【日本株週間展望】上昇、円高一服と地政学リスク後退-貿易摩擦留意 – ブルームバーグ

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4月1週(2-6日)の日本株相場は緩やかな上昇が見込まれる。名実ともに2018年度相場入りして新規資金の流入が期待されるなか、為替相場の安定や地政学リスクの後退で買いが先行しそう。ただ、米国の関税引き上げに対して中国が報復策を出すなどで貿易摩擦の懸念が高まれば、相場が大きく変動する可能性がある。

トランプ氏と金正恩氏について報じるテレビ(ソウル市内)

Photographer: SeongJoon Cho/Bloomberg

  北朝鮮は中国との首脳会談で、核兵器の放棄についてトランプ米大統領と協議することに前向きな姿勢を示したほか、韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩・労働党委員長が4月27日に首脳会談を行うことが決まった。朝鮮半島の緊張が緩和し、為替市場では1ドル=106円台に円が下落。大和総研経済調査部の小林俊介エコノミストは「北朝鮮の融和的な動きの中ではネガティブなニュースが出てくると考えにくく、しばらくは円安の流れ」とみる。

  米国では、2日に3月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数、4日に3月のADP雇用統計と2月の製造業受注、3月のISM非製造業景況指数が公表される。市場予想はISM製造業が60(前回60.8)、同非製造業は59(同59.5)、製造業受注は前月比1.7%増(同1.4%減)で、堅調な経済状況が確認されて株価の押し上げ要因となりそうだ。ただ、5日に発表される2月の貿易収支は565億ドルの赤字と、08年10月以来最大の赤字となった1月の566億ドルの赤字と同水準が見込まれており、トランプ米大統領が通商政策で保護主義色を強めてくる可能性がある。

  国内では2日に日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、3月調査)が発表される。市場予想では大企業・製造業の業況判断DIはプラス25と、前回の26と同様の高水準が見込まれている。新年度入りで関心が高まる企業収益については、三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると主要企業(金融除く)の19年3月期経常利益は為替前提が1ドル=105円でも前期比5.2%増と、増益トレンドが保たれる見通し。3月4週の日経平均は前週末比4.1%高の2万1454円30銭と反発した。

≪市場関係者の見方≫

三井住友信託銀行投資顧問業務部の鎌田一明運用企画グループ長
  「米中貿易戦争の懸念が和らいできた。米国経済についても、最近のISM指標は60近くで推移して高原状態。米国は世界経済をけん引しており、海外で稼ぐ企業が多い日本にも好影響で、相場を支える材料。マーケットは円高影響から1-3月の企業業績のトーンダウンを織り込んでいる。日銀短観で売上高や経常利益率、設備投資の改善見通しなどが示唆されればプラスに働くだろう。ただ、米経常赤字が拡大傾向にある中で貿易戦争がこじれたりすると円高が進む懸念が高まる。1ドル=100円を切ると減益を意識せざるを得なくなるリスクには留意」

大和総研経済調査部の小林俊介エコノミスト
  「円高が一服する中、米国では減税効果に加えて雇用者報酬も増加、昨年に控えていた設備投資も出てくることから良好な経済指標が続くだろう。米景気が良い中で金利は低下傾向、新しい意味でのゴルディロックス(適温相場)で、これまで調整した株価には回復余地がある。新年度入りで市場は業績を意識しやすい。企業の為替前提のほとんどが1ドル=105円になるとみられ、106円台での滞空時間が長ければその分だけ業績に対する安心感が広がる。米中の貿易摩擦問題は依然不透明。貿易問題で今は中国に向かっている矛先に日本の自動車が入ってくると、日本経済にとって大きなマイナスとなり、日本株相場は下方リスクを抱える」

ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト
  「米国の通商政策が過激化しないとの見方から世界経済減速への警戒感が弱まり、下値を切り上げそう。トランプ米大統領の手法はまず難題を出し、その後に譲歩を引き出すため、中間選挙向けのパフォーマンスだと見透かされてきた。4月に入って急激に円高が進まない限り、企業は来期業績計画での想定レートを1ドル=105円程度に置いてくるため、純利益で見て来期5%程度の増益のめどが立つ。増益期待から海外勢が先回りして買いを入れてくる可能性がある。ただ、17年度の日本株は10%以上も上昇したため、国内金融機関からは期初に利益確定売りが出てもおかしくない。日経平均が一気に2万2000円を上回ることは想定しづらい」





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