三菱ケミ、アクリル樹脂原料値上げ 物流費上昇織り込む :日本経済新聞 – 日本経済新聞

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 三菱ケミカルホールディングスは22日、アクリル樹脂原料の国内出荷価格を4月から1キログラムあたり18円値上げすると発表した。アジア市況価格の高騰を日本での取引に反映するほか、値上げの2割程度は物流費の上昇分も織り込む。三井化学系も同様の値上げを打ち出しており、宅配便であらわになった「物流危機」は企業間物流にも波及。化学製品を材料に使う自動車や家電製品など最終製品にも迫りつつある。

 三菱ケミカルHD傘下の三菱レイヨンが「MMA(メタクリル酸メチル)モノマー」と呼ぶアクリル樹脂の原料を値上げする。アクリル樹脂は家電や自動車部品に幅広く使われており、4月16日出荷分からを目指して取引先との交渉に入る。

 三菱レイヨンは2016年5月にもアジアと国内の価格差を縮めるためにMMAを値上げしており、今回もその流れをくむ動きとなる。一方で前回の値上げと明確に異なるのは「物流費の上昇」を織り込んだことだ。取引先ごとに異なる出荷価格に一律18円を上乗せする今回の値上げのうち、純粋な市況反映分は約8割のもよう。残りの2割ほどは物流費増加による採算悪化の埋め合わせに充てる。

 化学メーカーは通常、材料の取り扱いに慣れた専門の物流業者に配送を委託している。こうした事業者もヤマト運輸など宅配事業者と同様の「運転手不足」に直面しており、荷主に配送料や保管料の引き上げを迫っている。「交渉中だが、従来の価格のまま運んでもらうのは無理だろう」と三菱レイヨン化成品第一部の乾博行部長は話す。

 2月下旬には三井化学東セロも食品包装用の樹脂フィルムを約1割値上げすると発表している。発表資料には「原料価格の上昇を反映するため」と理由が書かれているものの、実際には物流費の上昇を織り込んでいる。「安定して顧客にフィルムを届けるためには(物流業者からの)値上げ要請を受け入れざるを得ない」(包装フィルム事業部)との判断だ。

 出光興産やJSRなど千葉県に工場を構える化学メーカー6社は16年10月から、物流費の増加を抑えるために化学製品の共同配送に乗り出した。日銀によると、1月の企業向けサービス価格指数は0.5%上昇し、43カ月連続プラスとなった。背景には物流費の引き上げがあり、化学メーカーによる共同配送の自助努力も限界となっている。

 化学製品は自動車や家電の部品の材料になるほか、身の回りで使われているレジ袋や包装用フィルムなどにも加工されている。物流値上げを織り込んだ価格改定は浸透度合いによるものの、様々な最終製品の値上げにつながる可能性がある。





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