パワーカップル マンション厳冬市場の熱源 – 日本経済新聞

Home » 04住宅・建設投資 » パワーカップル マンション厳冬市場の熱源 – 日本経済新聞
04住宅・建設投資, マンション発売戸数 コメントはまだありません



 3年連続の供給戸数4万戸割れ――。不動産経済研究所(東京・新宿)がまとめた2018年の首都圏新築マンション供給戸数予想は寂しい内容だ。ただ、市場の冷え込みも何のその、ポンポンと買っていく人たちもいる。「パワーカップル」と呼ばれる、夫婦共働きの実力世帯だ。

東急不動産の高級マンション「ブランズ六番町」

東急不動産の高級マンション「ブランズ六番町」

 東京都千代田区の高級住宅街、番町。東急不動産が「常識破り」の物件を近く投入する。「ブランズ六番町」。売り出す戸数は39戸だ。最低価格は1億4千万円、最高価格は5億円台にもなる。

オール億ション

 「株価が26年ぶりの高水準にあり、富裕層には資産効果が表れている」(佐藤知之・住宅事業ユニット販売統括部長)。それでもすべて「億ション」というのは驚きだ。

 セオリー(定説)に従うなら、億ションは全体戸数の2~3割というのが相場。残りは1億円未満に抑える。「様々な所得層を取り込める価格帯に設定して販売期間の短縮を狙うのが通例だ」(不動産コンサルティング会社、トータルブレインの久光龍彦社長)

 だが、東急不動産は強気の姿勢を崩さない。「東京の希少性の高い立地ならこの水準でもまだ安い」と佐藤統括部長。実際「ブランズ六番町」は2月の売り出しを前に反応は上々。17年に会員向けに限定した販売した分のうち、すでに半分は契約済みとなった。

 東急不動産は今後も年に1件は、こうした物件を投入する計画だ。都心物件の販売チームの人員を17年度から増員し、高級物件を中心に販売を強化していくという。

 冷え込む市場、攻めるデベロッパー(マンション開発会社)――。違和感のある組み合わせだ。いったいデベロッパーは何を攻めるのか。

 標的はパワーカップルだ。この層をうまく引き込めれば、冷え込みが厳しくても物件は確実に売れる。

 パワーカップルの大まかな定義は「購買力のある共働き夫婦」(ニッセイ基礎研究所の久我尚子・主任研究員)。世帯年収については「1000万円以上」、「2000万円以上」と諸説あるが、久我氏は2人とも年収が700万円超の夫婦をパワーカップルとする。いずれにしても、マンション市場で主導権を握っているのは、2人ともフルタイムで働く夫婦だ。

 パワーカップルの最大の強みは資金力だ。代わりに不足しているのが時間だ。しかも、子どもはいないか、いても1人であることが多い。だから住環境よりも利便性を重視する。

 「最寄り駅まで徒歩8分以内、(オフィス街の)東京駅や大手町駅まで乗り換えなしで15~30分」(トータルブレインの久光社長)。これが首都圏のパワーカップルが好む物件の最大公約数的条件だ。価格は二の次。だから、いい物だと判断すれば迷わずに買う。

 ついにここまで来たか――。パワーカップルの実力に三菱地所レジデンスの担当者が驚いた。

 17年秋に発売した都心の駅近物件(販売戸数70戸程度)の購入者リストには「ペアローン比率30%」の数字が記されている。夫婦が個別に住宅ローンを組み、これを合算してマンションを購入した世帯の割合が3割に達したのだ。インターネットで手続きして直接資金調達した人たちを含めると4割近くがペアローンによる購入者だと想定される。このペアローンこそパワーカップルの最大の武器だ。





コメントを残す