[FT]米、中国半導体に激しく抵抗 「市場ゆがめる」 – 日本経済新聞

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Financial Times

 これほど小さなチップがこれほど重い荷物を背負うことは、めったにない。混乱に満ちた誕生から間もない中国の半導体産業は今、米中両政府の対立する政治的目標の標的にされている。

 半導体チップは中国の産業計画の重要な柱であり、1500億ドルという莫大な政府補助金を引き寄せている。中国の持つ、海外市場への依存に対する懸念――半導体輸入に費やす支出は石油輸入を上回る――と、「米国がスイッチを入れた場合」(銀行関係者)に蚊帳の外に置かれる不安を反映している。

 米国政府は米国政府で不安を抱えている。補助金が市場をゆがめ、米国内産業を傷つけ、米国が持っていた技術の優位性を危うくし、国の安全を脅かすという不安だ。

■「国家安全保障に真の脅威」米諮問委

トランプ氏は、中国製品に最大45%の関税をかける可能性に言及している=AP

トランプ氏は、中国製品に最大45%の関税をかける可能性に言及している=AP

 「このセクターにおける中国の産業政策は、実際に展開されていく中で、半導体のイノベーション(技術革新)と米国の国家安全保障に真の脅威を突きつける」。大統領科学技術諮問委員会(PCAST)はオバマ大統領に宛てた書簡でこう書いた。

 コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーによると、中国は世界出荷額合計のざっと3分の1にあたる1000億ドル以上の半導体を消費しているが、生産額は全体のわずか6~7%にすぎない。輸入されたチップの多くが輸出されるパソコン、スマートフォン(スマホ)、その他の電子機器に使われるが、それでもまだ、国内半導体メーカーが生産する半導体と、電子機器を欲してやまない中国国民が消費する半導体の数の間には大きな開きがある。

 この差を縮めようとする初期の努力は失敗に終わり、手あたり次第のアプローチが高度に細分化された小規模産業を生む結果になった。マッキンゼー・アンド・カンパニーは、中国政府はある時点で、15以上の省で130の半導体工場に投資していたと試算している。

 だが、教訓をしっかり学んだと調査会社サンフォード・C・バーンスタインの半導体アナリスト、マーク・リ氏は言う。同氏は香港市場とニューヨーク市場に上場している中芯国際集成電路製造(SMIC)を引き合いに出した。当初、同社はトップメーカーと肩を並べる優れた企業になることを望み、ハイエンドの装置に多額の投資をし、損失を膨らませたと言う。

 「SMICは、フォロワーになって台湾の台湾積体電路製造(TSMC、半導体受託生産会社=ファウンドリー=として業界トップを走る企業)の1~2歩後ろにつけるように戦略を調整し、投資を多少減らし、研究開発投資を減らした」

 調査会社ガ―トナーによると、2015年の売上高で世界第5位のファウンドリーのSMICは、主に通信機器と消費者向け機器向けに半導体ウエハーを生産している。売上高のざっと半分が海外市場で稼いだものだ。

 これがSMICにプラスに働いた。同社株は過去12カ月間で27%の総リターンを生み、香港ハンセン指数を大きくアウトパフォームしている。ブルームバーグが追跡している28人の担当アナリストのうち、SMIC株を売るよう推奨している人は1人もおらず、22人がレーティングを「買い」としている。

 「通常、規模の大きいほうが利益率が高いが、SMICはこれを覆している」とリ氏は言う。「だからこそ、注目に値する」。同氏は、SMICが今年、売上高を3割伸ばすとみている。これに対し、台湾の2位メーカー、聯華電子(UMC)については2~3%の増収を予想している。

■中国、最大の障害は技術が買えないこと

 だが、全国レベルでは、SMICは中国を支える企業の1社にすぎない。同社より野心的なのが、2016年7月に半導体メモリー部門を政府系の武漢新芯集成電路製造(XMC)と統合させた紫光集団だ。紫光は海外企業の買収を試みることで別のギャップ(最先端技術の欠如)も埋めようとした。だが、米国の規制当局によって、おおむね阻止されてきた。





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