ベトナムとラオスの不動産投資、おすすめのポイントやリスクは? – 金融・投資情報メディア HEDGE GUIDE

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今回は経済成長が著しいベトナムと、日系企業の進出が続くラオスにおける不動産投資についてご紹介します。ベトナムは2015年に外国人の不動産購入が解禁されたばかりで、海外投資家から今後も注目を集める市場といえます。

一方ラオスは外国人がコンドミニアムを購入できる法改正が2017年中に行われるとみられていましたが、2018年6月現在、まだそのような動きは確認できていません。

しかし、外国人に対する購入規制が解除されれば、これまで以上に海外投資家の動きが活発化することが予想されます。投資国としての魅力自体は高いため、ベトナムのように外国人の購入が解禁された時に備えて今のうちから不動産に関する情報を収集しておきたいところです。

成長性が高く魅力が大きい東南アジアでの不動産投資を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。

  1. 1 ベトナムの不動産投資
    1. ベトナムの不動産利回り
    2. ベトナムの為替リスクと税制
    3. ベトナムの人口動態と経済成長
    4. 外国人がベトナムで不動産投資する場合の法規制
  2. ラオスの不動産投資
    1. ラオスの不動産利回り
    2. ラオスの為替リスクと税制
    3. ラオスの人口動態と経済成長
    4. 外国人がラオスで不動産投資する場合の法規制
  3. まとめ

1 ベトナムの不動産投資

ベトナム・ホーチミンの不動産著しい経済成長が続くベトナムでは法改正により外国人の不動産購入が2015年7月に解禁されました。日本を含めた多くの先進国企業が進出しており、現地法人の設立や開発プロジェクトの参画が目立ちます。それに伴ってベトナムに残留する外国人が増加し、品質の良い住宅需要もますます高まっています。

年6.8%のGDP成長率を背景に、海外投資家はベトナムのコンドミニアムに注目しており、住宅価格も上昇傾向が続いています。しかしベトナムではこれまで不動産投資という概念がなかったため、中古市場が整備されていない点については注意が必要です。またベトナムは社会主義であるため、土地は全て国の所有物であり、国の計画で立ち退きを命じられるというリスクもあります。

さらに注意が必要なのは、正式通貨であるベトナムドン(VND)は国外に持ち出すことができないため、例えば家賃収入を日本に送金することができない点です。この場合、現地の銀行口座に預けてクレジットカードの引き落とし先に設定するなどの工夫が必要になります。ただし現地の民間銀行エクシムバンク(Eximbank)のように、12ヶ月以上の長期滞在などの条件によって海外送金が可能となる銀行もあります。

このほかベトナムのコンドミニアムは家具なしの物件も多いため、物件購入以外に初期費用がかかることを知っておいたほうが良いでしょう。

1-1 ベトナムの不動産利回り

人口750万人の首都ハノイよりも経済規模が大きいホーチミン市の利回りを個別に確認してみます。

例えばビンタン区の新築マンション「クレセント シティガーデン」は、地上28階建ての総戸数160戸の外国人向け高級コンドミニアムです。
専有面積は63.38 ~ 144.77㎡、1〜3ベッドルームの各部屋を取り揃えています。

想定利回りは8.5%と高利回りが期待できます。このエリアは日系飲食店が多く立ち並ぶホーチミン1区まで車で10分の距離と好アクセスです。施設は24時間警備などセキュリティ性が高いのも魅力です。

価格は現地通貨で約30億VND(約1400万円)〜約99億VND(約4700万円)となります。

また、ホーチミン2区サイゴン川沿いの「カンタビル プレミア」は地上36階建て、総戸数200戸の高級コンドミニアムです。専有面積は111.03~ 321.96㎡、3〜6ベッドルームと広めの部屋を取り揃えています。

想定利回りは6.0%で、購入価格は約48億7000万VND(約2300万円)〜約99億VND(約3800万円)となります。

ショッピングモールやオフィスが入った複合型のコンドミニアムであり、豊かな自然環境にも囲まれているため、外出する必要がないなど生活環境が充実している物件です。

1-2 ベトナムの為替リスクと税制

ベトナムは、中央銀行が為替レートを安定させるために介入する「管理フロート制」を採用しています。そのため為替リスクは他東南アジアと比較して少ないとみることができます。

過去2年間の対円レートをみると、2016年9月に1円220.79ドンの安値を、2016年12月に192.16ドンの高値をつけています。2018年6月は約1円207ドンとなっています。

ベトナムは長く貿易収支の悪化が続いていたため、通貨の切り下げを行ってきました。その結果、インフレ率が急激に上がり中央銀行は金融引き締めを行いますが、金利の上昇を招きます。以降、金利を引き下げ、輸入が増加して一時的に貿易収支は悪化しましたが、ここ数年は貿易黒字となり為替レートも安定しています。

