「老後に備えるためのマンション投資」……そのメリットとリスクは … – HOME’S PRESS(ホームズプレス)

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いまや「一部の富裕層のもの」ではなくなったマンション投資

▲賃貸マンションニーズの高い東京都心部では、特にシングル向けのコンパクトマンションの不動産投資がさかんにおこなわれている▲賃貸マンションニーズの高い東京都心部では、特にシングル向けのコンパクトマンションの不動産投資がさかんにおこなわれている

不動産投資やマンション投資と聞くと、“金銭に余裕のある一部の富裕層がやっているもの”というイメージをお持ちの方も多いのではないだろうか。

しかし、近年は“一部の富裕層”に限られたことではなく、ごく一般的なサラリーマンの若者が、将来の年金制度や老後生活への不安をきっかけにして個人投資家となり、マンション投資を行うケースが増えているという。

そこで今回のレポートでは、いったいどのような人たちが『マンション投資』を行っていて、そこにはどのようなメリットやリスクがあるのかを、個人投資家と弁護士に取材した。

ケース①29歳・5物件を所有する南谷さんの場合

▲昨年転職し、現在は保険会社に勤務している南谷優一郎さん。「サラリーマンとしての信用力をMAXで利用しようと思い、転職を決めたあとで2物件を追加契約しました。投資用物件を購入する際、必ず僕がチェックするのは①不動産投資会社の信頼性 ②管理 ③ハザードマップ ④周辺の生活施設の利便性ですね」(南谷さん)▲昨年転職し、現在は保険会社に勤務している南谷優一郎さん。「サラリーマンとしての信用力をMAXで利用しようと思い、転職を決めたあとで2物件を追加契約しました。投資用物件を購入する際、必ず僕がチェックするのは①不動産投資会社の信頼性 ②管理 ③ハザードマップ ④周辺の生活施設の利便性ですね」(南谷さん)

「僕がマンション投資をはじめたのは入社2年目の25歳のとき。当時は情報システム関連の会社に勤務していて、年収は600万円ぐらいでした。

会社には不動産に限らずいろんな投資の勧誘電話がしょっちゅうかかってきていたので、たまたま時間があったときに「話だけでも聞いてみようかな?」と思ったのがきっかけでしたね。特に投資に関心があったわけではなく、先輩から勧められたわけでもなく、最初は好奇心からでした」

現在29歳の南谷優一郎さんは、東京都内で5物件のマンション投資をおこなう個人投資家で、25歳のときに中古ワンルームを2部屋、27歳のときに新築ワンルームを1部屋、29歳になってからさらに2部屋の新築ワンルームを購入したという。いずれも東京23区内の都心に近い物件だ。

「年金に関するニュースなどを見ながらぼんやりと、“僕らの老後なんて保証がないんだろうな”という不安感を持っていたのですが、営業の方の話を聞いてみてなんとなく不動産投資の仕組みが理解できたので、そういうことなら老後に備えてやってみようかなと思いはじめました」

マンション投資を行う場合、多くのケースではまず2000万円~3000万円程度のアパートローン(投資用ローン)を組む。このアパートローンは住宅ローンよりも金利はやや高めだが、住宅ローン同様に万一契約者が死亡した場合は生命保険で残債を完済する団体信用生命保険に加入することができる。

ローンの支払い期間は契約者の年齢によっても異なるが、主流は35年。その間、サブリース(家賃保証)が行われていれば不動産投資会社を通じて管理手数料を除いた家賃が契約者の口座に振り込まれるため、それをローンの返済に充てる。利回りとしては中古ワンルームで約5~7%、新築ワンルームで約3~4%となるが、家賃という名の不労所得を得ることが目的ではなく、減価償却費や管理費、ローン金利分などを経費として計上することで『節税効果』が期待できる点が最大のメリットなのだという。

「僕の場合は、毎月の利益としては4万円ぐらい。でも、その利益分の一部を奨学金の返済に充てているので、今現在はプラスマイナスゼロという感じです。ただし、確定申告をすると所得税の還付として毎年30万円ぐらいが戻ってくるので、住民税の軽減にもつながっています。

