定年までに住宅ローン返済を終えるための「借り換えと繰上げ返済」の … – ZUU online

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定年を迎えた後は一般的に収入が減る。その時に住宅ローンの返済が終わっていないと、余裕ある生活の実現は難しい。だが借り換え、または繰上げ返済を状況に応じて有効に活用できれば、返済をより早く終えられる可能性は高まる。

定年後の生活

定年の年齢は、大規模企業を対象にした中央労働委員会の「2017年賃金事情等総合調査」によると、ほとんどが60歳だ。この年齢以降は継続的に雇用されたとしても、雇用形態の変化などに伴う収入の減少によって、それまでと同じ収入は保てなくなるケースが多い。

調査対象がより広い労働政策研究・研修機構の「60代の雇用・生活調査」では、60〜69歳で仕事を続けている人のうち、4割以上が賃金が少なくなったと回答した。賃金の減少率は41〜50%が最も多く、次いで21〜30%、31〜40%と続く。

仕事に就いている人のうち賞与を受け取れる可能性があるのは24.5%であったことからも、収入の減少が窺える。

また総務省の「2017年家計調査」より、2人以上世帯の家計収支をみても、60歳以降収入は減少している。世帯主の年齢が50〜59歳の勤労者世帯における収入は約60万だが、60歳以上になると約41万1,000円まで低下する。

無職世帯の収支に着目すれば、状況はより厳しい。60歳以上の平均収入は約20万5,000円であるのに対し、食費など生活維持のための消費支出と税金や保険料などの非消費支出の合計額は約26万6,000円と、支出が収入を上回っている。なお収入の大部分は年金など社会保障給付で、金額としては約17万6,000円だ。

このような状態で、支給された退職金や貯蓄などが十分でなく、さらに住宅ローンの返済負担もあったなら、ゆとりある生活の実現は難しい。だが返済期間を短くできれば、定年後の生活は多少なりとも楽になる。借り換えまたは繰上げ返済、あるいは両者を組み合わせることは、その効果的な手段になり得る。

借り換えはどのように行うか

まず借り換えで返済期間を短縮する際は、なるべく60歳、もしくは65歳までに住宅ローン返済が終わるよう調整することが必要だ。

借り換えにあたっては、現在の住宅ローンの残高、残り返済期間、金利、月の返済額を踏まえて、このまま同じローンを借り続けた場合より負担が軽くなるような住宅ローンを新たに選ぶ。

例えば借り入れている10年固定の固定金利選択型において、10年の固定期間終了後に適用金利が上がる場合、残り返済期間を引き継いでより金利の低いローンに借り換えれば返済額は下がる。この返済額の減少分を返済期間短縮のために充て、返済額は同程度になっても返済自体がより早く終わるように調整する。

ただ、借り換え時には諸費用がどれくらいかかるかも考慮しなくてはならない。手数料や抵当権に関する費用などがあり、特に保証料は諸費用の大部分を占めるほどの出費になる。とはいえ保証料は借入額と返済期間で決まるため、それらの減少を図れば保証料の低下も期待できる。

もし実際に借り換えたらどうなるか

65歳以前での返済期間終了を狙い、10年固定の固定金利選択型から同タイプの新住宅ローンに借り換えたケースをシミュレーションしてみる。借入時の年齢は35歳で、当初の借入額は2,800万円、返済期間は30年、返済方法はボーナス返済なしの元利均等返済であったとする。

固定金利10年の間は基準金利4.2%から1.5%引き下げられるため適用金利は2.7%だが、その後は引き下げ幅が縮小する。そこで10年経過後、基準金利3.35%から1.85%引き下げられ、適用金利が1.5%になる10年固定期間選択型への借り換えを決めた。引き下げられる金利の幅は全期間変わらない。

借り換え前の住宅ローンにおける月の返済額は約11万4,000円で、残り返済期間の20年をそのまま借り換え後の返済期間とした場合、月の返済額は約10万2,000円に低下する。諸費用も借入額に含めて計算すると、月の返済額は約10万4,000円だ。

なお三井住友銀行の借り換えシミュレーションを用いたところ、諸費用の金額は約52万4,000円で、うち保証料は約31万2,000円となった。

この借り換えだと、月々の負担は減っても返済が終わるのは65歳頃で変わりない。ただ返済額を同程度に維持すれば、返済期間はいくらか短くなる。例えば諸費用も含めたうえでの借り換え後ローンの毎月の返済額を約11万4,000円とすると、返済期間は18年へと2年短縮される。

固定期間終了後も金利は同じと仮定すれば、63歳頃には返済が終わる計算だ。60歳以降の返済額においては、借り換えなかった場合約681万円になるのに対し、借り換えた場合なら約410万円と、約271万円の差がつく。

この約271万円という差額は総務省の「2017年家計調査」にて示された2人以上で暮らす60歳以上無職世帯の消費支出のおよそ10カ月分である。定年後に必要になる支出分がそれだけ減らせることになる。





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