が臆測を助長している面もあり、これまでとは異なる言い回しでの説明を黒田総裁が試みるかもしれない」という期待も示す。

  黒田総裁は5月10日の衆院財務金融委員会で出口における日銀の財務面への影響の試算の公表を求められ、「慎重に検討したい」と答弁している。岩田規久男副総裁は今月8日の参院財政金融委員会で、「財務面に及ぼす影響も含めて分かりやすく説明することは説明責任の観点から重要」と述べた。

80兆円めど

  黒田総裁は5月10日の衆院財務金融委員会で、年間約80兆円の保有残高増加をめどとしている長期国債の買い入れについて、直近では年換算の増加額が60兆円前後になっているとの認識を示した。昨年9月に導入した長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みでは、金融調節方針の中心は長期金利と短期金利の操作で、「国債買い入れ額やマネタリーベースの増加額はあくまでもめど」という位置付けだ。

  SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは9日付のリポートで、最近の年換算の増加額は「50-60兆円程度」となっており、約80兆円のめどと「大きくかい離している」と指摘。実態と合わない説明が「永遠に可能というわけでもない」とし、「断層を伴う将来のショックを和らげるためにも、いずれかの時点で修正は必要になる」とみる。

後任人事

  黒田総裁は来年4月8日に任期満了となる。2013年3月の就任以降、長短金利操作付き量的・質的金融緩和などを導入し2%の物価上昇を目指してきたが、達成できていない。菅義偉官房長官は7日の衆院内閣委員会で、後任はデフレ脱却に理解のある人物がふさわしいとの見解を示している。

  ブルームバーグ調査で黒田総裁の後任候補を聞いたところ、回答した30人のうち、黒田総裁の名前を挙げたのが20人と最も多かった。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「再任の可能性が現時点で6割以上」と予想。本人が固辞するなどして交代の場合は、米コロンビア大学大学院の伊藤隆敏教授が最有力という見方を示した。

  JPモルガン証券の鵜飼博史チーフエコノミストは、黒田総裁を候補の筆頭に挙げた上で、日銀の雨宮正佳理事の可能性もあると予想している。調査では、中曽宏日銀副総裁や前内閣官房参与で安倍晋三首相に経済政策を助言してきた本田悦朗駐スイス大使の名前も挙がった。

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