「足踏み」続く景気動向指数と雇用の質の改善が見られる毎月勤労統計! – BLOGOS

Home » 02景気 » 「足踏み」続く景気動向指数と雇用の質の改善が見られる毎月勤労統計! – BLOGOS
02景気, 景気動向指数 コメントはまだありません



本日、内閣府から景気動向指数が、また、厚生労働省から毎月勤労統計が、それぞれ公表されています。いずれも8月の統計です。景気動向指数のうちのCI一致指数は前月から▲0.1ポイント下降して112.0を示した一方で、CI先行指数は+1.2ポイント上昇して101.2を記録しました。また、毎月勤労統計の現金給与指数のうちの所定内給与は季節調整していない原系列の前年同月比で+0.5%の伸びとなっています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

8月の景気一致指数、0.1ポイント低下 耐久消費財出荷が悪化

内閣府が7日発表した8月の景気動向指数(CI、2010年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比0.1ポイント低下の112.0だった。低下は3カ月ぶり。北米向けの自動車輸出が鈍化し、耐久消費財出荷指数が減少。商業販売額(小売業)の悪化も響いた。商業販売額(卸売業)や中小企業出荷指数(製造業)は改善したものの補えなかった。

内閣府は一致指数の動きから機械的に求める景気の基調判断を「足踏みを示している」に据え置いた。前月から比較可能な8指標のうち4つがマイナスに影響した。

ただ、数カ月先の景気を示す先行指数は1.2ポイント上昇の101.2になった。上昇は2カ月ぶり。鉱工業生産財在庫率指数や中小企業売り上げ見通し、消費者態度指数が先行指数の上昇につながった。新設住宅着工床面積や新規求人数(除学卒)は悪化した。

実質賃金8月0.5%増 ボーナス効果縮小で伸び鈍化

厚生労働省が7日発表した8月の毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比0.5%増加した。前年同月を上回るのは7カ月連続。ボーナスの効果が出た7月(1.8%増)に比べると伸びは鈍った。ただ賃上げの効果は出ているとみられ、基本給は増えている。

名目にあたる従業員1人当たりの現金給与総額は27万1676円と、前年同月比0.1%減少した。減少は3カ月ぶり。名目の給与総額のうち、基本給にあたる所定内給与は0.5%増の24万223円だった。ボーナスや通勤費にあたる「特別に支払われた給与」は7.7%減の1万2699円だった。

6-8月に支給されるボーナスが前年より前倒しで支給されたとみられ、8月分の特別に支払われた給与が大幅に減少した。名目賃金は減少したが、賃上げの効果で基本給は伸びている。フルタイムで働く一般労働者の基本給は前年同月比0.7%増加した。
実質賃金の増加は給与の伸びが物価の伸びを上回っていることを示す。8月の消費者物価指数(CPI)は、持ち家の帰属家賃を除く総合で前年同月比0.6%下落した。物価の下落幅が大きく、実質賃金を押し上げた。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。でも、2つの統計を並べると、やや長くなってしまいました。続いて、下のグラフは景気動向指数です。上のパネルはCI一致指数と先行指数を、下のパネルはDI一致指数をそれぞれプロットしています。影をつけた部分は景気後退期を示しています。

ということで、CI一致指数はわずかに下降し、CI先行指数が上昇しています。
ただ、CI先行指数については少し前まで原因不明の下降を示していましたので、そのキャッチアップなのかもしれません。

CI一致指数のプラス寄与が大きい系列は、商業販売額(卸売業)(前年同月比)+0.34ポイント、中小企業出荷指数(製造業)+0.26ポイント、生産指数(鉱工業)+0.24ポイントなどとなっている一方で、マイナス寄与は耐久消費財出荷指数▲0.52ポイント、商業販売額(小売業)(前年同月比)▲0.23ポイント、などとなっています。

8月の統計については、企業部門の強さと家計部門の弱さが相殺して、わずかにマイナスの下降という結果でした。上のグラフを見ても、CI一致指数はならして見てれば横ばいということですから、引用した記事にもある通り、統計作成官庁の内閣府では基調判断を「足踏み」に据え置いています。景気が踊り場にあることが景気指標の統計からも確認されている、ということになろうかと受け止めています。
先行きについては、CI先行指数のプラス寄与度を見れば、大きい順に、鉱工業用生産財在庫率指数、中小企業売上げ見通しDI、消費者態度指数、となっていますので、在庫調整が進んで消費者マインドが改善して売上げが伸びる、という形になるのはいい方向ではないかという気がします。


次に、毎月勤労統計のグラフは上の通りです。上から順に、1番上のパネルは製造業の所定外労働時間指数の季節調整済み系列を、次の2番目のパネルは調査産業計の賃金、すなわち、現金給与総額と所定内給与のそれぞれの季節調整していない原系列の前年同月比を、その次の3番目のパネルはいわゆるフルタイムの一般労働者とパートタイム労働者の就業形態別の原系列の雇用の前年同月比の伸び率の推移を、1番下のパネルはその雇用指数そのものを、それぞれプロットしています。

いずれも、影をつけた期間は景気後退期です。まず、1番上の製造業の所定外労働時間ですが、8月の鉱工業生産指数が増産を示したにもかかわらず、毎月勤労統計では残業が減少しており、鉱工業生産指数と毎月勤労統計で不整合となっています。
こういう場合、鉱工業生産指数の方が信頼され、毎月勤労統計の信頼性が低い、というのが多くのエコノミストの結論ではないかと思いますが、取りあえずは保留にしておきます。

名目賃金については、現金給与総額は▲0.1%減の27万1676円でしたが、内訳を見ると、ボーナスなど特別給与の▲7.7%減の寄与が大きく、同時に、所定外労働時間の減少と整合的な残業代など所定外給与も▲1.9%減を示しています。

一方、基本給にあたる所定内給与は+0.5%増の24万223円を記録し、消費に影響の大きい恒常所得部分ではプラスとなっており、消費には大きな懸念ないものと受け止めています。最後に、パートタイム労働者に比べてフルタイムの一般労働者の伸びが追いついてきたようで、かねてよりこのブログでも主張している通り、ほぼほぼ完全雇用に近い人手不足の現在の労働市場は賃上げではなく正規雇用の増加という雇用の質の向上に適しているのかもしれません。でも、賃金が上がる方向も見えて来たように感じないでもありません。

今日の昼前に役所を出て、新橋方面に向かったんですが、新橋から銀座にかけては、ものすごい人出でした。報道によれば80万人とか。ちょっとした政令指定都市分くらいの人がオリンピックのメダリストを見に集まったということなんでしょう。私は田舎者ですので少しびっくりしました。





コメントを残す