【社説】スルガ銀不正融資 法令順守の欠如が著しい – 徳島新聞

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 シェアハウス投資を巡る不正融資問題に揺れるスルガ銀行が、第三者委員会の調査報告書を公表した。認定した内容から見えたのは、信用をないがしろに、自行の利益獲得に暴走する姿である。

 看過できないのは、元専務執行役員を中心に融資の審査書類を偽装する不正が組織にはびこっていたことだ。

 第三者委は「極端な法令順守意識の欠如が認められた」と断罪した。銀行として、あるまじき行為だ。

 会長、社長らは引責辞任したが、経営陣の責任を追及する必要がある。信頼をどう回復していくのか。新体制がスタートしたが、厳しい目が向けられていることを肝に銘じなければならない。

 シェアハウス「かぼちゃの馬車」の運営は入居低迷で2018年1月に行き詰まり、物件に投資した会社員らが1億円以上の借金を抱えた。物件購入費の融資を引き受けた同行は、4~6月期までに717億円の貸倒引当金を計上する事態に陥っている。

 さらに、貸倒引当金の大幅な積み増しを迫られる可能性は高く、業績の一段の悪化が懸念されるところだ。

 過剰融資にのめり込んだのは、営業部門だった。審査部門をどう喝して融資の稟議(りんぎ)を押し通し、承認率は99%を超えていたという。

 超低金利下の逆風の中で過去最高益を更新し続け、地方銀行の「優等生」と呼ばれる姿と大きく懸け離れた実態が浮き彫りになった。

 その手口は、預金残高を水増しして返済余力があるように見せかけるというものだ。物件価格を実際より高くした売買契約書を作り、物件価格の90%を上限とする基準を上回る融資を引き出す手法も繰り返されていた。

 融資の条件として本来は必要のない資金を無理やり高利で貸し付ける「抱き合わせ販売」も頻繁に行ったという。疑問を呈する行員もいたというが、一蹴されたようだ。

 問題は近年、取締役会が事業計画を営業部門に任せきりにしてきたことだろう。

 第三者委が不正融資の根底に「意図的と評価されてもやむを得ない放任や許容があった」と指摘したのを重く受け止めなければならない。

 企業統治が健全に機能していれば、問題の拡大は防げたのではないか。何よりも自浄作用が働く組織に変えていくことが大切だ。

 不正融資拡大の背景にも目を向ける必要がある。森信親前金融庁長官は、果敢にリスクを取り、高収益を上げる事業モデルとして、スルガ銀を称賛していたのを踏まえれば、不正融資の実態を把握していなかったのは明らかだ。監督官庁としても責任は問われよう。

 金融庁は先月、全国の地方銀行に対し、行内の不正行為をチェックする「内部監査」機能に焦点を当てた立ち入り検査を始めた。同様の問題がないか、しっかりと調べてもらいたい。





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