ニュースレター(2018年9月14日)米中の貿易協議開始で一服したドル高が米小売売上高で反発し金は上げ幅を失う – BullionVault

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週間市場ウォッチ

今週金曜日午後3時の弊社チャート上の価格は1201.54ドルと、前週金曜日のLBMAの金価格のPM価格(午後3時)から0.2%上げています。また銀価格においては、本日12時のチャート上の価格はトロイオンスあたり14.22ドルと、前週のLBMA価格(午後12時)から0.3%上げています。

今週の金相場は、米中貿易交渉関連ニュースとFRBの利上げ観測に絡み予想を下回った米消費者物価指数と良好と判断された小売売上高で動くこととなりました。その詳細に関しては日々のニュースと共にお伝えしましょう。

月曜日金相場は、市場で特に大きなニュースがない中でトロイオンスあたり1191ドルから1198ドルの間を動意なく推移していました。

そのような中で、英国のEUからの離脱に関して、EUのバルニエ首席交渉官が8週間以内に合意の可能性があるという見方を示したことから、ポンドが強含みポンド建て金相場が一月ぶりの低さのトロイオンスあたり916ポンドまで下げていました。

火曜日金相場は、ドルインデックスが95を超えて底強い中、トロイオンスあたり1190ドルを割って下げることとなりました。

これは、中国が米国との貿易戦争に関し「反撃せざるを得ない」と述べたことが伝えられ、米中貿易摩擦解決の糸口が見えない事、新興国通貨や株が下げる等新興国経済への懸念、同日発表された米NFIB中小企業楽観度指数が史上最高値になっていたことからもFRB利上げ観測の広がりと、金にとってのネガティブ要因が重なっていたことからでした。

また、銀相場はトロイオンスあたり2016年1月以来初めて14ドルを割っていました。

これは先の要因に加え、銀の世界第2の消費国であるインドのルピーが対ドルで前日市場最低値を付けていたことも要因の一つとなったもようでした。このルピー安は、原油高からもインドの経常赤字が過去5年で最大に膨らんだことが嫌気されたとのことです。

水曜日は市場がロンドン時間夕方に発表される米地区連銀経済報告の発表を待つ中、米国が中国との貿易交渉を中国製品への追加関税を発動する前に再開する提案を行うとウォールストリートジャーナルが伝えたことで、ドルが弱含む中、金相場がトロイオンスあたり1200ドルを超えて1208ドルまで上昇することとなりました。

木曜日金相場は、米消費者物価指数が予想を下回ったことからドルインデックスが下げる中、トロイオンスあたり1212ドルへと一時上げた後に、その上げ幅を失い1202ドルで終えていました。

この市場を動かした米消費者物価指数は、前月比0.2%、前年比2.7%と予想のそれぞれ0.3%と2.8%を下回っていました。

しかし、ロンドン時間午後にトランプ大統領が前日WSJが伝えた、中国へ貿易交渉を提案したということを間違いとツイートし、米国は中国と合意するプレッシャーはなく、中国がそのプレッシャーを感じているとしたことから、前日のニュースを好感して上昇していた株価同様にその上げ幅を失うこととなりました。

そのような中、本日金曜日早朝には、中国が米国から貿易協議再開の打診を受けてそれを受け入り詳細の調整に入ったことを中国商務省の高峰報道官が伝えたことが明らかとなり、ドルが弱含む中で金相場はロンドン時間午前中に上昇基調となっていました。

しかし、本日ロンドン時間午後に発表された米国小売売上高が0.1%と予想の0.4%を下回ったものの、前回数値が0.5%から0.7%へと上方修正されたことを好感し、ドルインデックスが上昇する中で午前中の上げ幅を失いトロイオンスあたり1200ドルを割って下げています。

