来日から20年、ロケットスタッフ創業者の高榮郁氏が40歳を前に非中央集権型アドネットワークで新たな挑戦——エストニア法人で5月にICOへ – THE BRIDGE,Inc. / 株式会社THE BRIDGE (プレスリリース) (ブログ)

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来日から20年、ロケットスタッフ創業者の高榮郁氏が40歳を前に非中央集権型アドネットワークで新たな挑戦——エストニア法人で5月にICOへ

CEO の高榮郁(고영욱)氏(右)と、マーケティング担当執行役員 本多雄一氏(左)
Image credit: Masaru Ikeda

THE BRIDGE が活動を始めた当初から(当時の名前は Startup Dating だったが)コミュニティに参加してくれていた読者の中には、高榮郁氏の名前に記憶がある人がいるかもしれない。当時、彼は六本木に活動拠点を置いていたこともあり、我々はそこから程近い西麻布のコワーキングスペースで定期的にイベントを開催していて、ちょこちょこ顔を出してくれていたものだ。

今から20年前、彼は二十歳にして韓国から単身来日。テレビ局での勤務などを経て、2010年11月にロケットスタッフというスタートアップを設立した。韓国出身という出自を生かし、日本と韓国をまたいでのアプリ開発、アプリマーケティングのコーディネイト、韓国の IT テレビチャンネル向けに日本のテクノロジー事情をレポートする特派員の役目などを担っていた。手がけたアプリの代表作には、近くにいる人々とチャットや写真共有を楽しめる「Peppermeet(ペッパーミート)」や、ユーザが広告を見てポイントを貯められる「AD&JOY(アドエンジョイ)」などがある。

久しぶりに高氏から連絡をもらった。来日から20年、40歳を目前に彼は新たな旅路に出るのだという。

四十にして惑わず

ロケットスタッフのビジネスは、その後も順調のようだ。現在、同社の売上を支える主力商品は「マンガ KING( iOS / Android )」や「マンガ KISS( iOS )」といった無料のマンガアプリだ(アプリストアには、子会社の作品として出品されている)。出版社と提携して以前に発行されたマンガをデジタル化し、広告から得られる収入を出版社とレベニューシェアするビジネスモデル。ロケットスタッフは設立当初、高氏以外にも VC やエンジェルを株主に擁するスタートアップだったが、マンガアプリからの売上が順調に推移したこともあり、現在は株式を買い戻して100%高氏の会社となった。

結婚して子供も生まれ、会社の経営も安定した。現在の高氏は成功者と呼んでも問題ないはずだが、その環境に甘んじないのは、彼が起業家精神に満ち溢れているからにほかならない。

ロケットスタッフの事業を始めて、8年の歳月が経過しました。今やっている事業は日本でうまくいっているけど、スタートアップのビジネスは、日本で成功するのと、世界で通用するのとはパターンが違う、と感じています。

このままだと後悔してしまう。改めて世界で通用するサービスを作りたい。でも、(40歳を目前に控えて)新しい事業を始めるのにスーパー現役で頑張れるのは、せいぜい40代から50歳くらいまで。あと、20年くらいが勝負だなぁ、と。

世界で通用するサービスを作るには、他の競合を凌駕できるような圧倒的な強みが必要だ。そして、自分たちにしか作れないものは何なのか? 高氏はマンガアプリで収益を生み出している広告に、そのヒントを見出した。

ブロックチェーンを使ってアドネットワークを作る理由

ロケットスタッフのマンガアプリでも、広告代理店が提供する広告枠を挿入している。代理店が営業に来てから、広告枠を新規採用した直後は売上がよいものの数週間すると売上が低下、代理店の担当者に電話をかけ改善を促すと売上が持ち直し、またしばらくすると売上が下がる、ということの繰り返しなのだとか。

