【自民総裁選】安倍首相が来県 3選へ意欲アピール – カナロコ(神奈川新聞)

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 安倍晋三首相(自民党総裁)は8月31日、横浜市で開かれた党員集会で講演した。党総裁選への出馬表明後、首相の神奈川県内入りは初めて。

 首相は横浜港で建設中の岸壁について「さらに大型クルーズ船が横浜港に増える」と述べ、県内への観光客増加に期待感を示した。来年以降の皇位継承や東京五輪開催などを踏まえ、「もう3年、日本のかじ取りを担う決意だ」と連続3選への意欲をアピールした。

 講演内容は次の通り。

 「皆さまこんにちは。自由民主党総裁の安倍晋三でございます。本日は平日の昼間、大変お忙しい中、こうしてお集まりいただきました。こうした機会をつくっていただきましたこと、厚く御礼を申し上げる次第であります。本日はわが党の神奈川県選出の議員の皆さま、そして県会議員、市会議員、地方議員の皆さま。各団体の代表の皆さまをはじめ、わが党を日頃力強く支えていただく皆さまにこうしてお集まりいただきまして、本当に心強く思っている次第であります。

 まずはじめに、行政を巡るさまざまな問題によって、行政に対する国民の皆さまの信頼を揺るがす事態となっていることに対しまして、行政の長として深く反省し、あらためておわびを申し上げる次第であります。この上は、二度とこうしたことを起こさないように、再発防止を徹底していくことによって、総理大臣としての職責を果たしていく決意であります。

 本日はこの横浜にやって参りました。大変な熱気を感じております。来年はお伺いするところによると、クルーズ船専用の岸壁ができ、さらに大型のクルーズ船が横浜、神奈川県に入ってくるというふうにお伺いをしています。今、まさにこの横浜も神奈川県も日本も、大きく変わろうとしているわけでございます。この中で私もしっかりと新たな国造りに全力を尽くしていかなければならない。こう決意をしているところでございます。

 この地域を、日本を支えている、経済もまさに大きな力となっているのは、地域の中小企業、そして小規模事業者の皆さまであります。私は4年半前、小さなメッキ工場を訪問しました。従業員9名。従業員を大切にせよという先代の言葉をしっかりと守ってきた若い社長さん。中学を卒業し、あるいは高校を中退して入ってくる工員の皆さんをしっかりと夜間の高校に通わせて、そして卒業するまで、面倒を見たそうであります。そしてあのリーマンショックのときも頑張って、歯を食いしばって彼らの雇用を(守った)。この、若い社長さんの気持ちに応えようと、みんなで工程に工夫をこらしたり、あるいは営業に知恵を出し合ったりして、売り上げを増やした。利益を増やしたんですね。そしてその若い社長の気持ちに応えて、従業員たちも頑張ったんで、社長さんは給料を増やした。これが私は日本の力なんだろうなあと思います。みんなが頑張れば、社長さんは利益を独占しようとせず、独り占めせずに、頑張ったみんなの給料を上げる。そして、給料が上がれば消費も増えていくということではないかなと思います。私が会った若い工員さんはこう言っていましたね。『社長が給料上げてくれたから、飲んでいる発泡酒がビールに変わったんだよ、安倍さん』。うれしそうに語っていたわけでありました。そして4年半後、この会社はずっと4年間賃金を上げ続けたそうでありまして。かつ、従業員も1名増やしたんですね。1名といってもですね、9名が1名ですから、10%の雇用が増えたということであります。あのときうれしそうに語っていた工員さん、今度こう言っていました。『ずっと毎年毎年、社長が給料を上げてくれたんで、今、たまには外に飲みに行っているんだよ』。これ、奥さんが喜んでいるかは別でありますが。このように経済が好循環しはじめている。今、このエピソードから私たちが学び取らなければいけないことは、やっぱり人材を大切にし、人材を育成していく。人づくりをしっかりと進めていくことの大切さではないかと思います。同時にやっぱり生産性を上げていくことによって、利益を増やしていくことができる。生産性革命の重要性がここに示されていると思います。生産性革命、人づくり革命を進めていく。その主役は地域の中小企業、小規模事業者の皆さんであります。

