焦点:貿易戦争で設備投資控える米企業、減税分は自社株買いに – ロイター

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[ニューヨーク 12日 ロイター] – 米企業は米中貿易摩擦の激化で経営の先行きが不透明なため設備投資に後ろ向きで、トランプ大統領の大規模減税によって手にした現金を自社株買いに充てるとみられる。トランプ氏は減税による設備投資拡大をもくろんだが、思惑が外れそうだ。

 7月12日、米企業は米中貿易摩擦の激化で経営の先行きが不透明なため設備投資に後ろ向きで、トランプ大統領の大規模減税によって手にした現金を自社株買いに充てるとみられる。写真は11日、ニューヨーク証券取引所(2018年 ロイター/Brendan McDermid)

パシフィック・オルタナティブ・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、プトリ・パスクアリ氏は、米国の対中制裁関税による実体経済への影響は小さいが、輸出入製品のコストを巡る先行きが不透明となり、企業は設備投資をある程度遅らせるとみている。

その結果、企業は減税で手にした潤沢な現金で自社株買いや事業買収を進め、売上高の増加や浮動株の減少によって企業の1株当たり利益は増加する見込みだという。

もっとも、自社株買い企業の株価の年初来の動きは目覚ましいものではない。自社株買い比率の高い100社を対象とするS&Pバイバック指数は年初来の上昇率が3.2%で、市場全体の3.9%に対してやや見劣りする。

しかしパスクアリ氏は、企業は自社株買いによる株価押し上げ効果が3年前に比べて薄れていることは分かっており、「対応としては自社株買いを止めるか、まだ大きな効果が出ていないとして拡大するかだが、(減税により)現金があるから自社株買いを増やすだろう」と予想した。

トリムタブスによると、S&P総合500種構成企業が第2・四半期に発表した自社株買い計画は過去最高の4366億ドルで、これまで過去最高だった第1・四半期の2421億ドルの2倍近くに急増した。

アップル(AAPL.O)は5月に米企業として過去最大となる1000億ドルの自社株買いを発表。シスコシステムズ(CSCO.O)は250億ドル、ナイキ(NKE.N)も150億ドルの自社株買い計画を公表した。トリムタブスによると、第1・四半期に10億ドル以上の自社株買い計画を発表した米企業は63社に上った。

一方、設備投資には既に減速の兆しが表れている。トムソン・ロイターのデータによると、S&P500種構成企業の第3・四半期の設備投資は前年同期比の伸び率が10.2%と第2・四半期実績の18.8%から鈍化する見込みで、第4・四半期には前年比の伸びがさらに1.7%に鈍る見通しだ。

トムソン・ロイターI/B/E/Sによると、減税の恩恵が大きい中小企業も第2・四半期と第3・四半期は設備投資の伸び率が1桁台となり、第4・四半期には11.7%のマイナスに転じる見通しだ。

ヘネシー・ファンズのポートフォリオマネジャーのデービッド・エリソン氏は「制裁関税が企業の景況感を悪化させているのは間違いない。先が見通せず、他の企業の動きも分からないからだ」と述べた。

一方、オッペンハイマーファンズのシニア投資ストラテジスト、ブライアン・レビット氏は、「減税による設備投資の期待は行き過ぎだった」と述べ、米国は既に好景気が長期間続き、企業の手元現金は以前から豊富な点を考えると、たとえ米中間の貿易を巡る緊張が緩和しても設備投資が減少して自社株買いが増える流れは続くとみている。

(David Randall記者)

*カテゴリーを修正しました。





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