外国人の増加は空室対策の好機。しかし優良在留者を見極める力がキャッシュフローに影響 – 健美家株式会社

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訪日客だけでなく日本に一定期間定住する外国人も増加傾向の一途をたどっている。

総務省の「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」(2018年1月1日現在)を見ると、全国の人口は1億2770万7259人で、このうち日本人が1億2520万9603人、外国人が249万7656人となっている。

日本人が2009年をピークに9年連続で減少しているのに対し、外国人は増え続けており、前年比で7.50%増と高い伸び率を示した。

都道府県別で見た場合、外国人が最も多いのが東京都の52万1502人、次いで愛知県の23万5320人、大阪府の22万5269人となっている。神奈川県(19万8504人)と埼玉県(16万4182人)を含めた上位5都府県で53.84%と半数超を占めている。

日本人は、前年に比べて37万4055人減っており、住民基本台帳制度が創設された1968年以降で最大の落ち込みとなった。少子高齢化による人口減少は鮮明だ。

日本人をターゲットとする市場は縮小しており、住宅・不動産業界に与えるネガティブインパクトは大きい。

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賃貸住宅のオーナーにとって入居者の選り好みができる状態ではない。足もとで人口流入が続いている東京では実感しづらいとの声が聞こえてきそうだが、今後は人口減少に伴う都市部の空き家化も急速に進む。満室稼働を続けるには、高齢者とともに外国人に照準を当てる必要がある。

収益物件の販売・管理を展開する日本財託グループ(東京都新宿区)は、留学生の日本での就職支援を行うASIA Link(東京都小平市)と提携しており、留学生の日本での就職率を引き上げるとともに自社管理物件の将来の入居者の確保につなげている。グループの管理物件には約1800人の留学生が入居し、その入居者を対象に就職支援セミナーなども提供する。

武蔵コーポレーション(さいたま市)は、駅徒歩30分の空室100%のアパート21戸を外国人向けに営業して満室稼働にした実績を持つ。住まい探しに苦労する外国人のニーズを取り込んで成功した例である。

外国人・留学生ニーズに特化した不動産仲介会社も目立ち始めている。あすみらい(東京・代々木)は、ネイティブのスタッフを抱えて英語・中国語・韓国語・ネパール語・ベトナム語・スペイン語に対応する。同社では、「アパート・マンションの空室に悩んでいるオーナーに外国人の受け入れの検討をしてみてはどうだろう」とアドバイスする。

企業や留学エージェント、日本の大学向け予備校など独自ルートにより集客し、契約から入居手続き、入居中のサポートまで手掛ける。

賃料保証プランを提供するほか、賃貸経営がわずらわしいとするオーナー向けに集金管理から入居中のクレーム、設備故障時の対応、退室清算まで代行することでオーナーの賃貸経営リスクを軽減するという。

ただ、外国人需要とひと口に言っても様々である。生活様式や考え方はそれぞれ。例えば華僑系の住まい選びは、「家からお墓が見える場所は絶対に選ばない」(台湾人)。

ほかに「事故物件であったけれども賃料が相場より割安だったので気にせず入居を決めた」(マレーシア人)や「日当たりはあまり気にならない」といった声は欧米人に多い。

在留外国人総数上位30 1
出所:法務省

法務省の2017年12月時点の在留外国人(在留目的)のデータを見ると、アジア圏が213万131人、ヨーロッパが7万5704人、アフリカが1万5939人、北米が7万1053人、南米が25万3663人、オセアニアが1万4725人、無国籍が633人となっている。

アジア圏が圧倒的に多い。その在留資格を見ると、特別永住者や永住者、定住者、日本人の配偶者等を除き、留学(29万2737人)、技術・人文知識・国際業務(16万2573人)、技能実習(26万4745人)などの数が多い。高度専門職は6258人にとどまっている。

賃貸オーナーにとっては、同じ外国人でも?品行方正な人?に入居してもらいたいところ。ただ、一般的に品行方正と思われている在留資格者は少ない。

高度専門職とは、外国人が研究分野など日本で活動する場合に、学歴・職歴・年収などの項目ごとにポイントを設け、一定の点数(70点)に達すると出入国管理上の優遇措置を与える在留資格である。

経営・管理(2万1597人)は、文字通り会社経営者などの在留資格。南米出身者に多い中古車輸出入業を営んでいる人や翻訳・通訳の仕事を法人化している人などもそうだ。

在留資格は細分化され、すべてを優良在留者と言うのは難しいのが実態だ。東京入国管理局の元職員は次のように指摘する。

「偽装結婚により永住資格を得ようとする。審査書類の写真は、どこかに旅行に行った家族写真を貼ってあったりする。提出する書類の不備も多い。永住権の申請で不合格になると、その説明に納得できず感情的に怒鳴り込みに来る人は少なくない。

提出書類の偽造など不正の疑いが晴れない場合は、在留者の実調(=ジッチョウ、実態調査)で現地に向かったり、不法滞在で警察と共同摘発に動くこともままある」。

技術・人文知識・国際業務は、英会話など語学学校の先生や翻訳・通訳、塾の先生、企業内で専門性の高い仕事に就くスペシャリストなどに与えられる在留資格だが、

「蓋を開けてみると、そうした業務に相当していない配置をたびたび確認できた。例えば建設業界で、申請したキャドシステムの専門家ではなく、工場ラインで単純労働をやらされたりしていた」

などとも指摘する。

最近の不動産業界では、顧客と対面することなくIT技術を使いオンラインによって重要事項説明を行ったり、バーチャル内見・遠隔内見などが話題となっている。しかし、このような元入管職員の話を聞くと、オーナーとしては入居者の質が滞納などのトラブルに繋がるだけに、入居希望者との対面はやはり不可欠なのかもしれない。

物件の立地や融資戦略、出口まで見据えたシミュレーションは勿論重要だが、入居者の属性を見極める力がオーナー(或いは管理会社)には必要だ。それが結局キャッシュフローに影響を与える。これは、なにも外国人に限ったことではないが……。

健美家編集部







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