プレミアム金曜 皮算用と言われぬよう – 東京新聞

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03消費, 全国百貨店売上高 コメントはまだありません



 月末の金曜日は仕事を早く切り上げ消費を盛り上げよう−そんな官民一体の「プレミアムフライデー」が始まる。働き過ぎが改まるなら結構。取り残される人や弊害が生まれるなら願い下げである。

 毎月、最終金曜日は午後三時には仕事を終え、買い物や旅行などを楽しむ。長時間労働の是正など働き方改革にもつながる。いわば政府、経済界挙げての「花金」推進である。

 なるほど経済産業省と経団連が旗を振るイベントだからであろう。主たる狙いは冷え切った消費の回復に置かれている。

 鼻息が荒いのは小売り・流通、外食、旅行などサービス産業である。「ここぞ」とばかりに、あの手この手で消費者の財布のひもを緩めさせようと必死だ。

 無理からぬことである。なにせ総務省の家計調査で実質消費支出は十カ月連続減少。全国百貨店売上高も、旅行取扱高も前年割れ。商魂たくましいなどと皮肉るのが気が引けるほどの惨状である。

 だとしても、このキャンペーンに割り切れなさを感じるのはなぜなのだろう。それは安直さが透けて見えるためではないか。どこまで真剣に中身を検討したり、弱者への配慮を考えたか。

 例えば、忙しい月末金曜日に中小企業などが簡単に仕事を切り上げられようか。そんな下請けや取引先は気にするなというのか。勤務時間の短縮が収入減に直結するパートや派遣労働者への配慮は。

 民間のアンケートでは、導入には前向きでも退社を早めた分の対策を決めていない企業が多い。有給休暇扱いとするのか、他の日の勤務時間が増えるのか。

 旅行するには休みが集中するよりも分散させた方が良いのではないか。疑問を挙げればキリがないほどだ。

 一昨年七月には厚生労働省が音頭を取った「ゆう活」なるものもあった。仕事を早めに始めて早めに終え、オフを楽しもうとの触れ込みだった。だが肝心の霞が関官庁では、早く帰れずかえって長時間勤務を招く皮肉な結果となった。

 要するに官庁や財界の考えることは国民感情や働く実態とずれている。消費喚起に魔法のつえなどない。大事なのは、将来の不安を取り除くよう社会保障改革を進めたり、長時間労働などに真摯(しんし)に向き合い改善していくことだ。

 仰々しいキャンペーンで盛り上げようという安易な姿勢を、国民は見透かしているはずだ。

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