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東京都/入札契約制度改革に多様な意見/事業執行への影響注視、中小の受注減少も懸念  [2017年4月4日3面]

 東京都が、建設工事を対象に今夏以降に試行を開始する入札契約制度改革の方針に対し、さまざまな意見が出ている。予定価格の事前公表から事後公表への全面切り替え、「1者入札」の取りやめなど現行と大きく異なる方針が企業側の混乱を招き、公共事業の執行が遅れかねないとの懸念があるからだ。中小企業の受注機会減少を不安視する声も強まっている。
 新たな入札制度は、小池百合子知事が外部有識者らと組織する都政改革本部の提言を都が全面的に受け入れる形で決定。予定価格を入札公告と同時に公表する現行制度は、開札後に予定価格を公表する方式に改められることになった。
 有識者らは、「入札参加希望者が自社以外にいないことを何らかの方法で知ることができれば、99・9%の落札率で受注することも可能」と指摘。こうした疑念を都民に持たれないよう、参加希望者が1者しかいない1者入札が財務局案件であった場合は、開札を中止することも決めた。
 ただ、1者入札を即失効とすることにはリスクがある。都によると、15年度に1者入札で落札決定した財務局案件は全体(545件)の17%(92件)にも上る。3月31日の都政改革本部の会合で、都の幹部は「経験上、再公告までには通常3カ月程度を要する」と指摘。1者入札が多発すれば、事業執行が停滞しかねないとの懸念を示した。
 財務局は「1者入札の抑止には入札制度だけでなく、各部局の発注計画や工事仕様などの工夫がこれまで以上に重要になる」としている。各部局は、試行開始までの短い期間で発注のあり方を見直さなければならない。
 6月には財務局案件の入札参加要件からJVの結成義務が外される。JV結成義務が参加希望者が少なくなる要因になっているというのが廃止の理由だ。
 これに対し、ある都議は「大手建設会社とのJVを活用しながら施工実績を確保していた中小企業もある」と指摘する。入札には、発注機関が求める所定の施工実績がなければ参加できないため、大手との競合で受注機会が減った中小企業は施工実績を維持できず、単体での参加申請すらできなくなる恐れもあると見る。
 中小企業振興の代替措置として、都政改革本部は、中小企業を構成員とするJV結成に評価点を与える総合評価方式を新たに運用するとしているが、技術点に重点を置けば、価格競争の軽視とも捉えられかねない。技術点と価格点のバランスをどう取るかが課題だ。
 新たな入札制度には、発注事務の増大を招くとの指摘もある。6月から、基準額を下回る応札を即失格とする「最低制限価格制度」に代わり、基準額を下回っても所定の審査を通れば落札者とする「低入札価格調査制度」の適用を拡大するからだ。
 最低制限価格は2020年東京五輪の関連施策に庁内の労力が割かれることを見据え、17年度末までの臨時的措置としてWTO政府調達協定適用案件以外の工事で導入されていた。ある都議は「過去の政策目的を考慮しない一方的な方針転換。低入札価格調査の対応増加で、職員の疲弊が懸念される」と危惧する。
 都議会自民党は、こうした課題に対する意見を建設業関係団体から聴取することを決めた。ただ7月には都議選を控えていることもあり、試行開始までに業界の意見がどれだけ反映されるかは不透明な状況だ。





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