労働基準法にはなんて書いてありますか? – マイナビニュース – マイナビニュース

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06労働, 所定外労働時間 コメントはまだありません



労基法違反を犯してしまう会社は少なくありません。きっちりとやっていたつもりが、何かしら「うっかりしていた」や「ルールを間違えていた」なんてこともあります。ここではありがちな違反事例を紹介したいと思います。

1.36協定違反

まず、なんといってもメディアを賑わすのは36協定違反ではないでしょうか。「〇〇会社を書類送検した」なんて言う報道も、その原因の大半は”36協定違反”です。具体的には「36協定で締結した時間を超えて残業をさせた」というのがその理由の大半を占めます。

例えば、「1日の上限時間を3時間と締結していたにもかかわらず、5時間残業させた」とか「特別条項は1か月70時間なのに80時間残業させた」といった違反行為です。36協定を締結する際は、実際の業務時間等を鑑みて設定する必要があります。

2.未払い賃金

いわゆる”サービス残業”と言われるのも賃金の未払いという違反行為にあたります。よく「うちの会社は残業がつかない」と話す方がいますが、それは単純にその会社が労基法違反をしているということです。

こういったケースで目に付くのが「固定残業分の時間を超えて残業したけど支払われない」というケースです。例えば「固定残業代では30時間分しか賄えないのに、40時間残業をさせたうえで差額を支払わない」といったケースです。

その他、ありがちな例としては「代休が貯まっている」なんて言うのも賃金の未払いに該当します。これは、休日出勤をした際、後日、代休を取ることを前提にしているためその日の賃金を支払わないような場合です。本来は休日出勤をさせたのであれば、法定休日であれば1.35で所定休日であれば1.25(1週40時間を超えている場合)でその日の賃金を支払わなければなりません。

しかし、後日、代休を与えた場合は1.35や1.25のうち1.0にあたる部分は控除することになるので、あらかじめ0.35もしくは0.25のみ支払い1.0については支払わないという運用をする会社があります。しっかりと代休が取れればよいのですが、「忙しい」「とれるくらいなら休日出勤しない」なんていう理由で代休を取得しない方もいます。この場合、1.0にあたる部分が支払われないまま月日が流れていきますので、その部分について未払い賃金になってしまうのです。

3.名ばかり管理職

働き方改革関連法の成立に伴い、36協定で締結できる残業時間の上限が設けられました。実際にこれが施行されると、収まりきらなくなった業務(残業時間)のしわ寄せが管理監督者に行くことが予想されます。

なぜなら、管理監督者は労基法上、労働時間、休憩、休日については適用が除外されているので、残業を何時間させても労基法違反に問われることはないからです。そこで、一時期よりは下火になっていた”名ばかり管理職”問題が再燃することが考えられます。

職務権限や勤怠の自由、処遇といった面をしっかりと設計しておかないと”名ばかり管理職”として問題になるかもしれません。ちなみに、”名ばかり管理職”となってしまった場合は、労働時間、休憩、休日の適用除外とはならないので、それまで支払っていなかった残業代や休日勤務手当が結果として未払い賃金になってしまうのです。

4.労働条件明示

上記1~3以外で違反してしまいがちなのが労働条件の明示です。中でも、就業の場所や時間外労働の有無などが書式からそもそも漏れていることがあります。

その他、賃金台帳に総労働時間が記載されていないなど、書式面で違反になってしまっている会社も多くあります。ほとんどの会社が何らかのソフトを使って給与計算をしているので、出力しようと思えば出力できるのに漏れてしまっていることも少なくありません。書式を正しく理解していれば設定一つで法違反を回避できますので今一度、担当者の方には点検することをお勧めします。

5.労基法を守れば労使トラブルは回避できるのか?

「会社が労基法に違反していないければ労務トラブルが発生しないのか?」というと、それは大きな間違いです。なぜなら、労基法はあくまでも最低基準ですので、それを上回ることに関しては特別決まりがないからです。

例えば、通勤費は必ず支払わなければならないものではありません。支払いの有無、支払う場合の上限額もルートの決め方もすべて会社の任意なのです。ただ、そういったルールは明確に定めておかなければならないので、曖昧な規定の仕方であったり、もしくは規定そのものがなされていなかったりするような場合に労使トラブルに発展するのです。

トラブル回避には会社は就業規則などをしっかりと作る事。社員は就業規則や労使協定をしっかりと理解しておくことです。

なお、「労基法違反じゃないなら来月から通勤費の支払いをやめる」といった身勝手なことは許されません。なぜなら、労基法第1条2項において「この基準を理由として労働条件を低下させてはならない」と定められているからです。

※画像と本文は関係ありません



著者プロフィール: 大槻智之(おおつき ともゆき)



特定社会保険労務士/大槻経営労務管理事務所代表社員
1972年4月東京生まれ。日本最大級の社労士事務所である大槻経営労務管理事務所代表社員。株式会社オオツキM 代表取締役。OTSUKI M SINGAPORE PTE,LTD. 代表取締役。社労士事務所「大槻経営労務管理事務所」は、現在日本国内外の企業500社を顧客に持つ。また人事担当者の交流会「オオツキMクラブ」を運営し、220社(社員総数18万人)にサービスを提供する。



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