中国頼みだったスクラップ処理が危機に – 日経ビジネスオンライン

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日本資源戦略の危機、サントリーが放つ一手とは

2018年5月18日(金)

 「行き場を失うシュレッダーダストが心配だ」。廃棄物処理やリサイクルサービスを手掛けるリーテムの中島賢一相談役は顔を曇らせる。

国内で廃棄物余りが顕在化

 中国の習近平政権は昨年7月、一部の廃棄物の輸入停止を世界貿易機関(WTO)に通告。8月に輸入の禁止や制限をする廃棄物の目録を公表した。雑品スクラップに該当するものも、異物混入率を基準に輸入を厳しく制限することが明らかになった。

 産業用機械や家電、電子機器などが雑多に混じる「雑品スクラップ」。昨年まで、中国に年間約150万~200万t輸出されていた。未解体の機器を含むスクラップには鉄や銅などの金属、製品の筐体やケーブルの被覆に使うプラスチック、鉛やカドミウムなどの有害物質が混在する。

 今年、中国の事業者に許可する雑品スクラップ輸入量は約100万tに絞られるという。輸入制限は昨年12月末から。前後して輸出が激減した。

 残る約100万tのスクラップは国内循環させなくてはならない。リサイクル工場のシュレッダーで粉砕し、鉄などの有用な資源を回収する。その後に残るのがプラスチックやゴムが主体のシュレッダーダストだ。ざっと見積もって排出量は年間約30万t。中島相談役が案じるのは、これを国内の設備で処理しきれないからだ。

 シュレッダーダストは、廃棄されたクルマの処分過程からも出る。国内で適正処理するための仕組みが整っている。ところが、これまで中国に頼り切り、輸出されていた電気製品由来のダストを引き受ける設備の余裕がない。

 行き場を失った廃棄物は、単に焼却するか、埋め立て処分するしかない。業界では早くも廃棄物処理業者が便乗値上げをする動きもあり、野積みのまま放置されたり、場合によっては不法投棄されたりする事態も起こりかねない。「環境立国」を標榜してきた日本の資源循環システムに、危機が迫っている。

 かねて米国などが大量輸出する「E-waste(廃電気電子機器)」が中国で不適切に投棄され、現地の環境汚染や健康被害が指摘されてきた。中国による規制の導入は想定できたことだ。廃棄物を大量に飲み込んできた中国が不在となった今、日本の資源循環を立て直す必要がある。

中国・浙江省にある金属スクラップ処理現場の様子。地面に直に置かれた金属ゴミを作業員が手選別している (写真:大橋信胤)





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