金融緩和、出口にはなお時間 – 日本経済新聞

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06労働, 有効求人倍率 コメントはまだありません

 黒田東彦総裁のもとで日銀が大規模な金融緩和を始めてから4年以上がすぎた。この間、景気の緩やかな拡大は続いているが、2%の物価安定目標の実現はまだ遠い。日銀に出口戦略を示せと求める声があるが、ここは先行する米欧の動きもしっかり見ながら、じっくりと考える時だ。

 日銀は16日の金融政策決定会合で、金融緩和策の現状維持を決めた。足元の消費者物価上昇率は0%台にとどまり、日銀は消費者物価の前年比上昇率で2%の目標達成時期は2018年度ごろという見通しを示している。

 4月の有効求人倍率は1.48倍とバブル期を超え43年ぶりの高水準となるなど、雇用は逼迫しており賃金も人手不足の業種を中心に上がり始めている。宅配便などサービスを中心に料金を引き上げる動きもある。政策決定会合後の記者会見で黒田総裁が指摘したように、長期にわたって続いたデフレ心理の転換には時間がかかるが、物価上昇圧力は徐々に強まっているようにみえる。

 米連邦準備理事会(FRB)は今年2回目の利上げに動き、国債などの購入で膨らんだ資産圧縮の道筋を示した。欧州中央銀行(ECB)も今月の理事会で、政策金利の先行き表現を中立にし、緩和縮小へ布石を打った。

 こうした米欧の動きを受けて、市場の一部では、日銀に金融緩和の出口戦略を早期に示すよう求める声もある。16日の記者会見でこの点を問われた黒田総裁は「現時点で具体的なシミュレーションを示すことは混乱を招き、適切ではない」との立場を繰り返した。

 確かに米欧の経済情勢と日本の状況はかなり違う。日銀は異例の金融緩和からの出口に先に向かっている米国や欧州の経験をじっくり学ぶ時間がある。

 米国でも13年5月にバーナンキ前FRB議長が早すぎる段階で量的緩和縮小の道筋を語り、市場が動揺したことがある。市場との対話は、慎重にタイミングをはかりながら進めるべきだ。

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