日銀短観悪化 環境変化への耐性を高めたい – 読売新聞

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 景気の先行きに不安を抱く企業が増えている。業績好調な今こそ、環境変化に左右されにくい体質作りが求められる。

 日銀がまとめた3月の企業短期経済観測調査(短観)で、景況感を示す業況判断指数が、大企業・製造業で前期より2ポイント低いプラス24となり、8四半期ぶりに悪化した。大企業・非製造業は6四半期ぶりの悪化となった。

 原油や金属類など原材料の国際価格が上昇し、仕入れ負担が増している。人手不足の深刻化で業務への支障が広がっている。

 国内外で進んだ景気回復によるコスト増が、主要な課題として顕在化してきたと言えよう。

 3か月先の景況感を予想する指数は、大企業、中小企業ともに足元の指数より悪化している。

 とりわけ人手不足感の高まりは対処の難しい問題である。

 3か月ごとの短観で、雇用について「不足」だとする企業の割合は増え続けてきた。バブル期並みの水準にまで達している。

 小売りや外食の店が営業時間を短縮したり、建設会社が工事受注をあきらめたりする例が相次ぐ。引っ越し業界では、春の繁忙期に各社が対応しきれず、社会的な混乱も招く事態に至った。

 省力化のため、ロボットなどの活用がカギの一つを握ろう。

 人材確保のためには賃上げが重要だ。多くの企業で給与が伸びれば、消費の喚起も期待できる。

 大企業の2017年度の設備投資額は、前年を上回ったとみられる。この流れを加速したい。

 企業が守りの姿勢に戻ってしまえば、日本経済の成長は持続しまい。新たな需要を生み出す前向きな投資に知恵を絞ってほしい。

 金融市場の不安定化も気がかりだ。円高・株安が輸出産業などの業績悪化要因になりかねない。

 事業の一層の効率化や、国内販売の充実など、円高への耐性強化が改めて検討課題になる。

 政府は、新技術の育成や「働き方改革」などの成長戦略を急ぎ、民間活動を後押しすべきだ。

 トランプ米政権の保護主義政策への警戒感が高まっている。

 安倍首相は今月17日から訪米する。トランプ大統領との首脳会談では、強硬な輸入制限策の弊害を粘り強く説かねばならない。

 日銀の黒田東彦総裁は9日から新たな任期に入る。副総裁2人は先月、一新されたところだ。

 現時点で異次元緩和の見直しは時期尚早とはいえ、金融正常化に向け、景況感を敏感に捉えた柔軟なかじ取りが大切となる。





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