 『安倍さん、そんなこと言ったって、人手不足で大変なんだよ、俺たち』という声も聞こえてきそうであります。われわれはそこも十分に承知をしておりますから、人手不足の状況が、企業が繁栄していく、発展していく障害になってはならないと思っております。人手確保の応援をしていく、支援をしていきます。また、外国人人材を今までよりももっともっと活用しやすくして参ります。今までは、外国人技能実習制度という中において、外国人の皆さんに頑張っていただきましたが、これからは就労目的で頑張っていただく。5年間という期限は付けます。ですから、いわゆる移民政策では全くありません。ちゃんと期限を付けて、家族の帯同は基本的に認めないという。しっかりと管理をしていきます。そのための組織も新たにつくっていかなければならないと思います。また、同時に生産性を上げて、人手不足を補おうと。IoT(モノのインターネット)も使って、ロボットも使って、小さな会社だけど頑張っていこうという人については、投資に対して、はじめて固定資産税ゼロという税制を(つくって)、応援していきます。また、補助金もちゃんと使いながら、頑張る中小企業、小規模事業者を応援していきたい。こう思う次第であります。

 なかなかいろんなメニューがあって分かりづらいという方はですね。今日お越しの甘利(明)さんをはじめ、国会議員の皆さんがいますから。国会議員の皆さまの事務所に電話していただいて。どんなメニューがあるのと聞いていただければ、極めて親切に教えていただけるのではと、こう思う次第でございます。

 6年前、行き過ぎた円高によって、一生懸命汗を流して知恵を出し合っても、残念ながら行き過ぎた円高のために競争に勝てなかった。大企業がどんどん、生産拠点を海外に移していましたね。下請け企業もついていかないから、工場を閉めるしかなかった。お店を閉めるしかなかったんです。連鎖倒産という言葉が当時は日本中を覆っていました。民主党政権下、日本は人口減少していく。そうであるから成長なんかできない。ということが盛んに言われていた。テレビにおいても、まことしやかにそんな解説をする人がいましたね。今、まったくそういうことを言ってらっしゃいませんけども、成長なんかしなくてたっていいやということすら言われていました。最大の問題は、あきらめの壁でありました。私たちはこのあきらめの壁に対して、3本の矢という新たな経済政策で挑戦をしました。そしてあれから5年8カ月がたって。人口は残念ながら減少していますが、経済は11・8%成長したんです。昨年はGDP(国内総生産)は過去最高になった。そして大切なこと。政治にとって大切なことは、仕事をしたいという人が、仕事をする場所があるということではないでしょうか。若い人に限らず、みんなそうです。女性も男性も若者もお年寄りも障害のある方も難病に苦しむ方も、1回失敗した人もみんなにチャンスがある社会をつくらなければならない。そのためにはそういう社会にしていくことも必要ですが、そういう経済状況をつくっていくこともとっても大切であります。われわれが頑張ってきた結果、経済が成長し、そして雇用が251万人増えました。当初のころは、安倍政権なかなか正社員増えていないじゃないか。そんな批判もありましたね。しかし、皆さん。民主党政権時代は50万人、正規の雇用が失われていました。しかし、私たちがみんなで頑張ってきた結果、正規雇用は78万人も増えたんです。倒産件数も3割減った。その結果、民主党政権時代には正規雇用の有効求人倍率が0・5倍だった。つまり2人の正社員になりたいという求職者に対して、1人分の正規雇用しかなかった。もう残念ながら正社員になれない、という状況だった。それが5年半の皆さん、私たちの努力の結果、正社員の有効求人倍率が1倍を超えました。1人の正社員になりたいという求職者に対して、1人分の正規の雇用があるというまっとうな、経済をつくり出すことができたんです。『まっとうな政治』ということをスローガンに掲げる政党もあるようでありますが、私はまっとうな政治ということはこういうことではないのかなと、思う次第でございます。

