省力化技術開発に本腰/五洋建設/技研の実験設備拡充 | 建設通信新聞 … – 日刊建設通信新聞

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11月に完成を見込む海洋実験槽

現場の3次元モデルを体感できるVR室

 五洋建設は、ICTやロボットを活用した省力化技術の開発に本腰を入れる。栃木県那須塩原市に置く技術研究所の実験設備を拡充し、ROV(遠隔操作探査機)による音波探査検証がより精密にできるように海洋実験槽のリニューアルを進めているほか、現場の3次元モデルを体感できるVR室も設けた。林健太郎技術研究所所長は「海底資源開発への対応も見据え、ICTやロボットによる省力化技術の開発をさらに強める」と力を込める。 設立50年の節目を迎えた技術研究所では、実験設備のリニューアルに合わせた機能強化が進行中。この3年間で技術研究所への設備投資は合計で4億円規模に達する。人件費や調査研究費などの2017年度技術開発投資は前年度より2億円ほど多い20億円程度に拡大しており、技術開発への投資を強めている。
 多目的実験棟では海洋実験槽の深さを3mから5mに拡充し、槽壁面に吸音板を設置する改善工事が進んでおり、11月には完成する予定。国土交通省直轄の港湾工事でICT活用がスタートし、生産性向上の一環から水中ソナーによる音波探査ニーズが一気に高まることを見据え、同社は実験槽を使ったROVなどによる音波特性把握などの基礎実験を本格化する。
 保有するROVも拡充しており、水深300mまで対応する水中調査ロボは2号機が完成し、既にダム点検などで稼働を始めた。桟橋の下部を点検できる無線LANボートも開発しており、1日に3000㎡を3次元モデル化できる利点を生かし、従来の人による点検と比べた場合のコスト効果も算出済みだ。
 研究本館には、BIMやCIMの導入拡大を見据え、3次元モデルデータを可視化し、体験できるVR室を整備した。CIMでは工事用船舶を含んだ3次元モデルを構築したシミュレーションによって工程管理の最適化に取り組み、建築ではBIMを生産性向上の手段として位置付け、現場での調整作業の合理化にも活用する。
 同社は、現場の3次元化によるICT活用の高まりを見据えたVR室、海洋工事でROVなどロボット技術の活用拡大を受けた実験槽の拡充などを推し進めながら、将来的には深海・海洋資源開発に加え、AI(人工知能)による自動施工技術の開発にも力を注ぐ。
 深海条件下での技術検証を行う手段として、水深5000m相当の水圧を再現できる耐圧実験釜(オートクレーブ)を使い、土質特性の解明に向けた実験もスタートさせた。インフラ構造物の維持管理ニーズには、技術研究所の各研究チームをつなぐ連携的な対応を加速し、技術開発の方向性を検証している。
 技術研究所組織は現在60人体制。関本恒浩執行役員技術研究所担当は「現場の省力化は結果的に働き方改革につながる。われわれの技術開発の省力化にも挑んでいきたい」と強調する。好調な受注に連動するように、同社の手持ち工事は着実に積み上がっており、より円滑な現場運営を実現するためにも「ICT活用による省力化技術をさらに拡充する」(林所長)方針だ。

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