日銀・黒田総裁会見6月16日(全文1)景気の現状は緩やかな拡大に転じている – ニフティニュース

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日銀・黒田総裁会見6月16日(全文1)景気の現状は緩やかな拡大に転じている

[画像]会見する日銀・黒田総裁

 日銀は15日から2日間、金融政策決定会合を開き、16日の会合で、長期金利目標をゼロ%程度、短期金利目標をマイナス0.1%とする金融政策の維持を決めた。黒田東彦総裁が会見し、決定内容について説明した。

消費者物価はプラス幅の拡大基調を続ける

日本経済新聞:幹事の日経新聞です。よろしくお願いいたします。きのう今日開かれました金融政策決定会合の内容からご説明をお願いいたします。

黒田:本日の決定会合では、長短金利操作、いわゆるイールドカーブ・コントロールの下で、これまでの金融市場調節方針を維持することを賛成多数で決定しました。すなわち、短期金利について日本銀行当座預金のうち、政策金利残高にマイナス0.1%のマイナス金利を適用するとともに、長期金利について10年物国債金利が0%程度で推移するよう長期国債の買い入れを行います。買い入れ額についてはおおむね現状程度の約80兆円をめどとしつつ、金利操作方針を実現するよう運営することとします。また、長期国債以外の資産買い入れに関しては、これまでの買い入れ方針を継続することを賛成多数で決定しました。

 わが国の景気の現状については緩やかな拡大に転じつつあると判断しました。やや詳しく申し上げますと、海外経済は総じて見れば緩やかな成長が続いています。そうした下で輸出は増加基調にあります。国内需要の面では、設備投資は企業収益が改善する中で緩やかな増加基調にあります。個人消費は雇用・所得環境の着実な改善を背景に底堅さを増しています。この間、住宅投資と公共投資は横ばい圏内の動きとなっています。

 以上の内外需要の増加を反映して、鉱工業生産は増加基調にあり、労働需給は着実な引き締まりを続けています。また、金融環境については極めて緩和した状態にあります。先行きについては、わが国経済は緩やかな拡大を続けるとみられます。国内需要は極めて緩和的な金融環境や、政府の大型経済対策による財政支出などを背景に、企業、家計の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続する下で増加基調をたどると考えられます。輸出も海外経済の改善を背景として、基調として緩やかな増加を続けるとみられます。

 物価面では、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は0%程度となっています。予想物価上昇率は弱含みの局面が続いています。先行きについては、消費者物価の前年比は、マクロ的な需給ギャップの改善や、中長期的な予想物価上昇率の高まりなどを背景に、プラス幅の拡大基調を続け、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられます。

 リスク要因としては、米国の経済政策運営やそれが国際金融市場に及ぼす影響。新興国・資源国経済の動向、英国のEU離脱交渉の展開やその影響、金融セクターを含む欧州債務問題の展開、地政学的リスクなどが挙げられます。日本銀行は2%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続します。

 また、生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続します。今後とも、経済・物価・金融情勢を踏まえ、物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行います。

経済が高水準で成長しているのになぜ物価上がらない?

日本経済新聞:幹事から2点質問させていただきます。1点目、物価の情勢についてお伺いします。新年度入りの4月も企業の価格改定っていうのは非常に小規模だったという感触を受けております。経済が高水準で成長しているにもかかわらず物価が弱い状況についてはこれまでもご説明はいろいろあったかと思いますけれども、日本に限らず、アメリカ含め先進国でも同じような状況が今、起きているかと思います。こうした事態の、先進国で共通して起きているという理由について総裁はどうお考えでしょう。

黒田:まず、わが国において潜在成長率を上回る経済成長が続き、需給ギャップが改善している割には物価上昇率がなかなか高まらないということはご指摘のとおりであります。こうした傾向は他の先進国でも多かれ少なかれ共通して見られる現象でありますけれども、その背景について、学会などでいくつかの仮説が指摘されておりますけれども、現時点でコンセンサスは得られていないと思います。

 この点、特にわが国についてはデフレが長期間にわたって続いたため、デフレマインドの転換に時間がかかっているということがあると思います。すなわち、賃金や物価が上がらないことを前提とした考え方、あるいは観光が根強く残っているというふうにいえるのではないかと思います。

 もっとも、このところ有効求人倍率がバブル期のピークを超え、失業率が2%台後半まで低下するなど、労働需給の引き締まりが一段と明確になる下で、賃金上昇圧力は着実に高まっております。例えば多くの企業において4年連続でベースアップが実現した模様であるほか、労働需給に感応的なパートの時間当たり賃金、ご承知のとおりこのところ前年比2%台後半のしっかりとした伸びとなっております。こうした賃金の上昇は次第に販売価格やサービス価格の上昇につながっていくものというふうに考えております。以上のような点を踏まえますと、わが国の物価上昇率は先行き緩やかに高まっていくというふうに考えております。

中長期的には国債買い入れペースは鈍くなっていく?

日本経済新聞:2点目は長期国債の買い入れについてお伺いします。長期国債の保有残高の年間増加額について、80兆円がめどと今されておられますが、一方で債券市場における日銀のシェアが拡大すればするほど、買い取り量に値するその緩和効果というのが大きくなるっていうご説明をされておられます。

 中長期的に見ると、日銀が企図した金融政策全体の緩和効果が、もし一定だとすると、中長期的には国債の買い入れのペースっていうのは徐々に鈍くなっていくというふうにも考えられますが、この点についてお考えをお聞かせください。

黒田:ご指摘の点は、将来、買い入れ対象になる国債が品薄になって、需給が逼迫するような状況になれば、他の条件を一定とした場合、より少額の国債の買い入れで同じ金利水準を実現することが可能になるという一般論を申し上げているわけであります。日本銀行はご承知のように、この長短金利操作付き量的・質的金融緩和の下で、10年物国債金利が0%程度で推移するよう、国債の買い入れを行っております。その際の国債の買い入れ額につきましては、保有残高の増加額、年間約80兆円をめどとしておりますけれども、実際の買い入れ額は金融市場の状況に応じてある程度幅を持って変動してきております。従いまして、実際の国債買い入れ額というものは、これはあくまでも適切な金利誘導という方針に基づいて国債買い入れを運営している結果であるというふうにご理解いただきたいと思います。

 先行きにつきましても、長期金利の操作目標を実現するために国債買い入れを適切に運営していく方針でありまして、あらかじめ国債買い入れ額についてこういうふうにペースを変えていくとか決めていくとか、そういうようなことは考えておりません。あくまでもイールドカーブ・コントロールという形で、特にこの10年物国債の金利の操作目標というものを実現するように長期国債の買い入れを行っていくということに尽きると思います。

日本経済新聞:各社お願いします。

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