インドネシア、前国会議長に懲役15年 電子住民票巡る汚職で – 日本経済新聞

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 【ジャカルタ=鈴木淳】インドネシアのジャカルタ汚職裁判所(第一審に相当)は24日、電子住民票システムの納入を巡って業者から多額の金銭を受け取ったとして、収賄の罪で前国会議長のセティヤ・ノバント被告に禁錮15年の刑を言い渡した。一連の事件では計2兆3千億ルピア(180億円)が政治家や高級官僚などへの賄賂に使われたとみられ、特別捜査機関、汚職撲滅委員会が全容解明を進めている。

24日、ジャカルタの裁判所で公判に臨むインドネシア前国会議長のセティヤ・ノバント被告=ロイター

 同裁判所は判決で、セティヤ氏が業者に電子住民票システムの落札で便宜を図る見返りに多額の金銭を受け取ったと認定した。禁錮15年に加え、5年間の公民権停止と罰金5億ルピア、受け取ったとみられる730万ドル(約7億8千万円)を国庫に返還するよう命じた。

 セティヤ氏は2017年11月、収賄などの容疑で汚職撲滅委員会に逮捕された。逮捕時には有力政党ゴルカル党の党首も務めるなど、インドネシア政界で大きな影響力を持っていた。党首時代には与党会派に入ってジョコ政権を支えたが、事件発覚後はジョコ大統領やゴルカル党は同氏と距離を置いている。

 電子住民票システムはユドヨノ前政権時代の10年に導入計画がまとまり、12年にも稼働する予定だったが、国民への普及は遅れている。5兆9千億ルピアの予算のうち、約4割が賄賂として政治家や高級官僚に流れたとみられている。汚職撲滅委員会はすでに約30人の政治家や高級官僚を容疑者に認定しており、インドネシア史上最大級の汚職事件として国民の関心も高い。

 事件にはユドヨノ前政権の閣僚だけでなく、ジョコ政権の閣僚や与党の有力政治家の関与も取り沙汰されている。今後、現職の閣僚にも捜査の手が及べば、クリーンなイメージで国民から高い支持率を得てきたジョコ政権にとって打撃となる可能性もある。

 国際非政府組織(NGO)、トランスペアレンシー・インターナショナルの「腐敗認識指数」(17年版)によると、インドネシアは世界96位。16年の90位から悪化し、中下位に甘んじる。

 最近ではインフラなどの開発許認可権限を持つ市長や県知事レベルの汚職も相次ぐ。汚職をなくすことを公約に掲げて当選したジョコ大統領にとって、汚職を一掃できなければ19年の大統領選挙を前に国民の支持が離れかねない。汚職事件の解明と実効性のある再発防止策が求められていて、ジョコ政権にとっては正念場となる。





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