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出身の福井・勝山のDNA発揮

2017年6月17日 午前11時00分

「故郷勝山への思いは変わらない」と話す杉野哲也社長=石川県七尾市のスギヨ本社

「故郷勝山への思いは変わらない」と話す杉野哲也社長=石川県七尾市のスギヨ本社

 カニ風味カマボコ「ロイヤルカリブ」などで知られる練り製品製造販売のスギヨ(本社石川県七尾市)。福井県勝山市出身の杉野哲也社長(65)がグループ社員ら約1600人をけん引する。同社は45年前に世界で初めてカニカマを発売。家庭の“冷蔵庫常備品”として「加賀揚」など次々にヒット商品を生み出し、10年前には農業分野にも進出した。「故郷勝山にある進取の気性を能登の地で発揮していきたい」と意気込む。

 スギヨは、杉野家の先祖杉野屋与作が1640年に魚問屋を営んだのが始まり。1868年に定置網漁業を始め、練り物製造も手がけた。1972年にカニ風味カマボコ「かにあし」を開発し、人気に火が付いた。


 「能登から東京、大阪の市場へ商品を運ぶには時間もコストもかかる。他社と同じものを作っていたら負ける。生き残るには世間にない商品開発が必要と先代が考えた」と振り返る。「海藻からアルギン酸を抽出し“クラゲもどき”を作ったが失敗した。ただ食感がカニの身に似ていたので、これをヒントにすり身でカニカマを作り始めた」と開発のエピソードを披露する。


 現在は国内だけでなく米国にも拠点があり、北米をはじめ中南米でもカニカマを販売。「海外ではすしにして食べるのが一般的。カニカマを開いてマヨネーズをつけてあぶり、ご飯にのせる。これが大人気」と笑顔で語る。


 能登の人にもっとスギヨを知ってもらおうと工場見学にも力を入れる。「戦前から、焼きたてのちくわを食べてもらうためにやっていた。地域に根差し、地域の人に役立ちたいとの思いからだ。親子3代にわたって見学に来ている人も多い」と話す。


 2007年には農業事業にも参入。現在は農業生産法人スギヨファームとして独立させ、約60ヘクタールの農地で能登野菜などを栽培している。「加工業は1次産業と関わりをもたなければ生き残れないと考えていた。地元の1次産業を支えることがスギヨの将来にとっても大事」と強調する。


 また、能登半島は海岸線が長く藻場が多いため、藻を資源として利用できる可能性が高いという。「海藻の加工は乾かすなど単純なものしかなく、あまり開発されていない。特にアカモク系はほとんど使われていない。これを加工開発し全国に発信していきたい」と意欲をみせる。


 石川県も有効求人倍率が高く人手不足は深刻化。3月に社内で働き方改革委員会を発足させ、社員の労働環境づくりに向け検討している。「長時間労働が常態化していたので、人間らしく心身ともに健康な社員になってほしいとの思い。汎用性のある機械やロボットに投資をしながら、社員の残業や仕事を見直していく」と先を見据える。

 勝山市を離れて50年近くなるが、故郷を思う気持ちは変わらない。「勝山は繊維で成り立った街。先人は電気を引いて繊維を発展させた。私にもこのDNAが流れている。チャレンジ精神を能登でも生かしていきたい」と話す。

 すぎの・てつや 福井県勝山市出身。東京の大学を卒業後、杉野家の婿養子となりスギヨに入社。1988年に社長。七尾商工会議所副会頭。65歳。

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