実は身近なBS 4K。開始まで半年「新4K8K衛星放送」の注意点 – AV Watch

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新4K8K衛星放送とは?

 2018年12月1日、「新4K8K衛星放送」(BS/110度CS 4K8K放送)がスタートする。すでに東芝がBS 4Kチューナ内蔵テレビを発表しているほか、各社がBS 4Kチューナ発売を予告しているなど、対応製品が登場している。さらに、NHKもBS 4K放送の「ピュア4K率90%」を掲げるなど、4K放送のスタートに向けて準備は着々と進んでいるように見える。

 4K放送は、124/128度CS放送を使った「スカパー! 4K」が’15年3月から展開中なので、これが初というわけではない。しかし、スカパー! 4Kが有料契約者向けのサービスだったのに対し、新4K8K衛星放送は、BS/110度CS衛星を使い、「実用放送」として展開。NHKや民放キー局も参加する。

 NHKと主要民放、さらにQVCなどのショッピングチャンネルや有料のスカパー!、WOWOWなども参入予定で、いまのBSデジタル放送の拡張版、上位版ともいえる。民放キー局系の無料チャンネルも多く、より多くの視聴者が4K放送に触れることになるのは間違いない。まもなく、本格的な4K放送が始まるはずだ。

 一部の放送局が前のめりなだけでなく、テレビメーカーもかなり本気で、各社が12月の放送開始に向けて、対応テレビやチューナを投入予定。これからのテレビや周辺機器は、「4K放送対応」に注目が集まっていくはずだ。

東芝のBS/110度CS 4K放送対応有機ELテレビ「REGZA X920」

 そして4Kを超える「8K」の放送も同時にスタートする。チャンネルは「NHK SHV 8K」の1チャンネルだが、世界に先駆けて8K放送が始まることとなる。12月に衛星放送の新しい時代が始まる。

 一方で弊誌で何度かお伝えしているように、新4K/8K放送の全チャンネルを見るためにはアンテナの交換が必要になるなど、いくつかの注意点もある。しかし、少なくとも主要チャンネルを見るだけであれば、テレビを買ってBSアンテナ線につなぐだけで使える、ということも分かってきた。

 開始まで約半年。夏商戦向けのテレビが出揃ったこともあり、新4K8K衛星放送に向けた注意点をまとめた。なお4K/8K衛星放送の開始後も、現在のBS/110度CSデジタル放送は引き続き提供される。

12月にBS/CS 4Kが一気にスタート。8Kに重心のNHK

 新4K8K衛星放送のメリットはシンプル。

「画質が良くなり、臨場感が上がる」

 解像度はフルHDの4倍の「4K」、16倍の「8K」に向上し、「高精細」になる。加えて、「広色域」、「画像の高速表示」、「多階調」、「HDR」など、あらゆる面で画質向上が期待される。そしてその高画質を、広く普及したBS/110度CS経由で簡単に視聴できるようになるのが、新4K/8K衛星放送だ。

高画質が4K/8K放送の特徴(出典:総務省)

 放送開始は2018年12月1日。12月には、16の4Kチャンネルと1つの8K(8K SHV)チャンネルがスタート。BS右旋で5チャンネル、BS左旋で4チャンネル、110度CSで8チャンネルが展開される。

【BS右旋】
・BS朝日
・BSジャパン
・NHK SHV 4K
・BS-TBS 4K
・BSフジ

【BS左旋】
・ショップチャンネル
・QVC
・映画エンタテインメントチャンネル
・NHK SHV 8K

【110度CS(実用放送)】
・スカチャン4K 1-8チャンネル

 さらに、2019年12月にBS右旋でBS日テレがスタート。2020年12月には左旋BSでWOWOWが4K放送を開始予定だ。

 注目はBS右旋、左旋の違い。詳しくは後述するが、BS右旋は、既存のBS放送アンテナや室内配線を変更せずにも視聴できるチャンネル、BS左旋および110度CSは、対応アンテナが必要となる。

 つまり、BS 4K右旋で放送されるBS朝日、BSジャパン、NHK SHV 4K、BS-TBS 4K、BSフジ、BS日テレ(2019年12月開始)の6チャンネルは、これまでのBSアンテナで視聴できる。NHK SHV 8Kやその他チャンネルについては、アンテナや配線の変更が必要となる。

 右旋チャンネルだけ見るのであれば、対応テレビに繋ぐだけで視聴可能。フル対応はアンテナや配線の変更が必要、とおぼえておきたい。BS/CS 4K放送を推進するA-PAB(放送サービス高度化推進協会)のページでも、色分けして紹介しているので参考にして欲しい。