 そして、それはもちろん、一部の大都市だけではなく、この神奈川県においても有効求人倍率が過去最高になっています。そして収入もみんな上がっています。今世紀に入って、最高水準の賃上げが5年連続で続いていたところであります。そして最低賃金が120円増えました。本年度は(1時間当たり)26円上がったという大幅アップとなっているわけであります。そうした結果、家計の金融資産も政権交代前よりも220兆円増えているという状況をつくり出すことができたわけであります。

 さらに、もっともっと多くの皆さんに実感していただきたいと思います。かつてのバブル期あるいは2007年の景気回復期があったんですが、このときは本当に東京中心の景気回復でありましたが、今はそうではなくて、全国各地、すべての都道府県で有効求人倍率が1倍を超えております。たとえば、この神奈川県においては、企業関係税収はずいぶん、増えているわけです。2900億円から4200億円。45%も法人関係税収が増えているということは、この地域、神奈川県全体の企業の収入も増えている。神奈川県は、横浜という大都市を抱えているからそうだということではないんです。福井県とか、富山県、鹿児島県あるいは宮崎県でも、3~4割法人関係税収が増えている。つまり、やっとこの2年間、5年8カ月やってきて直近2年間、やっと地方もだんだんしっかり景気回復の波が届き始めてきたのではないのかな。そう思っています。

 その一つのエンジンとなっているのが、観光ではないだろうかと思います。政権交代前、(訪日外国人客は)800万人で頭打ちだったのが、3倍を超えて昨年2800万人を記録しました。3・5倍となりました。日本人は観光に行って使うお金はだいたい5万円くらいでありますが、外国人は3倍の15万円を使います。今、海外からやってきた人たちは、日本で4兆5千億円ものお金を使っているということでございます。これは大きなチャンスではないのかなと思います。

 私、今年の8月に地元に帰ったんですが。その際、今、少し話題になっている元乃隅稲成(もとのすみいなり)神社という所に行ってきました。これは私のふるさと(山口県)長門市にあって、日本海に赤い鳥居が海岸に向かってずっと続いていくという神社でありますね。ここはですね、1年間に多くて数百人から多くて数千人が訪れるひなびた神社であります。しかし、ここをたまたまCNNが紹介したんです。そうすると、インスタ映えすると話題になりまして、昨年なんと100万人も訪れたんです。さい銭箱の中には25カ国のコインが入っていて、神主さんがびっくりしてですね、日本銀行下関支店に持っていった。いわば何を意味しているか。買い物中心、あるいはゴールデンルート中心の旅から、そこにしかない風景、そこでしかできない体験型の旅に変わりつつあります。これは地方にとっては大きなチャンスでありますから。まさに地方創生のエンジンにしていきたい。こう思っています。

 そして、いつも地元に帰って思うのですが、美しい田園風景が広がっている。こうした田園風景が、美しい日本を形作っている。それを支えているのは、第1次産業なんだと思っているんです。農林水産業はとても大切であります。私は今年、勤続25年を迎え、表彰されました。その時だけは多少、野党の皆さんからも拍手をいただくことができたんでありますが。25年前、私が初めて選挙に挑戦し、街宣車でずっと田んぼの中を回っていたとき、そうしたら遠くで農作業の手を休めたおじいちゃんが『おーい』って手を振り、あぜ道を走ってきた。私も(車から)降りて握手をした。そうしたらそのおじいちゃんが、こういったんです。『晋三さん、信じちょるけ。信じちょるけ。この地域を守っておくれよ』。私はこの言葉に押されて、国会に出ることができました。このじいちゃんの手は、ごつごつしていて。ごつごつした手でぎゅっと握られたら、結構痛かった。農林水産業というのは厳しい仕事です。朝早く起きて、草を引いて、田を耕し、台風や大雨、急激に変わる天候と立ち向かう、漁業においては荒れる海と立ち向かう。だから、みんなの手はごつごつしている。でもこのごつごつした手で地域を守り、ふるさとを守り、自然を守り、文化や伝統も守ってきた。国の基を守ってきた。みんなこの誇りとともに生きてきたんです。ですから私たちはこの農林水産業をしっかりと守ってまいります。