ベトナムの不動産投資に関する税制

次にベトナムの不動産購入に関する税制をみてみます。

税目 税率 備考
付加価値税(VAT税) 10% 買い手が負担する税金。一般住宅の場合、「住宅価格-土地使用権の譲渡価格」の10%が課税
印紙税 0.5% 実際の移転価格に対して課税
個人所得税
(キャピタルゲイン税)
25% 譲渡益の25%、または取引額の2%の個人所得税に対して課税
土地税 0.03%〜0.15% 2012年以降、家屋・アパートの土地について課税
固定資産税 地方政府が課税するため地方によって異なる
土地使用料 いわゆるリース料。税率は地域、周辺の産業基盤の整備状況、会社の業種で異なる

(日本貿易振興機構より)

このほか、相続税と贈与税はありませんが、一時所得税として10%が課税されることになります。

なお、不動産賃貸に関しては、賃貸公証費賃貸総額に基づいて金額に応じた税率が課せられます。貸出主は営業登録税として年に1回100万ドンの支払いが必要です。また家賃の月額が840万ドンを超えると付加価値税が5%、さらに所得税が5%課せられます。(※2018年調査時点)

1-3 ベトナムの人口動態と経済成長

ベトナムは国民の平均年齢が28歳と若い国です。国際通貨基金(IMF)推計では2018年4月時点で総人口9,458万人となります。

しかし、15歳未満の人口は数十年前から減少しています。1989年には人口全体に占める割合は4割でしたが、2017年の時点では23%にまで低下しています。また合計特殊出生率(女性1人が一生の間に産む子の平均数)は、2人っ子政策の影響で90年代の3.55に対して1.95まで落ち込んでいます。

ベトナム政府は2020年までに1人当たりGDPを3,750米ドル(2017年平均は2385米ドル)とする目標を掲げていますが、労働人口が減ることでその実現は不透明との見方もあります。

ベトナムの人口動態と経済成長

2009年のリーマンショック以降もGDP成長率は6%前後で堅調に推移してきました。2017年は6.8%となり、海外直接投資額も44.4%増加となる359億米ドルとなっています(外務省データより)。

不動産市場では日本・韓国・シンガポール・中国からM&Aを中心として25億米ドルの資金が流れ込んでいます。ホーチミンの不動産価格は、今後10年間で4〜5倍になるとも言われており、中国経済のように成長していくのではないかとの見方もあります。

1-4 外国人がベトナムで不動産投資する場合の法規制

ベトナムは社会主義国であるため個人が土地を永久的に保有するという概念はありません。2015年に外国人の不動産購入は解禁されましたが、あくまで期間限定の所有権を与えられたものと捉えたほうが良いでしょう。

コンドミニアムの所有については、外国人は総戸数の30%までを購入することができます。一戸建ての購入も可能ですが、1つの地域で最大250戸と定められています。

所有期間は基本的に50年間ですが、途中で契約更新することも可能なため、最大で100年間所有することができます。

なお、中古物件の購入には注意が必要です。外国人は原則中古物件を購入できませんが、外国人が所有する物件は購入することが可能です。その際、所有権の有効期限は前の所有者から引き継ぐことが条件です。例えば、50年間の所有権を与えられた物件を10年間所有していた外国人から購入すると、残りの40年間のみ所有できるというわけです。

また購入した不動産で賃貸収入を得ることもできますが、個人名義でのみ可能です。法人名義で購入した場合、賃貸に出すことは禁じられています。

2 ラオスの不動産投資

ラオスの不動産ベトナム・中国・タイ・カンボジア・ミャンマーと国境を接するラオスは、正式名称では「ラオス人民共和国」といいます。

人口はわずか650万人ほどの小さな国で、水力発電による電力の輸出と銅などの地下資源が主な収益源です。ラオスでは外国人がコンドミニアムを購入することはできず、全体的に見れば物件はそれほど多く建設されていません。

しかし首都ビエンチャンでは大型のコンドミニアム建設が進んでいます。シコタボン郡にある広さ76.5m²の駐在員用サービスアパートメントで、借上料は1ヶ月当たり2061米ドル(約22.6万円)となります。

日本貿易振興機構(ジェトロ)の2015年のレポートによれば、ビエンチャン中心部から少し離れた住宅街でも不動産相場はここ10年間で大幅に上昇しています。2014年からは大規模なモール開発やホテル、マンションの建設も進み、ラオスの不動産業者は投機目的での販売も視野に入れています。

2-1 ラオスの不動産利回り

ラオスでは未だ外国人の不動産購入が認められていませんが、近年、中国・ベトナム・タイからの外国人投資家の数はますます増加しており、ラオス不動産市場に対する熱は高まっています。

ビエンチャンのマンションの価格は、1㎡辺り1000〜4000米ドルで、ヤンゴン(ミャンマー)やベトナムのホーチミン、ハノイと比べて低くなります(2016年時点、英savillsより)。

