民間銀の貸出残高、8年ぶり高い伸び 2月2.9%増 – 日本経済新聞

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 民間銀行の融資の伸び率が高まってきた。日銀が8日に発表した2月の貸出・預金動向速報によると、全国の銀行(都市銀行、地銀、第二地銀)の平均貸出残高は444兆4137億円と前年同月に比べて2.9%増え、約8年ぶりの高い伸びとなった。M&A(合併・買収)向けや、アパートローンを含めた不動産向けの貸し出しが増えていることが背景にある。

 銀行融資の伸び率は、2008年のリーマン・ショック後に企業が先行き不安から手元資金の確保を急いで銀行から資金を調達していた2009年5月(3.3%増)以来の高さとなった。日銀の黒田東彦総裁が世の中に大量の資金を供給する「異次元緩和」を開始した2013年4月以降、銀行融資は前年比2%を上回る伸びが続いてきた。世界景気の鈍化などを背景に2015年末から2016年夏にかけていったん伸びが鈍化したものの、2016年10月以降、伸び率が再び高まってきた。

 このところの銀行融資の伸び率の高まりは、景気回復と足並みをそろえている。内閣府が8日発表した2016年10~12月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.3%増、年率換算で1.2%増だった。民間企業の設備投資の伸びが高まったことを背景に、速報値から上方修正した。

 財務省の2016年10~12月期の法人企業統計をみても、全産業(資本金1千万円以上、金融機関を除く)の設備投資が前年同期比で3.8%増となり、2四半期ぶりに増加。自動車メーカーなど製造業の間で生産能力を増やす投資が目立っている。2017年に入った後も生産や輸出など製造業関連の指標は好調に推移しており、設備投資を通じて銀行融資の伸びを促す背景になっているともみられる。

 その一方、銀行に滞留する預金に見合う資金需要が生まれているとは言いがたい。銀行の預金残高に占める貸出金残高の比率を見ると66%で、低位横ばいが続く。預貸率は2012年3月頃までの70%超から、むしろこの5年で低下した。

 銀行預金に集まったほどにはお金が融資に回っておらず、ほぼ4年に及ぶ日銀の金融緩和マネーが民間に十分流れていないことが預貸率の低迷に表れている。日銀の金融緩和の効果を高めるには、企業が新規投資に踏み切るハードルを一段と下げるなど、企業の資金調達を促す政策も必要になりそうだ。

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