トランプ円安、企業収益に上振れ余地 日銀12月短観 – 日本経済新聞

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 トランプ次期米大統領への政策期待を背景に、今週円相場は約10カ月ぶりに1ドル=116円台を付けた。円安の加速により注目が高まっているのが企業業績に与える影響だ。日銀が14日に発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、大企業・製造業が想定する為替レートは1ドル=104円90銭と、足元の相場よりも10円程度円高の水準にとどまり慎重な見方を維持した。ただ足元の円安が続けば輸出企業を中心に業績の大幅な上振れ要因となりそうだ。

■1カ月の下落幅は約15円

 14日の東京外国為替市場で、円相場は115円台前半で推移している。米大統領選直後の11月9日に101円台前半の円高水準を付けてからは急速に反落した。この1カ月あまりの円の下落幅は約15円に達しており、月間の値動きでは2008年10月のリーマン・ショック直後以来の大幅な変動となった。

 ところが、こうした足元の円安水準を、企業はいまだ織り込み切れていない。日銀が今回の短観で公表した大企業・製造業の想定為替レートの104円90銭は、円相場の足元の実勢と比べて大幅な円高を想定しているだけでなく、9月に実施した前回調査の107円92銭からも3円強円高方向に修正された。足元の円安のきっかけとなったトランプ次期大統領の政策の実現性やそれが世界経済に与える影響がいまだ読み切れないこともあり、円安が継続するかどうか慎重にみる大企業が少なくなかったことも理由の一つとみられる。

■10~12月期決算で明暗も

 ただ、現時点で企業の業績予想の前提となる想定為替レートよりも実勢の相場が大幅な円安となっていることは、少なくとも1月下旬から本格化する10~12月期決算には大きな影響がありそうだ。

 特に前期からの利益の増加額が大きいとみられるのが、電機や自動車などだ。日本電産など大手電機各社の下期の対ドルの想定為替レートは100円前後が中心。自動車各社も、トヨタ自動車が2017年度通期の想定を103円に設定しているほか、富士重工が104円など、主要企業はおおむね100円台前半の見通しを置いており、現状の円安が続けば輸出採算は想定よりも大きく改善する見通しだ。

 もっとも、海外から燃料やその他の原材料を輸入して加工する鉄鋼や紙パルプ、製品を輸入して販売する小売りや卸業などにとっては円安は逆風となる。こうした企業が輸入コストの上昇による収益の圧迫を製品値上げなどの形で転嫁すれば、家計にとっても打撃。足元の円安の急速な進展が、日本経済全体にとっていいことずくめとはいえない側面もある。

(浜美佐)





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