世界粗鋼生産、15年2.8%減 6年ぶりマイナス – 日本経済新聞

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 世界鉄鋼協会がまとめた2015年の世界粗鋼生産量は前年比2.8%減の16億2280万トンとなり、6年ぶりに前年を下回った。世界の5割を占める中国が34年ぶりにマイナスとなった。まだ余剰感が残っていることから日米欧の粗鋼生産量もそろって前年割れになり、世界の鉄鋼業で苦戦が続いている。

 中国は8億383万トンと、前年に比べ2.3%減少した。景気減速を背景にインフラ用鋼材を中心に需要が伸びず、鋼材の販売が低迷している。ただ3年連続で生産量は8億トンを上回り、高い水準が続いている。

 米国の粗鋼生産量は10.5%減の7891万トンだった。リーマン・ショック後に急減した09年以来の低水準となった。中国などからドル高で安価な鋼材の輸入が増えた影響が大きい。米大手のUSスチールが15年初からイリノイ州などの工場で操業を一部停止するなど、稼働率が低下している。

 欧州でも鋼材流入が増えたことが響き、生産量が減少している。欧州連合(EU)加盟28カ国の粗鋼生産量は1.8%減の1億6618万トンと、2年ぶりにマイナスに転じた。

 日本もアジア向けを中心に輸出が振るわず、5%減の1億515万トンだった。日米欧の粗鋼生産量が同時に前年実績を割り込んだのは09年以来のことになる。

 収益が悪化した海外の鉄鋼大手は大規模なリストラ策を講じている。USスチールはアラバマ州の高炉1基の休止を昨夏に決定した。英国に生産拠点を構えるインド大手のタタ製鉄も同様に英国で工場休止を表明した。ブラジル大手で新日鉄住金の持ち分法適用会社であるウジミナスは2拠点のうち1拠点で高炉を含め製鋼工程を休止する。

 安価な鋼材の流入を防ごうと欧米をはじめ各地の政府が反ダンピング措置を講じている。今後通商摩擦が深刻化すると日本勢の輸出にも影を落としかねない。

 日本の鉄鋼大手は当面は生産設備の廃棄には踏み切らず、需要に応じて稼働率を調整して乗り切る考えだ。最大のシェアを持つ中国の生産動向に世界の鉄鋼業が左右される状況はしばらく続きそうだ。





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