「26年ぶりの株高」でも庶民は冷静 – 日経ビジネスオンライン

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外国人が主導、メッセージ性も不足

2017年11月21日(火)

11月9日、日経平均株価は約26年ぶりに一時、2万3300円台に乗せた。(写真:つのだよしお/アフロ)

株価大幅高で、消費者の支出行動は活気づくか

 11月7日の東京株式市場で日経平均株価がバブル崩壊後の戻り高値(1996年6月26日の2万2666.80円)を上抜けて2万2900円台になり、9日には約26年ぶりに一時2万3300円台に乗せた。しかしこの日は急ピッチの株価上昇でさすがに過熱感が生じ、相場の変動率が上昇したところをとらえてヘッジファンドなど海外投資家が大口の利益確定売りを出したもようで、乱高下。その後も、水準をある程度切り下げつつ、不安定な上下動が演じられている。

 この局面でエコノミストとして筆者が1つ注目しているのは、今回の株価大幅高をうけて一般の消費者の支出行動が活気づくかどうかである。しかし、少なくとも現時点では、そうした資産効果を原動力にした個人消費の活性化は観察されていない。

 よく知られている通り、日本の家計は米国やユーロ圏と比べると株式の保有比率が低く、株価が上昇しても、それが資産効果を通じて消費支出を押し上げる効果は限定的である。日銀が公表している資金循環によると、今年6月末時点で「株式等」が10.0%、「投資信託」が5.4%。米国で「株式等」が35.8%、「投資信託」が11.0%を占めていることに比べると、かなり低い。ユーロ圏ではそれぞれ18.2%、9.2%である。

金融商品の選択の際、最も重視するのは「安全性」

 また、11月10日に金融広報中央委員会(知るぽると)が公表した「家計の金融行動に関する世論調査」(2人以上世帯調査、2017年)によると、「金融商品の選択の際に最も重視していること」を「安全性」「流動性」「収益性」の3基準で見た場合、最も多かったのは今回の調査でも「安全性」で46.6%。前年の調査結果から0.9%ポイント上昇した<■図1>。高齢化時代の将来不安、いわゆる「長生きリスク」を意識している人々は、元本が保証されていることなど、虎の子の資産の安全運用に強いこだわりを持っているようである。

■図1:「金融商品の選択の際に最も重視していること」の回答分布(2人以上世帯)

注:調査方法変更のため2003・2004年と2006・2007年は不連続
(出所)金融広報中央委員会

 次が「流動性」で21.0%。前年から3.7%も下がったが、第2位をキープした。

 そして、第3位がリスクをとって高めのリターンを希求する場合に選ばれる回答「収益性」である。政府が「貯蓄から投資へ」の旗を振る中、前年から1.2%ポイント上昇して18.7%になった。もっとも、2012年の終わりから「アベノミクス」が始まって株高・円安が急進行するなど、運用で値上がり益を得られる可能性に人々の目が向きやすくなったにしては、「収益性」の増え方は鈍い。今回の調査結果である18.7%は、今世紀に入ってから一番高い2011年の数字と、ようやく肩を並べたところである。





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