広告代理店は自社が営業で取ってくる広告と RTB などでアドネットワークから配信を受けた広告の両方を広告枠に配信しているが、高氏の説明によれば、代理店にとっては自社が営業で取ってきた広告の方が粗利がいいため、そちらを優先して配信しているケースが多いらしい。結果として、メディアやアプリへの親和性よりも売上を優先したインプレッション稼ぎの広告が配信され、メディアやアプリ運営者にとっての広告収入が低下するというわけだ。

例えば、男性向けのマンガアプリに、女性向けの広告が配信されてしまうという矛盾。技術に問題があるわけではなくて、現在のオンライン広告が抱えるビジネスの実態が、そのような悲劇を生み出してしまう。広告から収入を得ている世界中のメディアやアプリデベロッパーの中にも、同じような課題をを感じている事業者は少なくないはずだ。ブロックチェーンを使うことで、透明性を確保したアドネットワークを構築できないか。これが高氏が出した、次に取り組む事業の答えだ。

アドネットワークの透明化は、広告業界にとってはある種の聖域。既存のアドネットワークが手がける可能性は高くなく、自分たちこそがやってみる意味があると確信しました。

ひょっとしたら、既存の広告代理店やアドネットワークの経営を圧迫するような、ディスラプティブなものができてしまうのかもしれない。しかし、ロケットスタッフが100%自己資本の企業となった今、高氏は軋轢や忖度の無い自由な立場で新しいプラットフォームの構築に邁進できるというわけだ。

エストニアから日本市場へ逆輸入

エストニア・タリンの街並み
Image credit: scanrail / 123RF

この新たな事業アイデアを形にするために、高氏はエストニアに新法人を開設する。自らもエストニアに活動拠点を移し、日本や韓国にいる開発者やスタッフと遠隔で連携しながら、非中央集権型アドネットワーク「ACA Network」の開発に臨む。

ACA Network では、広告主と出稿先の広告売買は JPYT(仮称)という ERC20 ベースのトークンを使って決済され、日本円1円=1JPYT と同価値固定とするためボラティリティに関する問題は生じない。プラットフォーム上では、バナー広告のデザイナーなどにも JPYT 決済で制作発注できるようにする予定だ。一般的な DSP で数十%程度とされる手数料を、ACA Network では5%程度に抑えるしくみを目指す。

ところで、この JPYT というトークンは、日本国内では Suica や Edy といったプリペイド型の電子マネーと法律的には同じ扱いとなり、サービスを運用する事業者は、未使用価値の半分に相当する日本円を供託金として預ける必要がある(資金決済に関する法律)。この供託金の原資を確保するために、ACA Network は独自トークン「ACA」の販売による ICO を今年5月に実施する予定だ。ACA Network はエストニア法人であり、日本の仮想通貨交換事業者ではないため、ICO に関わる AMA(Ask Me Anything)やホワイトペーパーは英語でのみ提供される(日本人を対象としたものではない、という立場)。

ACA Network での決済に使えるのは JPYT であって ACA ではないため、ICO で獲得した ACA を広告売買の決済に使うことはできないが、ACA の保有量に応じて ACA Network 上での広告売買に関するサービス手数料が割り引かれるという(ACA の量に応じて保有者に報酬を還元すると、株式配当と同等と見なされる恐れがあり、法律に抵触する可能性を回避するためこのような形を取っているそうだ)。

今年5月に実施される ICO に向けて、本日、ACA Network のティザーサイトホワイトペーパーが公開された。同サイトに掲出されたロードマップによれば、来年の春先には ACA Network がβローンチする見込みだ。

この分野には、ブルガリアを拠点とする AdEx(ADX)や、サンフランシスコ拠点のブラウザ開発会社 Brave SoftwareBasic Attention Token(BAT)などが存在するが、いずれも欧米拠点のアドネットワークであることから、ACA Network ではホワイトスペースとも言うべきアジア市場に照準を合わせることになりそうだ。AdEx は2017年6月に実施した ICO で3時間で1,000万米ドルを調達、Basic Attention Token は、2017年5月に実施した ICO で30秒間で3,500万ドルを調達している。

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