破産のてるみくらぶ、危険な「ドンブリ勘定」…「たくさん金がある」という … – Business Journal

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記者会見で質問に答える「てるみくらぶ」の山田千賀子社長(読売新聞/アフロ)

 旅行会社のてるみくらぶが3月27日、東京地裁に自己破産を申請し破産手続きを開始した。いわゆる倒産だ。負債額は約151億円にのぼる。私の娘の友人など近しいところでも被害が出ており、まったく他人事ではない。

 同社の山田千賀子社長は、「新聞広告を打ち出したことによる媒体コストの増加」が原因と語っている。原因を探るうえで手掛かりとなるのは、今のところ社長のこの発言くらいしかないが、想像を膨らませると、「前金ビジネス」の典型的な落とし穴が見えてくる。

 それは「時間的ドンブリ勘定」と「使い道のドンブリ勘定」という2つのドンブリ勘定に陥るリスクだ。

時間的ドンブリ勘定

 物品を販売する小売業や製造業の場合、お金は先に出て行って後から入ってくるというのが普通の順番だ。ところが、サービス業のなかには、先に代金の一部または全部を顧客から先にいただくものもある。

 旅行会社はその典型例のひとつだ。私自身、先日利用した旅行会社も、申し込み直後に代金の一部を手付金として支払い、残金も旅行前に支払った。

 旅行会社は先に代金をもらってしまうと、時間的な勘違いを起こす。たとえば、先月販売した旅行の販売価格が100万円で、すでに代金は受け取っているとする。一方で、旅行会社が航空会社やホテルに支払う費用(旅行会社にとっては素材の仕入)は120万円で、その支払い期限は今月末だとする。

 いうまでもなく、この旅行商品は赤字だ。格安を謳っている旅行会社の場合、他社との激しい価格競争もあって、このようなことは十分に起こり得る。このような場合、今月新たに150万円の旅行商品を販売し、その代金が今月入ってくれば、それを今月末の120万円の支払いに充てることができる。これで今月の資金繰りはなんとかしのげる。

 しかし、150万円で販売した旅行商品の仕入(航空会社やホテルに支払う費用)が180万円だとすれば、今度は180万円以上の契約を取って、それを180万円の支払いに充てようとするだろう。採算度外視の安売りをしていると、この繰り返しになるのである。これを称して“自転車操業”というわけである。当然のことながら、このようなことはいつまでも続かない。いつかは支払い不能になる。

 根本的な誤りは、これからの支払いに充当しなければならない顧客からの入金を、過去の別の旅行費用に充当してしまっている点だ。これは先にお金が入ってくる「前金ビジネス」において起こりやすい。

 これが「時間的ドンブリ勘定」だ。このようなことをやっていると、売上と仕入の対応関係もいい加減になり、儲かっているのかどうかもわからなくなってくる。





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