新社長 ・大鉄工業 荻野 浩平氏/線路の強み生かす – 日刊建設通信新聞 (会員登録)

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 3月から大鉄工業の社長に就いた荻野浩平氏。親会社である西日本旅客鉄道(JR西日本)出身だが、「親会社(の仕事)だけでは生き残れない」と厳しいスタンスで臨む。「具体的な目標はこれから決める」としながらも「線路の強みを生かし、何ができるかを考えたい」と話す。鉄道工事で培ってきた技術力や提案力を生かした展開を模索する荻野社長に、抱負や取り組みの方向性などを聞いた。--就任の抱負を
 「JR西日本グループの中で最も売上規模の大きな企業の舵(かじ)取りを任せられたことに重責を感じている。業務のメインである鉄道工事が、危険と隣り合わせであることを踏まえ、常に緊張感をもって、万事に安全第一の精神で取り組むつもりだ」
--現状について
 「JR西日本発注の工事が売り上げの約7割近くを占め、会社の構造上、安定した受注が確保できるという利点がある。そのためか会社の気風としては安定指向で、社員も新たなことに挑戦する気概に欠けるように映る。鉄道工事だけでは生き残れないという危機意識をもって臨む必要があると感じている」
--当面の目標は
 「西川直輝前社長(現相談役)から引き継いだ『技術で挑む』『ひとつの大鉄で挑む』『失敗から学ぶ』という3つの行動指針に基づいて展開を図る」
 「まずは鉄道工事を中心に培ってきた技術力を最大限に生かしていきたい。土木分野の例でいうと、大阪府から受注した大和川線のシールド工事では径12mの大口径シールドという新たな実績を残すことができた。今後もこうしたシールド工事を始め、トンネル工事などの分野で実績を積み重ねていく」
 「建築工事はノウハウが必要で、そのためには施工の経験値をもっと積み上げる必要があると考えている。実績のある病院や共同住宅が中心になるとは思うが、積極的に取り組む」
--課題は
 「数々の壁を乗り越えなくてはならないが、社内の壁を取り払っていくことも大事。当社は現在、生産部門として『線路本部』『土木本部』『建築本部』の3本部体制を敷いているが、たとえ同じ現場であってもここは線路工事、ここは土木、ここは建築と工種ごとに現場を分割するのが普通だ。2017年1月に完成した信楽高原鉄道(滋賀県)の検修庫増設工事では線路と土木、建築の指揮系統を一本化し、重複する作業内容を減らすといった利点も確認できた。行動指針に盛り込んだ『ひとつの大鉄で挑む』取り組みのモデルでもある。工事規模を勘案しつつ、今後もこうしたチャレンジは続けたい」
 「鉄道工事は危険に加え、夜間の作業がほとんど。それだけに人材の確保がネックだ。社員が失敗を恐れずスキル向上に取り組むことのできる環境づくりをと、昨年4月に兵庫県三田市に『技術研修センター』を開設させた。社員だけでなく、協力会社の社員も利用できる点も特徴だと思っている。いずれにせよ、誇りを持ち、安心して働いてもらえる職場にしていくためにも、これからは作業の省力化や機械化が一層求められるだろう。技術開発にもっと力を入れていきたい」
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 (おぎの・こうへい)1980年3月京大大学院工学研究科修了後、同年4月日本国有鉄道入社。JR西日本常務執行役員新幹線管理本部長などを経て、2016年6月大鉄工業代表取締役副社長。3月1日付で現職。京都府出身。56年1月9日生まれ、61歳。
 映画『黒部の太陽』を見て土木技術者を志した。就職先に国鉄を選んだ理由は「発注者であり、コンサルタントでもあり、現場もある」面白さに惹かれたのだとか。
【記者の目】 コミュニケーションの基本として「分かりやすい言葉で、わかりやすく伝える」ことを常々意識していると話す。「聞き手の粗相は、言い手の粗相」とも。ただし若い社員に対しては「なかなか思いが伝わらず、イラっとしてしまうこともたまにはあります」と苦笑い。





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