外国人技能実習生を受け入れる事業場の約18%に監督指導。【2016年8月公表】 – バックオフィスの基礎知識 (風刺記事) (プレスリリース) (ブログ)

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遠くを見つめる外国人技能実習生

日本国内に、21万人在留している外国人技能実習生(2016年6月時点)。その実習生を受け入れているのが「実習実施機関」です。
 
その実施機関に対し、2016年に労働基準監督機関が監督指導・送検等した件数、及び内訳が公表されたのでご紹介します。
 

監督指導した「実習実施機関」は5,672件

国際研修協力機構が公表している『労働条件等に係る自主点検実施結果の取りまとめ』によれば、2016年5月末時点で、技能実習生を1人でも受け入れていると見込まれる実習実施機関は、全国で31,858事業場あります。
 
約3万2千事業場の中で、2016年に「労働基準関係法令違反の疑いがある」とされて監督指導を受けた事業場は5,672件でした。つまり、実習実施機関全体の17.8%で労働基準関係法令違反の疑いがあるとされました。
 
監督指導された事業場のうち、実際に労働基準関係法令違反が確認されたのは70.6%。件数では4,004件でした。

労働時間に関する違反が1,348件で最多

4,004件あった違反事項の内訳は、多い順に以下の通りです。

  1. 労働時間:1348事業場
  2. 安全基準:1097事業場
  3. 割増賃金の支払:771事業場
  4. 衛生基準:531事業場
  5. 健康診断:505事業場
  6. 労働条件の明示:505事業場
  7. 賃金の支払:477事業場
  8. 就業規則:470事業場
  9. 賃金台帳:338事業場
  10. 寄宿舎の安全基準:153事業場
  11. 最低賃金の支払:90事業場

労働時間の監督指導例

監督指導のきっかけ
出入国管理機関から「36協定の限度時間を超えて長時間の時間外労働を行わせている」と通報があったため。
 
監督指導内容
特別延長時間1か月80時間の36協定を届け出ていたが、繁忙期の人手が不足し、技能実習生11名に1か月で最長130時間程度の違法な時間外労働を行わせた件について。
 
監督指導の結果
時間外労働の削減の取組として、時間外労働が多い労働者を週単位で把握。月の特別延長時間を超えないように管理を徹底したり、繁忙部署の業務に必要な技術を他部署の労働者に習得させ、業務の平準化を図るなどした結果、時間外労働時間数が最長でも1か月70時間程度に減少し、その後も継続して時間外労働の削減が進んだ。

40件の重大・悪質な労働基準関係法令違反で送検

40件の重大・悪質な堂々基準関係法令違反の内訳は以下のとおりです。

  1. 労働基準法・最低賃金法違反:39件
  2. 労働安全衛生法違反:1件

労働基準法・最低賃金法違反の例

発覚・きっかけ
縫製業の事業場について、技能実習生に対して時間外労働に対する割増賃金が支払われていないとの情報提供があったため。
 
違反内容
立入調査を実施したところ、事業主は「残業はない」など申し立てたが、長期間にわたる賃金不払が疑われたため、資料を押収。その結果、約2年間にわたり、技能実習生5名に対し、「国民年金積立」などの虚偽の名目で違法に控除したり、時間外・休日労働に対して時間単価で500円程度の支払とするなどにより、所定の賃金及び割増賃金、総額約1,200万円が支払われていないことが判明した。また、1か月最長120時間程度の違法な時間外労働も行わせていた。

労働基準監督機関から出入国管理機関への通報は431件。その逆は114件

事案が発覚するきっかけとしては、労働基準監督機関と出入国管理機関の「連携」が大きく機能しています。両機関は、技能実習生の労働条件を確保する目的で、各々が監督した内容・結果を相互に通報しているのです。
 
両機関はまた、合同で事案にあたることもあります。「強制労働」など技能実習生に対する重大な人権侵害が疑われる場合、出入国管理機関と労働基準監督機関は合同で監督・調査を行います。
 
2016年は、23件の実習実施機関に対して合同監督・調査が実施されています。

まとめ

外国人技能実習生は、日本国内に21万人在留しています(2016年6月時点)。実習生を受け入れている「実習実施機関」の5,672件に監督指導が行われ、その結果4,004件で違反事項がみつかりました。最多の違反は労働時間に関する違反の1,348件で、特に重大・悪質な40件については労働基準関係法令違反で送検されています。
 
事案が発覚するきっかけとして、労働基準監督機関と出入国管理機関の連携が重要な役割を果たしています。
 
外国人技能実習制度が健全に運用される事は、将来に渡って日本が抱えていく「労働者不足」問題の解決にとっても重要です。

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『バックオフィスの基礎知識』編集部
株式会社BEC内で、Gozal(ゴザル)の編集制作を担当する部門です。社会保険労務士/弁護士/税理士などの専門家執筆陣とともに、中小企業の労務・給与計算担当の方が実務上感じる不安を払拭できるよう、情報発信しています。「こんな記事を読みたい!」とTwitterやFacebookでメッセージいただければ、可能な限り執筆いたします。
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