【論説】茨城県内、大型店撤退続く 街の魅力再生に知恵を – 茨城新聞

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2017年11月15日(水)

【論説】茨城県内、大型店撤退続く 街の魅力再生に知恵を

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JR水戸駅北口にある丸井水戸店が来年秋にも撤退することになった。県内では今年2月末に西武筑波店が閉店したばかり。街の中心にある大型店の撤退はにぎわいの喪失、空洞化を加速させる。郊外型店舗の進出や消費低迷の影響などにより、県内主要都市では大型店の撤退が続いており、駅周辺繁華街の衰退に拍車を掛けている。少子高齢化の時代を迎え、街をどのように再生していくのか、人が集うような魅力や特色あふれる街づくりに地域住民も含め知恵を絞る必要がある。

丸井水戸店は1970年に水戸駅北口に開業し、93年に現在の再開発ビル「マイム」に移転した。94年の売上高は156億円に上ったが、昨年は25億円にまで落ち込んだという。科学万博が開催された1985年にオープンした西武筑波店も売上の減少が直撃した。91年度に248億円あった売上は、2015年度は128億円に半減した。

県内では大型店や郊外型専門店の進出に伴い、地域商店街の経営は厳しさを増し、店が閉じられたままのシャッター通りと言われる場所が増えた。街の中心に陣取った大型店も安泰ではなかった。郊外には専門店のほかやショッピングモールなどが次々と登場し競争が激化、車社会の本県では買い物の流れが街から郊外へと移った例が少なくない。さらにバブル崩壊による消費の低迷、少子高齢化、ネット販売が追い打ちを掛けた。

水戸市中心部で見てみると、かつては丸井、高島屋、西友(リヴィン)、ダイエー、ユニー、伊勢甚、京成など大型店がメイン通りで看板を連ねていた。来年、丸井が撤退すると、当時の大型店として存続するのは水戸京成百貨店だけとなる。

県南の商都として繁栄してきた土浦市中心部でも多くの大型店が姿を消した。89年以降、京成、西友、小網屋、丸井、イトーヨーカドーが撤退した。日立や筑西、牛久、取手市をはじめ、主要都市の駅周辺にあった大型店でも閉店が相次いだ。

地元商店街がシャッター通り化した上に核となる大型店が姿を消せば、街の活力はますます失われる。本県を代表する都市である水戸、日立、土浦でも、駅周辺の中心街は日中の人通りが減り、閑散としている時間帯が少なくない。長く空き店舗となっていたり、取り壊されても空き地や駐車場になっていたりする所が多く、街の魅力をさらに失いかねない状況だ。

主要駅は地元自治体の顔、玄関口となるだけに、行政が手をこまねいてきたからではない。そう簡単には解決策を見いだせないというのが現実だ。全国同様の悩みである。筑西や土浦市では、核店舗が撤退した駅前の商業施設ビルに市役所を移転させることで、街の活力につなげるという道を選んだ。

元々大型店がなかった他地域でも本質的な悩みは同じである。車社会の進行と人口減少に伴い、地元の商店街は衰退し、空き家、空き店舗が増える一方である。地域の高齢化が進み、車を運転できない高齢者世帯は買い物難民化する状況に追い込まれている。

大きな街でも地方の中小都市でも街の活力をどう維持し、どう再生していくか、さらに知恵を絞っていく必要がある。観光、地場産業、自然環境など、魅力ある売りを地域が一体となって築いていく努力だけは忘れてはならない。





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