米国にインフレ到来、FRBの次の手は – ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

Home » 07貿易 » 米国にインフレ到来、FRBの次の手は – ウォール・ストリート・ジャーナル日本版
07貿易, 輸入物価指数 コメントはまだありません



――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

***

 米国のインフレ率が連邦準備制度理事会(FRB)の目標とする2%に達するかどうかという疑問には答えが出た。イエス、だ。これを受けてFRBがどう対応するかが、次なる疑問となる。

 米商務省が29日発表した5月の個人消費支出(PCE)価格指数は前月比0.2%上昇し、前年同月比では2.3%上昇となった。さらに重要なことに、FRBが注視しているコアのPCE価格指数も前年から2%上昇した。コア指数は物価動向をより正確に把握するため食料品とエネルギー品目を除いている。この上昇率が2%に達したのは2012年4月以来初めてだ。



 根強い低インフレにもどかしさを感じていた長い年月を経て、FRBは使命を果たしたことになる。

 目標が達成されたことで、ジェローム・パウエル議長による発言は一段と重要性を増している。パウエル氏は今月半ば、FRBが利上げを決定した後の記者会見で、インフレが2%の水準を「持続的に上回って推移するようであれば」抑制策に動くと述べ、FRBは景気が過熱気味になるのを許容するであろうとの観測を実質的に打ち消した。

 インフレ率がそうした動きになるリスクは高まっている。堅調な経済を背景に、コアのインフレ率は少なくとも2%に維持されるはずだ。非エネルギー関連商品の値上がりにつながりかねない最近の燃料価格上昇や、輸入コストを押し上げる関税措置を踏まえれば、コアインフレ率はさらに上昇する可能性がある。

 恐らく、FRBにとって最大の懸念は失業率だ。足元では3.8%(さらなる低下傾向にありそうだ)と、FRB当局者が持続可能とみなす水準の4.5%をはるかに下回る。このためFRBの見解に基づけば、景気抑制に着手する根拠は強まりつつある。

 複数回にわたる利上げにもかかわらず、FRBは景気を後押ししているとの認識を持つ。今月の利上げ決定後に公表した声明では、政策姿勢について「緩和的」と表現していた。そうした姿勢から引き締め策へと転換するのであれば、利上げを継続する必要がある。

 投資家にとって目下、何より重要な疑問は、金融政策が緩和から引き締めへ転じたとFRBが考えるようになるまでに、どれほどの利上げが必要とされるかだ。

 FRBは現在、年内2回と来年3回の追加利上げを見込んでいる。これは、FRB自らの判断基準に従えば、2019年末までは引き締め策にならないことを意味する。FRBが利上げを加速する必要があるとすれば、市場は意表を突かれることになるだろう。

関連記事



コメントを残す