トランプ流に株価下落の警告(大機小機) – 日本経済新聞

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トランプ米大統領が国連総会演説で「歴代政権より多くのことをなし遂げた」と自慢し、各国代表の失笑を買ったのは9月25日。それから半月で起こった10日の米国の株価急落は、トランプ流の政策に対するマーケットからの警告だった。

トランプ氏の特徴は、何事についてもアクセルを踏みたがることだ。どういうリアクションが起き、どんな副作用を伴うか、政策は持続可能かについて、包括的に深く考えているようにはみえない。外交政策も経済政策も同様である。

米国の4~6月期の実質国内総生産(GDP)成長率は、前期比年率で4.2%に達した。9月の失業率は3.7%と48年ぶりの低い水準だった。そのたびにトランプ氏は、経済運営を自画自賛してきた。

トランプ政権による大規模な減税と財政刺激策は、確かに好況の支えになっている。ただし、米国では、オバマ前政権当時から先進国の中で最も堅調な景気が続いていた。そこに大規模減税など不況期のような刺激策を加えたのだから、景気指標がさらに良くなったのは当然である。

問題は、インフレや財政赤字拡大を抑制するブレーキの必要性が、トランプ氏の発想から抜け落ちていることだ。景気の過熱を防ぐブレーキ機能は、米連邦準備理事会(FRB)に委ねられた形である。ところが、株価下落に直面したトランプ氏は、FRBの進める利上げには同意しないと主張し「FRBはクレージーだ」と繰り返し語った。

政権が中央銀行の金融政策に露骨な不満を示し、利上げを止めようとすれば、市場の不信を招く。

株価急落の引き金は米国の長期金利上昇だが、その背景にあるのは財政赤字の拡大と国債の増発だ。これは、政権の政策に起因するというべきだろう。

11月の中間選挙を前にトランプ氏は、イラン制裁復活の副作用である原油高やガソリン価格上昇の責任を、石油輸出国機構(OPEC)に転嫁しようとしている。こういう理屈をいつまで続けられるのだろうか。中国との貿易戦争の落としどころも見えない。株高が続く間は目立たなかったトランプ政権への市場の違和感が、表に出やすくなった。株価がひとまず落ち着いても、大統領のFRB非難は市場のしこりになる。

(花山裏)





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