 同時に、平均年齢は66歳を超えました。守るだけでは守れない。やはり攻めなければいけません。われわれは5年8カ月、攻めの農政を展開してまいりました。その結果、農林水産物の輸出額は4500億円から8100億円。倍近くになり、目標の1兆円も見えてきました。この神奈川県においても素晴らしい農産物があります。三浦半島のダイコンやキャベツなんかもあります。そうしたものもどんどんどんどん輸出していきたい。いまや日本酒も結構、高い値段で売れるようになりました。お米だって、例えば中国人。日本人が食べているお米は(年間)700万トン~800万トンでありますが、中国人が食べているお米は、正確には1億6千万トン。すごく食べている。ですから、いいお米を食べたい人は喜んで、たくさんお金を出して日本のお米を買ってくれると思います。

 先般、中国の李克強首相が日本に訪問した際、日中関係は劇的に改善しましたが、今までくん蒸施設が二つしかなかったため、少量しかくん蒸できなかったんですが、5カ所に増えました。精米工場も2カ所認めてもらいました。画期的に、大きく輸出環境が整ったわけであります。日本のお米に対して、中国の皆さんも、もしこの状況が変わっていけば、日本から輸入して食べたい、ということになるのではないか。さらに大きく、農業の世界が変わっていく。こうしたことを進めてきた結果、生産農業所得も(2016年で)3兆8千億円。この18年間で最も高い水準になってきた。農林水産業に携わる皆さんがもっともっと頑張れるように。そして若い皆さんが4年連続、40代以下の新規就農者、4年連続で2万人を超えているんです。これは今まで統計を取って初めてのことでございました。こうしたことをしっかりとやりながら、日本中隅々まで、この景気回復の実感を、私たちが進めている政策の恩恵を受けることができるようにしていくことが、私たちの使命ではないだろうかと、こう考えるところでございます。

 そして政治は、社会のひずみや格差に光を当てていくことも私たちの責任なんだろうと思っております。そのための施策もしっかり充実して参りました。その結果、例えば生活保護世帯の皆さんの高校進学率は8割だったものが、この5年8カ月で9割まで上がりました。そして、1人親世帯のお子さんの大学進学率は24%から42%に上がった。子どもの相対的貧困率は統計をとり始めて以来、ずっと悪化してきたんです。5年ごとにやっているが、最初は9・2(%)だった、その5年後は9・7だった。そしてさらにその5年後は9・9。まあ、野党の皆さんや一部マスコミの皆さんは、安倍政権で悪くなっているはずだ、統計をとっていないにもかかわらず、随分批判されたんです。そして直近、安倍政権がはじめて統計をとったら9・9まで悪化したものが、7・9。統計をとって初めて、2ポイントも改善しております。その結果、今、生活に満足しているか。内閣府がとっている統計で、満足しているという数字は過去最高。不満の数字は過去最低になっています。もちろん、いつの時代にも格差はあります。そこに光を当てていくことこそ、私たちの責任なんだろうと思います。もっともっと、改善していかなければいけません。残念ながら今、虐待にあう子どもたちが、過去最高になってしまっている。これを深刻に受け止めながら、子どもたちの命を守り抜いていくことが私たちの責任であるとの観点から、全力を尽くしていきたいと考えております。

 外交におきましては、地球儀を俯瞰(ふかん)する外交の観点から、日本の国益を最大限守っていく、国民の命を守り抜くという思いで全力で外交を展開してまいりました。米国との関係でありますが、米国は日本が海外から侵略されたときに、日本を守ってくれる。米国の若い兵士は日本のために、その命をかけてくれる唯一の国。日本にとっては唯一の同盟国であります。でありますから、当然、日米の関係を良くする、米国の大統領と信頼関係を築いていくことは日本の総理大臣としては、これは責任といっても良いんだろうと、こう思うわけであります。ですから例えば、なんか安倍さん、トランプ大統領とゴルフばっかりしているね、という話があるんですが、ゴルフが好きでやっているわけではないです。いや、ゴルフは好きでもあるんですが。好きでもありますが、こういうゴルフも通じながら、信頼関係をつくっていく。世界で最も忙しい大統領の時間を3時間、4時間独占できる。この間、いろんなフランクな話もできるわけでありますが、そうしたことを通じながら、もちろん会談、電話会談も通じて、信頼関係をつくることができた。