マンション投資のメリットとして僕が考えているのは『節税』と『老後資金』、そして『家族への保険代わり』です。実は、投資をはじめた当初は『節税』に対するプライオリティが最も高かったのですが、昨年結婚して家庭を持ってからは、“万一自分に何かあった時に、家賃収入によって家族の生活を防衛することができるんだな”という保険的なメリットを実感するようになりました。うちの奥さんは、投資用マンションの仕組みのことはよくわかってないようですが(笑)」

ケース②42歳・2物件を所有する井田さんの場合

▲生保会社から独立し、現在は保険代理店を経営している井田英彰さん。「僕が友人に不動産投資を勧めるときは、『管理と立地を買え!』とアドバイスしています。特に管理が行き届いていない物件は空室率が高くなり、結果として資産性の低下につながります。管理は意外に見えにくい部分なので、自分が依頼する不動産投資会社が扱っている他の物件の管理状態をチェックするなど、事前にリサーチしておくことが大切だと思います」▲生保会社から独立し、現在は保険代理店を経営している井田英彰さん。「僕が友人に不動産投資を勧めるときは、『管理と立地を買え!』とアドバイスしています。特に管理が行き届いていない物件は空室率が高くなり、結果として資産性の低下につながります。管理は意外に見えにくい部分なので、自分が依頼する不動産投資会社が扱っている他の物件の管理状態をチェックするなど、事前にリサーチしておくことが大切だと思います」

「もっと若いときに、早めにマンション投資をはじめておけばよかったと後悔しています。自分が33歳のときに今の知識を持っていれば、あと2室・3室ぐらい増やしていたでしょうね…」

現在42歳の井田英彰さんは、生命保険会社に勤務していた33歳の頃にマンション投資をスタートした。当時の年収は約720万円。東京都内に新築ワンルームマンションを購入したのが最初の不動産投資だった。

「当時の勤務先が保険会社ということもあって、まわりで投資をやっている人が多かったんですね。僕がマンション投資に興味を持ったのは当時の上司の紹介がきっかけ。2000万円ぐらいのローンを組むことになったんですが、“こんな借金しても本当に良いのかな?”とちょっと不安になっていたら、うちの妻が物件を見て“これならいいんじゃない?”と背中を押してくれました。それで決断したんです」

33歳で約20m2のワンルームを購入し、40歳のときに2物件目となる約40m2の1LDKを購入。管理手数料等が引かれて毎月約22万円が口座に入ってくるが、その金額をローンに充当している。収益や利回りについてはまったく気にしたことはなく、「知らないうちに口座にお金が入り、知らないうちにまた出て行くだけ」だという。

「投資用マンションを所有していることを思い出すのは、固定資産税を払う時期と確定申告を行う時期だけですね(笑)。“毎月これだけの利益があります”ということではなく、どちらかというと老後へ備えている感じ。1LDKについては、いずれ自分が住むためのマンションを確保していることになりますし、ワンルームのほうは、自分の老後資金になるものだと考えています」

井田さんは4人家族だが、持ち家ではなく賃貸マンションに暮らし続けている。「そもそも転勤族だったので、“自宅用のマンションを買う”という発想がありませんでした。しかし都心・駅近で夫婦2人で住める物件なら、老後になったときに価値があると思いました」

今回取材をして驚いたのは、南谷さんも井田さんも、複数のアパートローンを組んで、複数の投資用物件を所有していること。実は、アパートローンの場合、返済に滞りがなく不動産の運用実績が証明されれば、それが信用評価につながるため複数のローンを組むことが可能なのだという。また、「投資用ではなく自分で暮らすためのマンションが欲しい」と考え、住宅ローンを申し込む場合にも、サブリース(家賃保証)に関する証明書類を提出すればアパートローン借入額は『その他借り入れ=負債』とはみなされず、住宅ローン審査が通るケースも多いそうだ。
※ただし、金融機関によって審査基準が異なります。