次に現地で実際に販売されている物件を見てみます。

昨年、不動産会社LIFULLが子会社化したオーストラリアのMitulaグループが運営している東南アジア諸国の不動産情報に関するポータルサイト「Dot property」で、ラオスの物件情報を見ることができます。

例えばビエンチャンで販売されている2階建てコンドミニアムは、2ベッドルーム2バスムール(広さや築年数は不明)で90万米ドルです。なお、頭金は6682米ド
ル、金利は5%でローン年数は10年となります。賃料は1ベッドルーム1バスルームが1200米ドルから、2ベッドルーム2バスルームで1500米ドルとなります。

ビエンチャンに位置するタートルアン湿地特定経済区では昨年時点で18のコンドミニアムタワーと2つの45階建て分譲マンションが建設中で、国内外の投資家を積極的に誘致しています。

2-2 ラオスの為替リスクと税制

ラオスの正式通貨キープ(LAK)は、2014年12月に制定された外貨管理法第55号第12条により、管理変動相場制(政府が為替レートに介入して管理すること)が導入されています。主要通貨に対して年率5%前後で変動するようになっています。

なお、2018年の1月〜6月までのレートは、円に対して最高73.53キープから最低79.25キープの間を変動しており、すでに7.6%ポイントの変動幅があることがわかります。

短期間での変動幅は多少ありますが、政府が管理する相場制度のため為替リスクは比較的小さいと考えることができます。

ラオスの不動産に関する税制

次にラオスの不動産に関わる税制です。ラオスでは次表のように「不動産の取得に関する税」と「不動産保有に関する税」に大きく分けることができます。

税目 税率 備考
不動産取得に関するもの 取得税 10% 土地・家・建造物など資産のリースによる収入の課税率
15% 土地・建造物・建造物付き土地の利用権の売買および移譲による収入の課税率
不動産保有に関するもの 土地税 土地の場所や用途により税率が異なる
キャピタルゲイン税 0~24% 不動産を売買した際に発生する収入は通常の収入と同じ累進課税

(KPMGより)

なお、日本とラオスは租税条約を結んでいないため、現地で納めた税金は日本での申告には反映されないため注意が必要です。

2-3 ラオスの人口動態と経済成長

ラオスの人口ピラミッドは、若年層のほうが多いことを示す綺麗な山形となっており、国民の50%近くが20歳未満で、2016年の出生率は2.70人です。

ただし2015年調査では5歳未満児の死亡率が7.14%と高く、妊娠・出産に関する医療体制が十分に整っていないことがわかります。

2018年4月時点の人口数は678万人で、過去の推移から予測した2023年の人口数は728万人です(IMF推計数値)。

現在のラオス経済と今後

ラオスの経済は、国土の8割が山岳地帯であることを利用した水力発電に対して外資が流れ込む構造となっています。日本の関西電力も投資しており、タイとの国境を流れるナムニアップ川には日本最大の黒部ダムと同規模のダム建設プロジェクトが進んでいます。

また、近年は人件費が東南アジアでも高騰しているため、日系企業の進出も目立つようになりました。インフラ整備も進み、ベトナムやタイ、ミャンマーへの輸送ルートも確立されています。2017年5月にはラオスと中国を結ぶ鉄道の建設も本格化されました。

このような大型投資案件などが経済成長にプラスに働き、世界銀行は2017年12月にラオスの成長率を6.6%と見込み、財政赤字の改善も見込んでいます。2017年の実質GDP成長率は輸出や対内投資が牽引する形で6.7%となる見通しです。

観光産業では2020年までに500万人の誘致が確実とみられ、ラオス経済特区への投資額は1000億円を超えています。日本からはトヨタやニコンが進出し、ラオス経済特区における国内外企業は100社以上、8000人ほどの雇用を生み出しています。

2-3 外国人がラオスで不動産投資する場合の法規制

ラオスにおける外国人の不動産投資に関する法規制も見ておきましょう。ジェトロによると、ラオス国憲法において外国人および外国企業の土地保有は認められていません。ただし30年を超えない範囲で政府から土地の賃借権を得ることは可能です。

さらに住居用地は30年、事業用地は50年のリースと延長契約が認められています。経済特区においては75年の長期リースも可能です。

3 まとめ

ベトナムは不動産相場の上昇を見込むことができ、賃貸需要は今後も期待できるといえます。ただし不動産投資に関する法整備やインフラが十分に整っていないため、今後の法規制などのリスクに備えておく必要もあります。

一方、ラオスは現在、外国人がコンドミニアムを購入することはできませんが、外国人に対する購入規制が解除されればこれまで以上に海外投資家の動きが活発化することが予想されます。



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HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム

HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チームは、不動産投資や金融知識が豊富なメンバーが不動産投資の基礎知識からローン融資のポイント、他の投資手法との客観的な比較などを初心者向けにわかりやすく解説しています。/未来がもっと楽しみになる金融メディア「HEDGE GUIDE」

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