 気になるのは番組(コンテンツ)。高精細な4K/8K放送が始まったとしても、放送がHDからのアップコンバートばかりでは、魅力は感じられないかもしれない。

 だが、少なくともNHKはかなり本気だ。

 BS 4K(BS右旋)は「スーパーハイビジョンの入り口」と位置づけて、幅広いジャンルの番組を編成。放送は毎日6~24時までで、「ピュア4K率90%」を目標にしている。スポーツを柔軟に編成するほか、8Kへの誘導を図る「8Kベストウィンドー」を平日夜間に展開し、8Kの魅力も訴求。日曜は大河ドラマや特集番組などを編成する。「ほとんど4K」という番組編成になりそうだ。

NHKの4K/8K編成(出展:NHK)

平成30年以降の4K/8Kチャンネル 編成イメージ(出展:NHK)

 NSK BS 8K(BS左旋)は、8Kならではの「未知の映像体験」を掲げ、放送は10時~22時10分。「ピュア8K率60%」を目指している。「世界一の画質と音響を堪能できる、最高品質のチャンネル」とし、8Kクオリティの新作を日曜ゴールデンタイムに集中編成。大型スポーツを強化しており、2020年東京五輪では、1日8時間の8K生放送を可能とする設備を整備するという。

 民放は6月以降に、番組に関する情報が出てきそう。すでに4K番組制作のノウハウを積んでいる局が多く、魅力的な4K番組を期待できそうだ。

 なお、上記のチャンネルのうち、110度CS 4Kのスカチャン4Kの8チャンネルと、東北新社メディアサービス、WOWOWの計10チャンネルは有料放送となる。

新4K/8K放送対応機器は? 続々登場の4K、シャープが注力する8K

 新放送の正式名称は、「新4K8K衛星放送」だが、BS 4K、BS 8K、110度CS 4Kの3つの放送がある。BS 8K対応機器は上記3波全対応となると思われるが、当面は4Kチューナ(BS/110度CS 4Kチューナ)対応機器が多くなるはずだ。

 BS/110度CS 4Kの場合、必要なのは対応アンテナと対応チューナ、対応テレビ。テレビにBS 4K対応チューナを内蔵している場合は、アンテナとテレビがあればよい。またチューナとテレビはHDMIケーブルで接続する必要があるが、テレビ側のHDMI入力端子がHDCP 2.2(著作権保護技術)と4K/60Hz入力に対応している必要がある。2016年以降の大手メーカー製4Kテレビであれば、ほとんどの製品が対応しているはずだ。

 BS/110度CS 4Kについては対応チューナを内蔵したテレビやチューナが発表済み。東芝は6月6日から「REGZA M520X」を発売し、その後「BM620X」を6月下旬に、有機ELテレビの「X920」も7月下旬に発売予定だ。

REGZA M520Xシリーズ

 他社はまだチューナ内蔵テレビを出していないが、東芝と、ソニーとパナソニックはBS 4Kチューナを年内発売予定。その他にもピクセラが10月にチューナを発売予定など、チューナ選びに困ることはなさそうだ。

ピクセラ「PIX-SMB400」

 東芝が発表したBS/110度CS 4Kチューナ「TT-4K100」は、USB HDDへの録画に対応。さらに、フルHDテレビへのダウンコンバート出力にも対応するなど、BS 4Kを視聴可能な環境は相当充実しそうだ。

東芝のBS 4Kチューナ「TT-4K100」

 一方の8Kテレビはどうだろうか?

 BS 8Kの対応製品はまだ発表されていないが、4Kと同様に、8Kチューナ内蔵のテレビもしくはチューナと8Kテレビの組み合わせが必要だ。また、8K放送の「NHK SHV 8K」は、BS左旋で展開されるため、アンテナや室内配線の対応も必要となる。

 まだ正式な製品発表は行なわれていないものの、確実に他社に先行すると思われるのがシャープ。既に8Kテレビ(チューナは2K)「AQUOS 8K LC-70X500」を発売しているなど、以前から8Kに力を入れ、中期経営計画でも「8Kエコシステムの構築」を掲げているなど、8Kに前のめりだ。

 5月16日には、新4K/8K放送(BS 4K/8K)チューナ内蔵テレビとともに、BS 4K、BS 8Kのチューナを放送開始に先駆けて発売すると表明。80型、70型、60型の8Kテレビや8Kチューナなど、豊富なラインナップで8K展開する計画を明らかにした。気になる価格は、「60型のチューナ無しモデルで、50万円程度」、「8Kチューナは20万円を切りたい」とのことなので、8K対応は合計約70万円からスタートしそうだ。