「僕にとって『マンション』というのはマイホームではなく、あくまでも『資産』としての空間であり、これからの人生を豊かに育ててくれるもの。不動産という形で家族に財産を残してあげることができるということは、『家族への保険』としての意味合いにもつながりますから」

一方で投資詐欺や解約に関する相談も急増中!『良し悪しの見極め』が肝心

▲『マンション投資被害弁護団』のコンコード法律事務所・金子愛弁護士。「そもそも悪徳業者は勧誘からまでの間、法律で求められているきちんとした手順を踏んでいないことが多いため、不十分な説明によって誤解を生じさせることもあります。投資家自身も安易に説明を受け入れるのではなく、対象物件を確認しに行ったり、近隣の不動産市況を調べるなどしっかり学ぶ必要があると思います。その上で信頼できるパートナーを見つけることも大事ですし、疑問に思ったら直ぐに専門の弁護士に相談することも大事なことですね」▲『マンション投資被害弁護団』のコンコード法律事務所・金子愛弁護士。「そもそも悪徳業者は勧誘からまでの間、法律で求められているきちんとした手順を踏んでいないことが多いため、不十分な説明によって誤解を生じさせることもあります。投資家自身も安易に説明を受け入れるのではなく、対象物件を確認しに行ったり、近隣の不動産市況を調べるなどしっかり学ぶ必要があると思います。その上で信頼できるパートナーを見つけることも大事ですし、疑問に思ったら直ぐに専門の弁護士に相談することも大事なことですね」

南谷さんや井田さんのお話を聞いていたら、筆者もつい「わたしもマンション投資をはじめてみようか…」と思ってしまったのだが、お二人のように健全な投資を続ける人がいる一方で、詐欺まがいの強引なセールスを受け、法律事務所に相談に訪れる人も増えているという。

「相談内容で圧倒的に多いのは『事前の説明と違うので、契約をなかったことにできないか?』というもの。次に『買う約束をさせられて無理矢理アポを入れられてしまったが、契約したくない』という相談です」

コンコード法律事務所の金子愛弁護士は、マンション投資に関する相談件数の増加を受けて弁護士仲間と共に『マンション投資被害弁護団』を立ち上げた。

「“現状よりもより良い生活を送れること”を謳い文句にした勧誘電話をきっかけに、一件購入すればまた1件…と複数の物件を契約させられて、結局は何の節税対策にもならず、むしろ大赤字になって多重・高額な債務者に陥ってしまうこともあります。特に、一般的な給与所得者(サラリーマン)の場合には、破産を検討しなければならないほどの莫大な債務を抱えてしまうケースもあるのです。

解決策としては、まず1件目の契約に至った経緯・契約内容・契約後のやりとりを確認し、2件目以降についてもあらゆる事情を把握します。少なくとも悪徳な会社の場合は、その過程において何らかの問題点があることがほとんどですから、不動産業者や融資機関等に対し契約の法的有効性について争う旨を伝えます。場合によっては民事訴訟の手段を用いて契約の解消を目指すこともあります。当然、行政機関等に対しても不動産業者に対する行政処分等の発動を促します」

悪徳会社とそうでない会社の『見分け方』はあるのだろうか?

「勧誘の際に“絶対に儲かる・空室のリスクはない・利回りが○○%以上”などと確実に儲かるような説明をするところは疑ってかかった方がいいでしょう。また、断ろうとしたときに“損をしますよ”とか“契約してくれないと帰りません”などと強引なセールスをおこなう会社は、マンション投資家を増やして市場を活性化させる目的ではなく、単に営業ノルマを果たすだけが目的なので疑わしいところが多いですね。

また、悪徳な会社の場合は証拠が残ることを極度に警戒するため、メールの問い合わせに電話で答える、メモや資料は見せるだけで渡さずに持ち帰るなどの不審な対応も、良し悪しを見分けるポイントになります。その他、宅地建物取引免許の更新回数も(これは絶対ではありませんが)会社の実績として1つの目安にはなるかと思います。

仕組みやリスク等についてきちんと説明してくれるか?疑問に対してきちんとした回答を示してくれるか?これらをポイントにして見分けてみると良いでしょう。また、不動産投資に興味を持ったとしても1社だけの情報を参考にせず、同業他社の説明を聞いてみるのも良いと思います」

毎月入金される家賃を使い切ってしまうような人は投資に向いていない!

