トランプ大統領に多くを学ぶべき日本 – BIGLOBEニュース

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米ペンシルベニア州シャンクスビルで米同時多発攻撃の犠牲者の追悼式の会場に到着したドナルド・トランプ米大統領とメラニア夫人(2018年9月11日撮影)。(c)Nicholas Kamm / AFP 〔AFPBB News〕

 「いつ米経済がクラッシュするのか、今はそれが心配です。不動産市場も株式市場も調子が良すぎます」

 米カリフォルニア州サンフランシスコ郊外でソフトウエア会社を経営するエドウィン・バーグソールドさんは、米経済の活況がどこまで続くのか心配している。

 ドナルド・トランプ(以下トランプ)政権が誕生してから、米経済は実質GDP(国内総生産)成長率も個人消費も伸び続けているばかりか、失業率は3.9%(8月)、インフレ率も2%ほどで推移しており、現時点で大きな憂慮はない。

いまの米経済に死角なし

 バーグソールドさんが続ける。

 「会社の利益はトランプになってから上向きです。しかも昨年末の減税で法人税が下がり、企業経営者としてはありがたい状況です。それだけにあとは落ちるだけという運命がくるようで怖いのです」

 企業経営者として経済の下降局面を想定しておくことは当然とも思えるが、現時点で米経済に暗雲は垂れ込めてない。

 ホワイトハウスの国家経済会議(NEC)委員長のラリー・クドロー氏は9月8日、フォックス・ニュースに登場して自信たっぷりに述べた。

 「ほとんどの経済専門家は2018年の米経済が好景気に沸くことはないと否定的な見方をしていましたが、全くの見当違いでした。経済政策だけでなく、あらゆる指標で良好な数値が出ています」

 11月6日の中間選挙を前に、トランプの汚点をあぶり出したい民主党としては、経済ではケチをつけられない状況にあるのが現実だ。

 トランプ政権が発足してから1年9か月、クドロー氏の言説の通り、大方の批判的予想は外れた。いくつか例を挙げたい。

 ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏はトランプに否定的な見方をする一人だ。

大統領就任当初の大方の予想は外れた

 大統領選直後の2016年11月9日、ニューヨーク・タイムズ紙に次のようなコラムを書いた。

 「市場は下落する気配を見せている。(中略)トランプは米国と世界にとって災害であり、予期しない悪い結果が訪れるだろう。たぶん世界的な不況に直面することになるし、その先は見えない」

 さらに国際通貨基金(IMF)の元エコノミスト、エリック・ジッツァウィッツ氏も2016年11月に「トランプが勝てば、金融市場はメルトダウンを起こすことを予期しておく必要がある」とコメントしていた。

 2017年1月20日の就任式当日、英インディペンデント紙は「トランプが世界に贈る最初のギフトは金融危機」というタイトルの記事を掲載し、2008年に次ぐ破滅的な金融危機が到来する可能性があると書いた。

 それだけではない。昨年12月、トランプの大型減税が成立する直前、民主党ナンシー・ペロシ下院議長は同法案を徹底的に痛罵していた。

 「共和党がいま成立させようとしている法案は米国史上最悪の内容です。米国の何千万という中流階層を犠牲にして、富裕層と大企業を富ませる法律です。一言でいえばアルマゲドンです」

 連邦議会上下両院で共和党に過半数を奪われている民主党としては、とにかくトランプを攻め、共和党主導の法案に反対する必要があった。

 だが大型減税案が成立し、それまで35%だった法人税は21%に下げられた。冒頭のバーグソールド氏が社長を務める中小企業にも恩恵があったばかりか、個人の所得税も見直された。

ワシントン・ポストも認める好調経済

 民主党ロン・ワイデン上院議員の算出によれば、年収20万ドル以下の勤労者は平均で月160ドル(約1万7600円)の減税になったという。トランプ政権への悲観的議論は空論になったと述べてもいいほどなのだ。

 2600ページに及ぶ長大な減税法案の中にはオバマケア(国民皆保健)の一部撤廃も盛り込まれており、痛手を受けた人たちがいるのも確かだが、経済成長が継続されているのは確かなことである。

 トランプに批判の声を上げる最右翼的な存在のワシントン・ポスト紙は9月13日、「編集委員会」の論説として米経済の好況を認めた。

 「米経済に良好なことが起きています。8月の失業率は3.9%ですし、インフレ率も連邦準備銀行(FRB)が目標にしている2%に近い」

 「最新の統計局のデータでは、平均世帯年収は6万1400ドル(約678万円)で、2008年の金融危機以前とほぼ同じレベルにまで戻りました。(中略)トランプの功績を認めていい」

 しかしワシントン・ポスト紙らしい批判の目も忘れていない。

 トランプは9月10日のツイッターで、「GDP成長率(4月から6月期)は4.2%で、失業率(3.9%)よりも高い。これは過去100年で初めてのこと!」と自画自賛してみせたが、過去100年では経済成長率の方が高かったことは何度かあったと指摘した。

 また財政赤字は20年会計年度には1兆ドル(約110兆円)に達する見込みで、大型減税を行っても国防費と社会保障費がかさんでいるため、米政府の赤字体質は変わらないままである。

個人消費も伸び、批判しにくい民主党

 財政赤字の増大は、長期的には米国債の消化が困難になり、長期金利が上がってドル安に向かうことが考えられる。

 けれどもトランプ周辺はいま雇用が安定し、賃上げも実現されるというグッドニュースに包まれている。

 401Kなどの年金の増額を実施した企業も多数あり、400万人以上の勤労者が恩恵を受けている。

 さらにGDPの約7割を占める個人消費も伸びており、民主党は中間選挙を前に、経済政策では口を挟めない状況である。冒頭のバーグソールドさんの憂慮は杞憂に終わりそうだ。

 また連邦議会共和党は先週、減税法案第2弾を公表した。法人税をさらに下げて20%にする意向で、同案の恒久化も視野に入れる。

 だが中間選挙前までの成立はほぼ無理なので、来年以降に持ち越しとなるだろう。

 それよりも今問題なのは日本経済である。

米国に大きく水をあけられた日本

 2019年に予定されている消費税10%は個人消費をいま以上に減速させるはずだ。

 今年の米国のGDP成長率が3〜4%であるのに対し、日本の2018年度の実質成長率は1.2%ほどで、米国に水をあけられてしまった。

 安倍晋三政権は国内産業にエネルギーを注入する意味で、法人税の減税を真剣に考えてもいい。

 日本は個人消費もずっと横ばいで、上昇率は米国に3倍近い差をつけられている。

 トランプには多くの批判が集まるが、こと経済政策については日本が踏襲してもいい点があることを認めるべきかもしれない。

筆者:堀田 佳男





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