米貿易、ドル高重荷に サービスで稼ぐ構図鮮明 – 日本経済新聞

Home » 07貿易 » 米貿易、ドル高重荷に サービスで稼ぐ構図鮮明 – 日本経済新聞
07貿易, サービス収支 コメントはまだありません



 【ワシントン=河浪武史】米商務省が7日発表した2016年の貿易統計(通関ベース)によるとモノの輸出総額は1兆4546億ドル(約163兆円)で前年比3%減った。ドル高が重荷となり、2年連続で前年実績を割り込んだ。ただ、金融やIT(情報技術)などサービス収支は巨額の黒字を計上しており、モノよりもサービスで稼ぐ構図が鮮明になっている。

画像の拡大

 「米国の通商交渉は大失敗だ。中国との貿易で年間数千億ドルもの損失を出し、日本やメキシコ、そのほか大勢との間に貿易不均衡がある」。トランプ米大統領は就任前から盛んに米国の貿易赤字を問題視してきた。

 16年のモノの貿易赤字は7343億ドルと前年比1.5%減少した。16年は資源安で原油や燃料の輸入額が減った影響が大きいものの、10年前の06年と比べてもモノの貿易収支は緩やかに改善しつつある。

 にもかかわらずトランプ氏が真っ正面から貿易を問題視するのは、輸出が停滞している影響が大きい。産業機械など資本財は輸出額が前年比3.7%減り、自動車関連や一般消費財もそろって減少した。大統領選後にドル指数が14年ぶりの高値になるなど通貨高が一段と進み、輸出を下押ししている。

 トランプ氏は日本との自動車貿易を「不公平だ」と批判を強めている。乗用車やトラック、関連部品の日本からの輸入額は16年に547億ドルとなり、前年比7%増えた。対日貿易赤字は縮小傾向にあるが、自動車分野では依然として500億ドル規模の大きな貿易赤字があり、10日の日米首脳会談でも、やり玉に挙がる可能性がある。

 モノの貿易赤字を相手国別でみると、中国が全体の47%を占めて最も大きい。中国は世界貿易機関(WTO)に加盟した01年以降に対米輸出を急激に増やし、輸出額は06年から16年までの10年で2倍強に増えた。米国の対中貿易赤字も06年の2341億ドルから16年には3470億ドルまで膨らんだ。

 もっとも米国の国際収支は全体的に改善傾向にある。米銀の復活やアップルなどIT企業の急成長で、金融や情報通信などサービス収支の黒字が増えているためだ。16年の米サービス収支は2478億ドルという巨額の黒字だ。06年比でみると3倍強の規模に膨らんだ。

 そのためモノとサービスを合わせた全体の貿易赤字は、06年から16年までに34%も縮小した。世界貿易に占めるサービスの比率は2割程度だが、米国はモノからサービスへと産業構造の転換が進み、貿易全体の3分の1をサービスが占める。

 モノの貿易赤字を毛嫌いするトランプ大統領は「米国第一主義」を掲げて日本などとの2国間の通商交渉を急いでいる。ただ、金融やITといったサービス分野では、米国は既に国際市場で「一人勝ち」の状態にある。





コメントを残す