イタリア高架橋崩落 – しんぶん赤旗

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2018年8月18日(土)

欠陥建築・老朽化か

政府は運営企業非難 緊縮も影響

 【ベルリン=伊藤寿庸】イタリア北部ジェノバで14日、高速道路の高架橋が崩落し、38人が死亡した事故で、原因の解明、責任の追及が始まっています。

 「予期された悲劇」。イタリア紙は、橋の危険性が早くから指摘されていたことを伝えています。1967年完成の橋は、わずか10~20年後には絶えず修繕が必要となり、欠陥建築との指摘も出ていました。コンクリート片が落下し、橋下の駐車場の車が破壊されることもしばしばあったといいます。

 年間通行量は、大型貨物車両を含めて2500万台(2017年)で、建設当時の数倍となっていました。地元選出のロッシ前上院議員は、現職時代の2年前にも、国会でこの橋の危険性を警告していました。

 橋を含む有料道路の管理責任者は、アウトストラーデ社。高速道路の管理運営を請け負い、その経費を通行料で賄う「コンセッション」契約を道路公団(ANAS)と結んでいます。最大の株主は衣料ブランドで有名なベネトン一族です。

 コンテ首相は、同社の免許取り消しの手続きを開始すると表明しました。「五つ星運動」党首のディマイオ副首相は「維持管理に金を使わず、利益を配当に充てていた」と同社を非難。同党出身のトニネッリ・インフラ・運輸相は、同社に対する高額の罰金支払いや国による直轄管理に言及しました。検察は、事件に関する刑事捜査を開始しました。

 ディマイオ氏は「歴代政府が、政治献金をもらってインフラの状態に目をつぶってきた」と発言。欧州懐疑派極右政党「同盟」党首のサルビーニ内相は、欧州連合(EU)の予算ルールで支出が制限されていたと、EUに矛先を向けています。

 経済協力開発機構(OECD)の統計でも経済危機前の2008年から15年にかけて、イタリアの運輸インフラ投資は58%減少したと報道されています。この間同国は、EUから厳しい緊縮政策を強いられてきました。

 1950年に国の全額出資で設立されたアウトストラーデは、2000年に完全民営化。公共事業省の外局だったANASは、公益法人を経て、03年に国が100%出資する株式会社となりました。いずれも1999年のユーロ導入にあたって義務付けられた政府債務の削減のためでした。

 老朽化の進むインフラ整備も課題です。全土の1万5千の橋・トンネルのうち7割が40年以上経過。老朽化に伴う死亡事故もここ数年連続しており、緊急の対策が必要となっています。





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