新興国通貨危機、実体経済への波及に身構える投資家 – Newsweekjapan

Home » 01GDP(国内総生産) » 新興国通貨危機、実体経済への波及に身構える投資家 – Newsweekjapan
01GDP(国内総生産), 実質成長率 コメントはまだありません



新興国投資家は、通貨危機とそれに対処するための大幅な利上げが、実体経済をより大きく減速させたり、景気後退(リセッション)を引き起こす恐れがないかどうか見定めようとしている。

トルコの中央銀行は13日、政策金利を一気に6%ポイント余りも引き上げて24%に設定し、年初来約40%に達したリラの下落をこれ以上容認しない姿勢を打ち出した。

アルゼンチンも半値以下になったペソの下支えに苦戦し、政策金利を60%にまで上げている。

さらにインドルピーが過去最安値に沈むとともに、南アフリカランド、ロシアルーブル、ブラジルレアルといった通貨が今年に入って15─20%値下がりした。

そして市場の混乱が実体経済に悪影響を及ぼし始めた兆しが見えてきた。南アは第2・四半期に予想外のリセッションに突入。アルゼンチンもリセッション入りが予想され、トルコは来年にかけて経済がハードランディングするとの見方が多い。

ではこれらの国の経済成長は足元でどんな状況となり、企業や消費者の心理がショックを受けている兆候はあるのか。また資金流入がほぼ止まったことで、来年の経済見通しは劇的に悪化しているのだろうか。

<企業景況感と金融環境>

今月公表のデータに基づくと、多くの途上国の購買担当者景気指数(PMI)は急低下した。

HSBCの新興国市場調査グローバル責任者ムラト・ウルゲン氏は、ドルが堅調で米短期金利が上がっている環境では、新興国の対外金融環境は特に経常赤字国において引き締まると指摘。資金流出を受けて多くの新興国が利上げを選択していることから、国内の金融環境も引き締まりつつあると付け加えた。

同氏によると、市場の不安定さや金利上昇、夏場の株価下落を考えれば金融環境が厳しい局面に置かれ続ける公算は大きく、それが今後の経済活動を圧迫するだろうという。

<通貨安の負の側面>

国際金融協会(IIF)のチーフエコノミスト、ロビン・ブルックス氏は、過去の例では通貨が急落した年に大きく落ち込んだ実質国内総生産(GDP)は、その後比較的速いスピードで回復し、通貨安で輸入が抑制され、次第に輸出が増えることで経常収支も赤字から黒字に転じると指摘した。

ただ通貨安は輸出競争力を促進する半面、国内の購買力を弱め、金融の引き締まりとともに需要と経済成長を押し下げる。

さらに専門家が詳しく分析しているのは、増大している貿易摩擦や輸入関税が、貿易の比重が高まり続ける新興国経済にもたらす影響だ。

ウルゲン氏は既にトルコ、アルゼンチン、ブラジル、南アの経済見通しを引き下げており、当面新興国の先進国に対する成長率の優位は縮小すると予想する。





コメントを残す