牧野フライスらしい堂々とした値付なのに、ハイペース受注の工作機械 – ニュースイッチ Newswitch

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 高級機で知られる牧野フライス製作所らしい堂々とした値付けながら、発売から半年足らずで約20台と高ペースで受注を重ねる。それも、中・大物金型の仕上げに用途を絞り込んだ製品にもかかわらずだ。「金型専用、さらに仕上げ向けという狭いターゲットを社内で理解してもらうことから苦労した」(井上憲司マネージャ)と満場一致の船出ではなかったが、早くもベストセラー機の雰囲気が漂う。

 「この機械、よく開発させてもらえたね」―。井上マネージャは新型MCを前に、顧客から痛烈なひと言を浴びた。主軸は“守備範囲”の広い50番ではなく、同40番。構造上、真横からの深穴加工に適さない。これらを例に、ひたすら中・大物金型の中仕上げ、仕上げに特化させている。

 あれもこれもと多くを盛り込んで大量販売が見込める製品ではなく、当初、買う人が限られ、“営業泣かせ”ともとらえられた。顧客の言葉は、そんな開発を会社がよく許可したものだ、という驚きを含むものだった。

 しかし、ターゲットを絞り込んだことで受注台数が示すとおり、期待以上の製品に仕上がった。性能面では送り速度が業界最速クラスとみられる。

 実際の金型加工で、毎分10メートルとなれば極めて高速だが、同16メートルでの加工にも自信を持つ。精度は面段差20マイクロメートル(マイクロは100万分の1)が合格点とされるところ、同5マイクロメートルに達する。従来、3軸MCでは対応できず放電加工機を使っていた箇所もそのまま削れ、加工時間を80%も削減する。

 高速・高精度の製品とするため、コラム側に寄せた重心、回転2軸の軽量・小型首振り主軸などの新構造を編み出し、搭載した。無数とも言えるパターンを「一つひとつ解析」(近藤英児主任)し、この設計に到達した。

 結果、とがった製品コンセプトが功を奏した。着眼点、そして同社が蓄積した開発力の勝利と言えるだろう。「よく開発させて―」の顧客も、最後に機械を買ってくれた。(六笠友和)





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