 「8K放送対応一番乗り」はおそらくシャープになるだろう。逆に言えば、現時点ではシャープ以外のメーカーはそれほど8Kに積極的には見えず、BS 4Kの立ち上げに注力しているようだ。

 なお、テレビリモコンでの選局は、リモコンに専用の[BS/CS 4K]ボタンを用意。ここで放送波を切り替えて、チャンネルを選択する。他社製品もおそらく同じような形になると思われる。

4Kボタンで、BS 4Kに切り替える

 新4K/8K放送は録画も可能で、多くの局ではダビング10など、現行BS放送相当のコピー制御での運用が見込まれる。ただし、現時点ではBDなどの光ディスクへのダビングに対応した製品はない。

BS・110度CSによる4K・8K放送を視聴するために(2)

左旋チャンネルなど「フル対応」に課題も

 新4K/8K衛星放送で注意したい点は、現行のBS/110度CS放送と同様に衛星からの「右旋円偏波」(衛星から見て時計回りに回転する)で伝送される方式に加え、「左旋円偏波」(反時計回り)での伝送も新たに開始されること。

 右旋のチャンネルであれば、基本的にこれまでのアンテナや室内配線で視聴可能なはずだが、左旋のチャンネルの視聴には、アンテナや室内配線の変更が必要になるのだ。

左旋対応のためにはアンテナや室内配線などが3,224MHz対応の必要

 右旋(これまでのアンテナ)で視聴できるのは、BS朝日、BSジャパン、NHK SHV 4K、BS-TBS 4K、BSフジ、BS日テレ(2019年12月開始)の6チャンネルだ。

 左旋のチャンネルは、8KのNHK SHV 8Kと、ショップチャンネル、QVC、映画エンタテインメントチャンネル(東北新社)、WOWOW(2020年12月開始)と、110度CS 4Kのスカチャン1-8の合計13チャンネルだ。

右旋・左旋の放送事業者(出典:総務省)

 左旋チャンネルの視聴には、「SHマーク」を取得したアンテナと、分波器や分配器、ブースター、ケーブルなどの室内配線の対応が必要。マンションなどの集合住宅では、共同受信設備における左旋対応も必要となる。こうした場合は、個人の一存で導入できず、管理組合や管理会社との相談が必要となる。このあたりを鑑みると新4K/8K衛星放送の「フル対応」は、ややハードルが高い、と言える。

新4K/8K衛星放送対応のアンテナ。パナソニック「TA-BCS45U1」

 しかし、NHK SHV 4Kと主要民放BSは4Kですぐに見られる、というのは重要なポイントだ。つまり、既存のBS/110度CSど同じくBSアンテナ線につなぐだけで、6チャンネルは楽しめるので、必要に応じて左旋に順次対応していく、というのも一つの考え方だ。アンテナ等の準備ができていなくても、BS 4K対応テレビの導入をためらう必要はない。

BS・110度CSによる4K・8K放送を適切に受信するために

 なおケーブルテレビ各局でも、新4K8K衛星放送が視聴できるよう準備を進めているとのことだ。

案外身近なBS 4K。ついに始まる8K

 12月に向けて、4K/8K放送の受信方法や対応製品の情報は揃ってきた。特に4Kについては、多くのメーカーからチューナやテレビなどが発売されるなど、この秋冬以降のテレビの大きなトレンドになってくだろう。

 繰り返しになるが、4K/8K放送対応には2段階ある。

・BS右旋の6チャンネルは、これまでのBS同様にすぐに見られる
・フル対応には、アンテナや室内配線の対応が必要

 少なくともBS 4K(右旋)に限ればハードルは低いので、積極的に導入を検討してもよいだろう。例えば、東芝REGZA「43M520X」は43型で13万円前後、50型でも16万円前後と、4K/HDRテレビとしてはリーズナブルな価格でスタートする。特にいまもBSをよく見ている、という人にとっては、テレビ選びの際の重要なチェックポイントになるはずだ。

 スカパー!やWOWOWなど目当てのチャンネルがある人は、左旋対応も含めて、積極的な導入を検討してほしい。もっともこの辺りを判断するには、もう少しコンテンツの情報がそろってからになるだろう。

 8Kはまだサイズも大きく、高価という状況はしばらく続きそうだが、東京五輪に向けて、最新・最高の高画質のための放送/テレビとして準備が進んでいくだろう。

 数年前から4Kテレビは「当たり前」のものになってきたが、その状況にいよいよ放送も追いついてきた。新たな高画質放送がスタートする12月に向け、準備を進めておこう。





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