日米貿易協議:車業界、輸入制限を警戒 発動なら深刻打撃 – 毎日新聞 – 毎日新聞

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 日米両政府は10日まで開いた新たな貿易協議(FFR)の初会合で、両国間の貿易促進などで一致し、9月以降の次回会合で自動車や農業など個別分野を協議する方向となった。ただ日本が、米国が検討する自動車・同部品の輸入制限を回避できるかは明確ではない。輸入制限が発動されれば深刻な打撃を受ける自動車業界の警戒感は、消えないままだ。

 「まだ何も安心できない。輸入関税が現実化した場合に備えたシミュレーションは欠かせない」。FFRの協議の行方を注視していた大手自動車メーカー幹部は、不安を隠さない。

 対米輸出は自動車が年間約4.6兆円、同部品は約9000億円で、合わせると、日本の対米輸出額の4割近くに上る。

 輸入制限が実施されれば、日本からの対米輸出への影響に限っても、トヨタ自動車で年4700億円程度の負担増となる見込み。トヨタグループのデンソーも同700億~800億円、アイシン精機も同300億~400億円と試算され、経営への打撃は大きい。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が2019年3月期の各社の業績予想を基に試算したところ、スズキを除く主要6社で追加関税による負担増が最大で計約1・9兆円に上る見込みだ。

 18年4~6月期決算の記者会見では各社の幹部から懸念の声が相次いだ。米国での年間販売(約65万台)の半数を日本から輸出するSUBARU(スバル)の岡田稔明専務は「影響は大きい」と不安を示した。三菱自の池谷光司副社長も「(追加関税を課されれば)何らかの形で販売価格の値上げを考えざるを得ないだろう」と語り、販売への打撃を懸念する。

 各社は過去の日米自動車摩擦への対応や為替変動リスクを避けるため、「ドル箱市場」の米国で現地生産を拡大してきた。トランプ大統領が輸入制限を発動した場合の対応策としては、米国での生産能力拡大が挙げられるが、巨額の費用や時間がかかるだけに「判断は難しい」(業界筋)。また、米国生産を増やした分、日本からの輸出が減れば、国内工場の生産余剰問題が出てくる。トヨタは雇用への影響などを考慮して国内生産300万台体制にこだわってきたが、「追加関税が発動されれば体制を維持できなくなる」(幹部)と頭を抱える。

 コンサルティング会社・EYジャパンの川勝将人氏は「大手メーカーが現地生産を増やせば国内生産の維持が困難になり、取引先の国内部品メーカーに深刻な影響が及ぶ可能性がある」と指摘する。【竹地広憲、和田憲二、小倉祥徳】






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