セブンvs.アマゾン?「15兆円市場」争奪戦の行方 :日本経済新聞 – 日本経済新聞

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小谷:15兆円規模といわれる日本の生鮮食品市場を巡って、セブン&アイ・ホールディングスなどの日本企業が、米アマゾン・ドット・コムと激突する可能性が出てきました。先月、セブン&アイとアスクルがネット通販事業での提携を発表しました。目玉は11月末をめどにサービスを始める「生鮮品の宅配」です。セブン&アイグループが供給する食品を、アスクルが運営するネット通販「ロハコ」の物流網を使って宅配します。このサービスは、配送時間を1時間刻みで指定することが可能です。そのセブンとアスクルがライバルと目するのがアマゾンです。4月から都内の一部で始めた食品宅配サービス「アマゾン・フレッシュ」は注文から最短4時間で配達するスピードが武器です。流通業界に詳しい日本経済新聞の田中陽編集委員に聞きます。ここに来てセブンやアマゾンが相次いで生鮮品宅配に力を入れ始めたのはどういった背景があるのでしょうか?

小谷真生子・メインキャスター

小谷真生子・メインキャスター

田中陽・編集委員(8月2日放送)

田中陽・編集委員(8月2日放送)

■セブンとアスクル 提携の狙いは

 「キーワードは『購入頻度』だと思います。アマゾンは、最初は本の通販から始まりましたが、本は毎日買うものではありません。家電もパソコンもそうです。日用品なら週1回ぐらい買ってもらえますが、アマゾンとしてはお客に毎日サイトに入ってほしい。そこで、食品ならば頻度が上がると考えました。グラフは日米の小売販売額に占めるネット通販の割合ですが、実は日本と米国のどちらもまだ1ケタ台です。日米とも右肩上がりに伸びていますが、これをさらに引き上げるには日常的に買う食品、とりわけ買い置きのできない生鮮品が不可欠になるわけです。アマゾンが米国の高級スーパー、ホールフーズ・マーケットの買収を決めたのも、鮮度管理などの食品流通網を手に入れたいという考えがあったはずです」

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小谷:対するセブン&アイとアスクルは、アスクルはもちろん、セブンもネット通販を手掛けていますね。

 「セブンも通販事業は展開していますが、残念ながら軌道には乗っていません。通販サイト『オムニセブン』を見てみても、商品を選択する際の判断基準となるレビューがあまり書きこまれていないのが現状です。セブンに限らず、古典的な小売業がネットを手がけると、どうしてもリアルな店舗の売り上げへの影響を気にしてしまいます。オムニセブンにしても、受け取り場所をコンビニのセブンイレブンにするなど、ネットの売り上げの一部をリアル店舗に落としたいという思惑が垣間見えます。どうしてもサービスの自由度が限られることから、思い切って変えていこうというのが、今回アスクルと提携した狙いだと思います」

小谷:思い切って変えようとして、相手にアスクルを選んだのはなぜでしょう。

■月間2000万PVのノウハウ活用

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 「まず、アスクルは様々なネット通販のノウハウをセブン&アイよりも持っています。『ロハコ』には累計約300万人の利用者がいますし、月間ページビュー(PV)は2000万を超えるといいます。その強みは提案型といわれている販売手法です。ロハコでは現在、食品だと調味料やレトルト食品を扱っていますが、調味料を使ったレシピなど商品の使い方まで丁寧に提案しています。先月の提携会見でも、11月末にスタートするサイトのイメージ動画として、セブン&アイのプライベートブランド(PB)食品を使ったメニュー提案の映像を流しました。『毎日の食事を考えるのはしんどいが、かといって出来合いのものだけでは…』という30~40代の共働きの人にとっては、簡単にパパッと作れる料理の提案は助かります。ひと手間かけた料理になるため、家族からも大変評判がいいということです。あっという間に晩ご飯の献立ができるところがロハコのコーディネート力なわけです」

小谷:アマゾンのサービスはすでに始まっていますが、セブンに勝算はありますか?

 「当然あります。ロハコと組む最大の強みはロハコの配送のノウハウです。大変きめ細かな自前の配送網を持っていて、今でも1時間単位で時間帯指定が可能です。1時間単位で指定できるため、一般的に20%といわれる再配達の割合が、ロハコの場合はわずか2.5%と大変効率的です。配達希望の多い夕方以降に配送業者を多く張り付けるなど、柔軟な人員配置も自前だからできるのです」

小谷:一方のアマゾンは自前ではありませんね?

 「そうですね。ヤマトにほかの荷物と混載して届けてもらうので、やはりアマゾン流の配送ノウハウはつくれず、その差が大きいわけです」

小谷:ただ、アマゾンは4時間で配達するというスピードを強みにしています。

 「スピードと細やかさ、どちらがお客を引き付けられるか、その結果はアマゾンとロハコ・セブン連合の対決から見えてくるでしょう」

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