円高・保護主義 不安示す 景況感 2年ぶり悪化 – 東京新聞

Home » 02景気 » 円高・保護主義 不安示す 景況感 2年ぶり悪化 – 東京新聞
02景気, 景気動向指数 コメントはまだありません



写真

 日銀が二日発表した三月の企業短期経済観測調査(短観)は、企業経営者の景気への不安感を示す結果となった。輸出主導の日本経済は「海外頼み」の弱さがあり、米国の保護主義や最近の円高が影を落とす。戦後二番目の長さの景気拡大が、転換点を迎える可能性も出てきている。 (渥美龍太、白山泉)

 短観では、景気が「良い」と答えた経営者の割合から「悪い」を差し引いた業況判断指数(DI)が、代表的な指標の「大企業製造業」で二ポイント下落のプラス二四となり、二年ぶりに悪化した。三カ月後の景気をどうみるかを示す「先行きDI」も四ポイント悪化した。

 「あまり良い影響はない。憂慮しながらみている」。日本自動車工業会の西川広人会長(日産自動車社長)は三月の記者会見で、米国が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限措置を発動する方針に対して懸念を示した。その後、実際に日本も対象になることが判明、産業界はトランプ米大統領の動向や、米中の貿易摩擦に神経をとがらせる。

 さらに大企業製造業が二〇一八年度に想定する為替レートが一ドル=一〇九円六六銭なのに対し、現状は一〇六円台と円高の傾向だ。円高は自動車をはじめとした輸出企業の採算を悪化させる。

 製造業以外でも「大企業非製造業」の業況判断が、二ポイント下落のプラス二三と一年半ぶりに悪化した。先行きは三ポイントの悪化を見込む。不安を背景にした大企業の春闘は、安倍政権が促す「3%の賃上げ」に届きそうになく、好景気の恩恵は経済全体への広がりを欠く。

 中小企業では人手不足の足かせが続く。人手が「過剰」な割合から「不足」を引いた雇用人員判断DIは全産業でマイナス三七となり、一九九一年十一月以来の不足幅だ。物流システム開発のタイガー(千代田区)の竹添幸男社長は「技術者が採れない」と嘆く。

 野村証券の美和卓チーフ・エコノミストは短観を「設備投資の計画をみても、現状の景気は堅調」と分析しながらも、「円高や米国の通商政策など景気を悪化させるリスクは大きくなっている」と指摘している。

この記事を印刷する





コメントを残す