日本の経常黒字が支える米雇用-トランプ氏「貿易不公平」と批判 – ブルームバーグ

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米トランプ大統領が批判してきた日米の貿易不均衡。米国は経常黒字を根拠の一つとして為替報告書の操作国「監視リスト」に日本を加えている。だが、日本の黒字は投資によって得られる所得収支が大半で、実はトランプ氏が訴える米国の雇用増につながっているという側面がある。

  日本は30年以上にわたり経常黒字を積み上げてきており、対米輸出は米国の対日輸出の2倍に上る。同報告書は「巨額の経常黒字は世界全体の需要を押し下げる」と明記し、経常黒字国は成長を強化するための対策を取るよう求めている。

  ただ中国やドイツなど他の「監視リスト」5カ国と異なり、日本の経常黒字の大部分は海外の現地法人や海外への株式投資などから得る利子や配当などの所得収支が占めており、2005年以降は所得収支が貿易収支の黒字を上回る。投資は日本企業の収益になると同時に、米国の雇用に寄与する。例えば、日本の自動車メーカーは米国で約150万人を雇用している。

  ピーターソン国際経済研究所で客員研究員を務めるネイサン・シーツ前米国際担当財務次官は、為替操作の有無を判断するにあたり、経常黒字は重要な情報を提供するが、「100%間違いのない基準になるとは言えない」と指摘する。高齢化が進み、貯蓄率が高い日本のような国では経常黒字になりやすいとも話した。

  選挙戦の最中から政権発足直後まで、トランプ氏はたびたび日本を「貿易不公平」や「円安誘導」と批判してきた。2月の日米首脳会談で安倍晋三首相はトランプ氏と蜜月関係を築いたものの、トヨタ車の米国での販売は好調で、日本の農業はいまだ数々の保護を受けている状況にあり、貿易摩擦の火種が消えた訳ではない。

  ペンス副大統領は今月来日し、麻生太郎副首相兼財務相と日米経済対話の初会合を開く。トランプ氏は先月、対外赤字の原因となるあらゆる形の「貿易上の不正行為」を特定するための包括的調査を命じており、同会合で議論される可能性がある。財務省の浅川雅嗣財務官はブルームバーグに対し、「日本の経常黒字の背景には米国への投資がある。トランプ政権にも理解を求めていきたい」と話した。

  16年の日本の所得収支による黒字は貿易黒字の4倍。ただ、米国に限ると、貿易黒字は経常黒字全体の半分以上を占める。一方で、日本は米国に巨額の投資をしており、15年には英国に次いで2番目の投資国として、4000億ドル以上の資産を抱えていた。

  日本の所得収支が黒字であることは、高齢化に伴い国内経済が縮小傾向にある事の裏返しでもある。日本銀行は異次元緩和を続け、政府は大規模な経済対策を打っているが、民間企業は海外への投資をより魅力的に感じていることを示唆している。



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