その他の市場のニュ―ス

  • 本日ロシアの中央銀行が3年9か月ぶりに主要政策金利を0.25%引き上げ年7.50%とすることを決定したこと。
  • 金のETFの最大銘柄のSPDRゴールドシェアの残高は、今週も昨日までで週間で7週連続で減少し、2.9トン減の742トンとなっていたこと。この水準は、2016年2月18日以来の低さで、この残高は7月23日以来一度も増加していないこと。
  • 木曜日にイングランド銀行と欧州中央銀行は、共にその政策金利を据え置いたこと。そしてイングランド銀行は資産購入プログラムを据え置いたものの、欧州中央銀行は既に発表されたように景気や物価の情勢に異変がなければ12月末に購入額をゼロにし予定通りに量的緩和政策を終えるとし、10月から現在の半額の月150億ユーロ(約2兆円)に減らすと決定したこと。
  • 木曜日トルコ中銀が政策金利を6.25%引き上げて年24%と15年ぶりの高さとしたこと。これは予想の3~4%を上回るものであったことから、トルコリラが6%強上昇し、株価も上昇したこと。
  • 水曜日エルドアン大統領がトルコのソブリン・ウェルス・ファンド(政府系ファンド)の会長に自分自身を任命したこと
  • 先週末発表されたコメックスの貴金属先物オプションの資金運用業者のネットポジションは、ドルインデックスが強含み金相場が3週間ぶりの低さへ下げていた先週火曜日にパラジウムを除きすべてがネットショートで、その規模はこのフォーマットでレポートが開始されて以来最大となってたこと。
  • コメックス金先物・オプションの資金運用業者のネットポジションは、先週火曜日に前週比13.63%増の245トンと、このフォーマットで記録されて以来最大の規模となっていたこと。

  • 銀先物・オプションの資金運用業者のネットポジションも金同様に先週火曜日に8週連続でネットショートで、その規模は7,384トンとこのレポーティングフォーマットで記録されて以来最大となっていたこと。

  • コメックスのプラチナの先物・オプションの資金運用業者のネットポジションも、先週火曜日に22週連続でネットショートで、その規模も47トンとこのレポーティングフォーマットが始まった2006年6月以来の高い水準となっていたこと。

来週の主要イベント及び主要経済指標

月曜日のユーロ圏の消費者物価指数、ニューヨーク連銀の製造業景気指数、水曜日の日銀の金融政策決定会合と黒田日銀総裁の記者会見、英国消費者物価指数、米国住宅着工件数、木曜日の米国フィラデルフィア連銀製造業景気指数、ユーロ圏消費者信頼感、米国中古住宅販売件数、金曜日の日本の消費者物価指数、ユーロ圏の製造業PMI、米国の製造業PMI。

ブリオンボールトニュース

今週の市場分析及び投資ガイドページには下記の記事が掲載されました。

ロンドン便り

今週英国では、ここでもお伝えした今年3月に英国南部で発生したロシア人元2重スパイの暗殺未遂事件に関してのニュースがトップニュースで伝えられていますのでお伝えしましょう。

まず、先週英国政府がロシア人男性二人をこの容疑者として特定し起訴していました。このニュースは、この二人が現場近くを訪れている姿やガトウィック空港のCCTVに移った画像と共に発表され、二人の容疑者はロシア軍の情報組織GRUに所属する軍人と伝えられていました。

それに対し、今週11日にプーチン大統領が英国政府が容疑者と断定したロシア人二人について、身元を把握していて二人は一般市民だと指摘していました。

そして、翌12日にこのロシア人2人がロシアメディアのインタビューを受け、現場となったソールズベリーを訪れたのは観光目的で、事件への関与を否定していました。

しかし、この二人は3月2日に英国入りし、事件のあったソールズベリーに3日と4日行っていること、その近くにある観光名所として有名なストーンヘンジには悪天候のために行かずに2日間という短い滞在でロシアへ戻っていることなど、ソールズベリー大聖堂を訪問することが英国訪問の目的とは述べているものの、説明のつかない動きをしていました。

英国の警察はこの二人がロシア軍の情報組織に所属している証拠があるとも述べており、二人が宿泊したロンドンのホテルの部屋からは暗殺に使われたノビチョクの痕跡も見つかっているとのことです。

の暗殺事件で狙われたロシアの元二重スパイの父娘は奇跡的に助かりましたが、事件後にこの事件で使われたと見られている香水の容器を間違って拾ったことで、英国人女性一人は既に死亡しています。

英国政府の発表が正しいとした場合、ロシアは外国の領土で平然と暗殺を行い、それを明らかに矛盾する話で否定していることとなります。そして、この事件の前にも英国ではロシアの反体制活動家のアレクサンドル・リトビネンコ氏が2006年にロンドン市内で放射性物質と見られる毒物で毒殺されており、これもロシア政府が関与したものとされています。

その後、英国政府による様々な制裁や国際機関への訴えも、今回の事件を未然に防ぐことができなかったとしたら、今回の事件の早期の解決はほぼ絶望的と考えるべきなのでしょう。





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