介護職は本当に低賃金!?|けあZine by けあとも – BLOGOS

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10年ほど前から、各メディアで「介護職=低賃金」というイメージが定着し始めました。高校生が選ぶ職業では常にワースト上位に有る介護職。しかし本当に、介護職は低賃金・重労働なブラックな業種なのでしょうか。

各地での有効求人倍率

 都市部では求職数が溢れ始め、東京の有効求人倍率は2017年2月末時点で2.03倍。年齢と職種によりますが、私が経験した就職氷河期時代と比較するととても恵まれた環境と言えます。そんな求人数が溢れている中、各企業は人員を確保しようと賃金も上昇傾向で、介護職と比較すると高賃金な待遇のところも多く見られます。

 その一方、地方部に目を向けると、有効求人倍率は沖縄県で1.02倍、北海道で1.09倍と、決して求職数が溢れているというほどではない数字になっています。都市部と比較して業種によりますがそこまで賃金の上昇は著しくなく、非正規雇用や契約職員の求人もまだまだ見られている現状です。

介護職は本当に他業種と比べて賃金が安いのか

 実際、介護職の賃金は全産業平均と比較して低い数値になっている統計も出ています。しかしその一方で、稼働年数が長くなるにつれ、他業種よりも高い年収になっているようです。特に女性が主体となる職種においてその賃金の違いは顕著。販売店員や事務職など、一般的に女性に人気のある職種において、正社員登用ではなかったり賞与が出ない会社であったりと、年収ベースで300万円以下という業種がまだまだ地方部には多く求人として出ています。

 しかしその一方、介護職の場合、高卒入社時で介護職員処遇改善加算算定を取っている事業所であれば、基本給+各種手当で、初任給20万円を超え3年目には年収350万円を超える介護事業所も珍しくありません。さらに、非正規雇用ではなく正社員としての登用ですから、長く務めるにあたり安定した雇用と言えます。

ライフイベントに柔軟な対応が可能

 もう一つ、女性にスポットを当てたメリットとして、ライフイベントにおける再雇用の強みがあるでしょう。例えば私の知るほとんど介護事業所では、女性介護職員が妊娠出産などのライフイベントに応じ雇用形態を柔軟に対応してくれます。

 出産直後から保育園卒業頃はパートや時短勤務、小学校3年生くらいになれば常日勤でのフルタイム勤務、子どもに手がかからなくなってきたら夜勤も入れて安定した収入を目指すなど。こういった柔軟な対応ができるのも、人材不足が続く介護事業所が、何とか雇用を確保したいという思惑からなのでしょう。しかし働く側にとって、これほど自分の都合に合わせて働くことが出来るのは、地方部においてあまり多くはない業種であると思います。

 あわせて、一度仕事を辞めても、介護職であれば復帰しやすいというのも大きなメリットであると言えるのではないでしょうか。近隣の事業所では、新卒で働いてから数年で退職し、ワーキングホリデーとして留学して2年後に再び復職しているという職員もいます。このように、介護職は自分のライフワークと共生して働くことが可能なことが多いのです。

一生身体介護をするわけではない。働き方も上手に変えられる

 介護系業種の大きな強みは、「資格取得」によって働き方を変えられるという点も大きいと言えるでしょう。

 高校や専門学校を卒業時は介護職として働き始め、5年働けば介護支援専門員資格の受験資格を得ることが出来ます。「一生、介護職として働くのは体力的にも精神的に不安がある」という人は多いですが、介護支援専門員資格を取得してそれを生業にすれば、直接的な身体介護を離れデスクワーク中心の仕事に変化します。

 また、施設で長く介護職員として稼働する場合でも、管理職へと働き方がシフトしマネジメント業務中心になる介護士を多く見てきています。介護支援専門員や介護管理者として立ち位置が変われば、もちろん責任は伴います。しかし、その分だけ給与も上乗せされるのが一般的。早い人であれば30代前半で年収400万円を超える場合もあり、この年収であれば他業種と比較しても決して低い数値ではないでしょう。

 このように、「介護職=身体介護」という図式も一概にそうとはいえず、さまざまな働き方の可能性が有ることも知る必要があるでしょう。

介護職は転職も容易。自分に合った職場で働ける

 一方で、事業所における介護職全体が不足してしまい、一人あたりの業務量が増加し超勤・残業が多くのしかかってしまう事業所があるという現実もよく耳にします。また、一部の居宅系介護事業所においては稼働率のノルマが課されるところがあるというのも現実です。

 しかしこういったブラックな企業に関しても、先述したように介護職は求人が無数にあり、面接に企業訪問しただけで採用される場合もあるくらい働く側に強みがあります。この強みは、一つの企業に拘って働く必要がないということに繋がるでしょう。そのため、少しでも「ブラック企業かな」と感じたら、別の介護事業所を探すことは容易に可能なはずです。

 また、ブラック企業でなくても、自分が居宅系介護事業所には合わなかったという場合も考えられます。それならば「次は施設系事業所で働いてみよう」など、自分のスタイルに合ったサービス事業所を選択することも介護職であれば可能です。

まとめ

 介護職は低賃金というイメージ。しかし地方部では、意外と他業種に見劣りしない年収な場合もあります。資格取得や社内で昇格すると、直接介護業務からマネジメント業務へと働き方が変わるので、仕事として長く続けることができるでしょう。転職先は無数にありますので、「この事業所は自分に合わない」と感じたら、転職を考えることも可能です。

 先日、高校生の就職説明会に赴いた際のこと。ある女子高校生から「給料が安いから介護でだけは働いたらダメと親に言われている」という話を聞きました。そのため、その女子高生に持参した学生向けパンフレットを手渡し、そこに書いている賃金モデルを見せたのです。すると、「うわ、意外と高くてびっくりした!」と驚かれていました。こういった例は決して珍しいことではありません。ここ数年、学校の先生からも、親御さんが介護職をさせないように子どもに言っているという話を伺います。

 しかし実際に賃金が安いというわけではなく、職が溢れている一部の都市圏において、他業種が高い賃金を提示しているだけではないでしょうか。つまり、決して介護職が安いというわけではないのです。

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