▲不動産投資会社グローバル・リンク・マネジメント営業本部の小川勇さんと加藤恵理奈さん▲不動産投資会社グローバル・リンク・マネジメント営業本部の小川勇さんと加藤恵理奈さん

では、投資用のマンション物件を取り扱う会社は、どのような人に不動産投資を勧めているのだろうか?会員制不動産投資会社の『グローバル・リンク・マネジメント』(本社:東京都渋谷区)の営業担当者に話を聞いた。

「マンション投資のベストなタイミングは会社へ入って2年目・3年目ぐらい。私が担当しているお客様の年齢層は25歳~47歳ぐらいです。もちろん、相続税対策などで不動産投資をはじめる50代以降のお客様もいらっしゃいますが、35年間のローンを組むことを前提にしているので、定年前に完済することを考えると、20代後半~30歳ぐらいまでの方が最も『節税』『年金・保険代わり』『資産の形成』というメリットを感じていただけるのではないかと考えています。

リスクについてはいろいろな考え方があると思いますが、多くのお客様が懸念されるのは“ご自身で想定していた以上の出費が発生してしまうこと”。例えば、経年による設備更新費用や、消費税増税を受けての管理費・大規模修繕費の高騰、そして、万一の自然災害などの局面にどのような傾向で追加の出費が想定されるか?ということを、弊社では必ずご説明するようにしています。

20年目と40年目の大規模修繕では必要になる予算がまったく異なりますし、築年数が経過すれば当然ですが新築と比べて家賃相場が下がることも想定しておかなくてはいけません。そうしたリスクについて“お客様が知らなかった”というのが一番良くないこと。リスクに関してきっちりと説明してくれる不動産投資会社かどうか?で、その会社の信頼性が見極められるのではないかと思います」(加藤恵理奈さん)

最後に、営業担当者から見て“マンション投資に向いている人・いない人”の違いについても聞いてみた。

「私はこの仕事に携わって9年目になりますが、不動産投資に向いているお客様は、常に何事にも前向きでポジティブな方が多いですね。不動産投資については様々な情報が巷に溢れていて中にはネガティブな情報も含まれますから、自分で情報分析を行えず後ろ向きにとらえてしまう方だと決断力に欠けるため“向いていない”ということになるかもしれません。

また、多くの方が約1万円ほどのご負担で運用されていますが、その金額は管理費・修繕費になりますので、将来の大規模修繕等に備えたいわば“積立金”です。つまりその物件の資産価値を保つために必要なお金になります。銀行さんへのお支払いが9~10万円、家賃収入も同等なので、実質のところ支払額は相殺されているのです。お客様にはいつも、家賃収入を定期預金感覚で積み立てていただくようにアドバイスをしているのですが、毎月口座へ入ってきたお金をすぐに使いきってしまうような方にはオススメできませんね(笑)」(小川勇さん)

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金子弁護士によると「本気で投資を始めるのであれば、“リスクのない投資はあり得ない”ことを自覚することが大前提」だと言う。

『パートナーとしてお付き合いをする会社』『投資したい物件の市場価値とリスク』そして『自分自身のライフプランや性格』などもじっくりと考慮した上で、まずは基本的な知識を集積することが健全なマンション投資のスタートラインになるようだ。

■取材協力/株式会社グローバル・リンク・マネジメント
https://www.global-link-m.com/

■取材協力/マンション投資被害弁護団
http://www.mansion-higai.com/

2017年 04月05日 11時05分





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