 それ以上に平和安全法制を、大変な非難がありました。反対運動があったけれども、党が一丸となって、この法律を成立させました。これが自由民主党の強さでもあります。大切だとの結論に至れば、みんなで結束して法律を通していく。総理大臣の一人の力ではとてもできないけれども、みんなが頑張って結束していく、この結束の強さが自民党の力なんだろうと。そして、日米はお互いに助け合うことのできる同盟になりました。助け合うことのできる同盟は、その絆を強くする。これ、当然のことであります。

 信頼関係の中において、トランプ大統領は金正恩朝鮮労働党委員長と初めての首脳会談を行いました。この会談によって、朝鮮半島の非核化について、トランプ大統領と金正恩委員長が署名をする形で、文書で約束を交わした。文書で約束を交わすことは絶対に必要だ、大切だと考えていました。1994年の枠組み合意においても、あるいは2005年の6者会合の共同声明においても、首脳が署名したものではありません。ですから、残念ながらほごにされてしまった。一方、平壌宣言は両首脳が署名していますから、北朝鮮もこれをほごにはしていない。トランプ大統領はまさに、その意味においては、しっかりと署名をした形にした。ただ、もちろん道はそう簡単な、平たんな道ではないです。紆余(うよ)曲折はありますが、非核化に向けて土台はできたのではないかと思います。そして、あの会談において、拉致問題に対する私の考え方をきっちりとトランプ大統領が、金正恩委員長に伝えてくれました。世界最強の国の大統領が、しっかり金正恩委員長に伝えた、その瞬間だったと思います。この上は、私自身が金正恩委員長に向き合い、この問題を解決していかなければならないと覚悟しております。

 いまだに、拉致問題が解決していないこと。まさに痛恨の極みであります。(横田)めぐみさんのご両親もお年を召された。有本さんのご両親もそうです。多くのご家族の方も年をとられた。皆さんがお元気なうちに、お嬢さんを、息子さんをその手で抱きしめる日がくるように全力を尽くしていく決意であります。

 今、世界は大きな転換点を迎えております。戦後につくり上げられたさまざまなルールが、挑戦を受けています。ルールは未来永劫変えてはいけないということではありませんから、日々見直しをしていく必要もあるんだろうと、こう思います。第4次産業革命が今、始まっている。その中で日本も先頭ランナーにならなければいけない。この分野においても新たなルールは必要なんだろうと思います。そこで、今まで日本はどちらかと言うと、新しいルールをつくるということに対して引っ込み思案でありました。みんなにルールをつくってもらって、そのルールを優等生として守っている、その姿でありました。でも、そういう時代は過去のものとなったと思います。まさに新しいルールづくりの時を迎えるとき。これはチャンスでありますから。日本が先頭に立って、新しいルールを、新しい価値観の下にしっかりとつくっていかなければならないと、こう考えております。

 TPP11に署名しました。甘利さんにも大変ご苦労いただいた。ご協力いただいた。日EUのEPA(経済連携協定)にも署名した。自由で公正な、世界の模範となるルールを日本がリーダーシップをとって、ルールづくりを行っていきます。米国にもしっかり話をしていきたいと思います。外交においてはその役割を果たす上においても、なんと言っても国民の皆さまのご理解、党員の皆さまのご理解が必要であります。

 来年には4月に統一地方選がございます。この神奈川県下においては、自由民主党の各候補に、力強い、温かいご支援を賜りますようにお願いを申し上げます。そしてその後には、参議院議員選挙が控えております。わが党の候補者は、ここに立っている島村大参議院議員であります。どうか、この6年間、本当に素晴らしい実績をあげていただいた。当選1回ではありながら、委員長として、難しい法案も成立に導いてくれました。その政治手腕、政策実行能力、申し分ないと思いますので。どうか皆さまの温かいご支援をお願いしたいと思います。

 この6年間、私たちはさまざまな課題に挑戦して参りました。困難な課題もあった。しかし、それが国民にとって必要であるとの結論に至れば、私たちはたじろくことなく、なすべきことをなしてきた。それが私たち、自由民主党の誇りでもあります。

