米中は貿易戦争回避の努力が足りない – 日本経済新聞

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 二大経済大国の米国と中国には、世界経済の安定に汗をかく責任がある。みずからの国益を守るのはもちろん重要だが、「米国第一」や「中国第一」の殻に閉じこもっていいわけではない。

 にもかかわらずトランプ米大統領と中国の習近平国家主席は貿易戦争回避の努力を怠り、制裁と報復の応酬を続けている。両国は直ちに対話を再開し、摩擦緩和の具体策を探るべきだ。

 米国は中国の知的財産権侵害を理由とする第3弾の制裁措置を発動すると発表した。2000億ドルの輸入品に24日から10%の追加関税を課し、2019年から税率を25%に引き上げる。

 制裁措置の対象はこれで2500億ドルに膨らみ、中国からの輸入品の半分に高関税を課す異常事態となる。米国の強硬策に報復措置で応じてきた中国にも、歩み寄りの兆しはみられない。

 貿易戦争の激化に伴い、中国では景気の減速や株価の下落が鮮明となり、米国では企業のコストアップや海外からの直接投資の停滞が懸念されている。このままでは両国ばかりか、世界の経済にも打撃を与えかねない。

 米国の金利上昇や新興国の資金流出などで不透明感を増す世界経済に、余計な負荷をかけるべきではない。どこかで危機が起きれば、瞬く間に世界に連鎖することを、10年前のリーマン・ショックで学んだはずではないか。

 何より重要なのは米国の自制である。今回発表した制裁措置の対象には、食料品や家具のように知財保護との関係が曖昧な品目も含まれる。中国を追い込むためだけに、恣意的な追加関税を課していると言わざるを得ない。

 米国は国際ルールに抵触する一方的な制裁措置を撤回すべきだ。世界貿易機関(WTO)や日本、欧州と連携し、中国に知財の保護を求めるのが筋だろう。中国からの輸入品全てに追加関税を課すなど、もってのほかである。

 中国も悪質な知財の侵害や露骨な産業保護を改めなければならない。むやみに報復措置を発動するのではなく、摩擦の緩和に協力できる分野を探ってほしい。

 米中の貿易戦争には覇権争いが絡む。新旧の大国の衝突は避けられないという「ツキジデスのわな」にはまることを警戒する向きもある。両国は対話の窓口を閉ざさず、建設的な貿易不均衡の是正策を見いだすべきだ。

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