 そして、いよいよ私たちは憲法改正に取り組むべき時が来たと決意をしております。自由民主党が立党したとき以来、党是といっても良い。当時の自由党と民主党は、とっても仲が悪い両政党が一緒になろうと、こう決意したのは、二つ理由があったと思います。一つの理由は、日本が占領下、憲法や教育四法、さまざまな基本的な枠組みができたが、でもこの枠組みをやっぱり自分たちの手でもう一度見直し、ただすものはただしながら、つくっていこうじゃないかと。新たなスタートをしていこうということ。そのためには、いがみ合っていてはいけないね、ということであります。そしてもう一つは、当時は日本はまだ貧しかった。豊かな国にするためには、安定した政治基盤の上に、力強く経済政策を進めて日本を豊かにしていこう。この二つの大きな目的のために、自由民主党はできあがったと言っても良いと思います。しかし一番目の目標は、後回しにされて60年たってしまった。そう簡単な課題ではありません。政治的な資産をかなり使わなければいけない課題ではありますから、政権をとる、あるいは総理大臣に就任して、総裁になってすぐに取り組む、というわけにはいきません。しっかりと地歩を固めてから挑戦する課題でもある。私も自由民主党総裁として、この6年間、任期を務めさせていただいた。当然、その上においては憲法改正に取り組んでいく責任があると、こう思っています。基本項目については自民党内でしっかり、議論が重ねられ、そして意見が集約し、3月の党大会で、この自民党の案についてお示しさせていただいたことであります。この上はさらには、与党の皆さん、そしてもっと多くの野党の皆さんにもご理解をいただく作業を進めていかなければならないと思っているんです。

 もちろん、スケジュールありき、ではありませんが、自民党の総裁としてはできるだけ早く国会に提出して、そこですぐに決まるわけではありませんから、そこで議論に付さなければ、国民的な議論は広がっていかないじゃありませんか。まずはそこに出していく。最後は、国民の皆さまが投票する、国民投票で決まります。決めるのは国民の皆さん。そこに発議をしなくて、出していかないというのは、むしろ国会議員の怠慢じゃないかと、批判を受けてもしょうがないんじゃないかと、こう思っております。

 毎年3月に私は、防衛大学校の卒業式に出席しています。そして、防衛大学校を卒業して、任官したばかりの、新しい制服に身を包んだ初々しい若い自衛官たちから、内閣総理大臣として、服務の宣誓を受けます。ことに臨んでは、危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、国民の負託にこたえる。つまり、国民の命を守るために、彼らは命をかける。あの西日本豪雨の際にも昼夜分かたず、本当に頑張ってくれました。しかし、いまだに、彼らの存在が憲法違反でないと言い切る憲法学者は2割にしかなりません。ですからこの違憲論争があることがほとんどの教科書に掲載されていて、彼らの子どもたちもこの教科書で学ばなければならないんです。

 ある自衛官から話を聞きました。お子さんから、『お父さんは憲法違反なの?』と言われたそうであります。本当に悲しい思いをされたのではないかと思います。彼らが誇りを持って、自衛官として、この国民の命を守る、崇高な使命を果たすことができる、誇りを持ってこの仕事に取り組むことができるかどうかは、これは国防の根幹と言っても、私はいいんだろうと思います。皆さん、この状況に終止符を打とうではありませんか。日本の平和と独立を守ること、そして自衛隊をしっかりと憲法に明記して、違憲論争に終止符を打とうではありませんか。

 来年は皇位の継承があります。そして、日本で初めてG20サミットが開催される。その先には東京オリンピック・パラリンピックがあります。まさに、今こそ、日本の明日を切り開くべきであります。大きな課題である、少子高齢化と正面から向き合いながら、あるいは激動する国際情勢に立ち向かいながら、新たな時代の国づくりを始めたいと思います。子どもたちの世代に、孫たちの世代に、美しい伝統あるふるさと、そして、誇りある日本を引き渡すために、もう3年、日本のかじ取りを担う決意でございます。どうか皆さま、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました」





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